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■  小説・フィクション  ■

マリー・アントワネット(上・下)シュテファン・ツアイク作 高橋禎二・秋山英夫訳 (岩波文庫)
小学生の時に初めて読んだフランス革命関係の小説がこれでした。ちなみにその時はみすず書房版のツヴァイク全集のものでした。アントワネットの生涯を描いた作品で、ラストシーンでは泣いたという記憶をお持ちの方も多い筈。
悲しみの王妃 新編少女世界名作選4/シュテファン・ツバイク原作 大庭さち子編訳 (偕成社)
上記のツヴァイクの作品『マリー・アントワネット』を小学生向けに書いた本ですが原作と史実のイメージを壊す事なく意外とリアルに書いています。挿絵がまた綺麗で、ルイ16世に至ってはとっても美男子。絶版なのが惜しいです。
王妃マリー・アントワネット全3巻/遠藤周作著 (朝日新聞社)
アントワネットの生涯を、フランス革命を作り上げる幾多の人達の目から描いたもの。ここのアントワネットはかなり善良的でルイ16世との間も他の本よりは良い感じ。ももかにはちょっと物足りなかったのですが、読みやすい本です。
世界大ロマン全集 第53巻 王妃の首飾り(上・下)アレクサンドル・デュマ著 大久保和郎訳 (東京創元社)
美貌の王妃マリー・アントワネット、彼女を愛する男性達、ヴァロア家の血筋をひくというジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人らが繰り広げる「首飾り事件」を取り上げたお話。ルイ16世がお人好しで良い感じ。2002年春映画『マリー・アントワネットの首飾り』が海外国内共に公開。これに伴いこの本も復刊されました。
マリー・アントワネットの首飾りエリザベス・ハンド著 野口百合子訳 (新潮文庫)
映画『マリー・アントワネットの首飾り』の原作。不当に家を奪われたヴァロア家の末裔ジャンヌがそれを取り戻そうとする物語。ジャンヌを主人公に、「首飾り事件」までのいきさつを新解釈で綴っています。
土浦文学32 戯曲(全四幕)マリー・アントワネット王妃/榊原勝編集 (土浦文学会)
アントワネットの生涯を史実と絡み合わせて戯曲としておこした作品。国王夫妻は愛情に満ちた描かれ方をしています。ラストはフェルセンの暗殺まで。
マリ・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ/藤原アキラ著 (文芸社)
この作品は作者の影響された某本が下敷きになっているのかと思います。部分的にあの資料この資料の引用が見えてしまって、いささか食傷気味の感は拭えず。あ、でもここのフェルセンは感情的になると自分の頭を机にぶつけるんですよ(笑)。アントワネットの誕生からプチ・トリアノンの幽霊話まで。500ページ余りの厚い本です。
マリー・アントワネットは夜、哲学する/金塚貞文著 (三笠書房)
彼女の死から200年後、アントワネットが自分を振り返り「その頃」を語るという構成。風俗的なお話も出てきます。
王妃に別れをつげて/シャンタル・トマ著 飛幡祐規訳 (白水社)
アントワネットの朗読係が見た1789年7月の3日間を、後年亡命先のウィーンで回想するという設定。
赤い館の騎士/アレクサンドル・デュマ著 鈴木豊訳 (角川文庫)
ラ・タンプルに幽閉された女王を救おうとするメーゾン・ルージュの騎士。主人公モオリスとその親友ローランは意外な事からその騒動に巻き込まれ、そして深く関わっていく事に。実際に起こったカーネーション事件をヒントに描かれた作品です。
強盗紳士 ルパン傑作集(Ⅵ)/モーリス・ルブラン著 堀口大學訳 (新潮文庫)
ご存知怪盗アルセーヌ・ルパンシリーズの一篇で「女王の首飾り」を収録。アルセーヌ・ルパンの初めての盗みはズービーズ伯爵夫人所有の「女王の束縛の首飾り」。これはあのアントワネットを巻き込んだ首飾り事件の所縁の宝石です。表題が『強盗紳士』なんですが個人的には「怪盗紳士」の方が美しいわ♪・・と思ったら東京創元社版は「怪盗紳士」でした。
小公女/バーネット著 吉田勝江訳 (岩波少年文庫)
実は主人公セーラはフランス革命が好きなのです。ミンチン先生に追いやられた屋根裏部屋をバスティーユ牢獄と称するくらい!いいのかな、子供向けの本なのに・・。
ジョセフ・フーシェ −ある政治的人間の肖像−シュテファン・ツアイク作 高橋禎二・秋山英夫訳 (岩波文庫)
フランス革命からナポレオン帝政時代、そしてルイ18世の王政復古。そんな歴史の狭間の中での変節と転身によって時には人を裏切り自分の才知で世を渡り歩いたフーシェの話。何だかとっても感服・・・。好きな本の一つです。
フーシェ革命暦(Ⅰ・Ⅱ)/辻邦生著 (文藝春秋)
フーシェが自分の生涯を回想録という形で語ります。かなり厚くてとても読ませる本で面白いの♪フーシェは教師で世の中はようやくバスティーユ攻撃というのに第二部未完。政治家フーシェの登場を見ないまま絶筆となっています。とても残念。
ロマン・ロラン全集(10)/蛯原徳夫・波多野茂弥・宮本正清・片山敏彦共著 (みすず書房)
戯曲『フランス革命劇』の連作より「花の復活祭」「七月十四日」「狼」「理性の勝利」「愛と死の戯れ」を収録。「狼」ではシャルロット・コルデに恋したアダム・ルックスが結構ロマンティックな人物として描かれています。この作品はドレフュス事件が発端となって書かれたもので、当初はサン・ジュストという匿名で発表されたのだとか。
ロマン・ロラン全集(11)/波多野茂弥・宮本正清・片山敏彦共著 (みすず書房)
戯曲『フランス革命劇』の連作より「ダントン」「ロベスピエール」「獅子座の流星群」の他、「民衆劇論」も収録。ロベスピエールがかなり人間味溢れる感じがするのに対してサン・ジュストはいたって冷静。でもル・パとの「カストールとポリュックス(双子座)」の友情があるのよね。上記10巻よりはこちらの方が躍動的で好きですね。
神々は渇く/アナトール・フランス作 大塚幸夫訳 (岩波文庫)
市民エヴァリスト・ガムランの純粋さと若さ故の運命を描いた小説。革命の熱さを感じます。ももかが初めて買ったフランス革命関連の小説。
二都物語(上・下)/ディケンズ作 中野好夫訳 (新潮文庫)
ここにある「二都」とはイギリスとフランスの事。個人的にはシドニー・カートンがおすすめ♪でもあの薄〜い短編小説『クリスマス・カロル』でさえ苦手なももかに、この作品は名作であってもやはり読みづらいものが。宝塚でも2回上演されました。
革命の館 パレ=ロワイヤル/ルネ・スウェントン著 杉田正樹訳 (中央公論社)
革命熱に浮かされた若きジュリアンがパレ=ロワイヤルを舞台に激動の時代を生きて行きます。当時の風俗も織り交ぜてのお話で、参考になる部分もあれば閉口してしまう部分もありました。
フランス幻想文学傑作選(2)/窪田般彌・滝田文彦編 (白水社)
ロマン主義隆盛時代の作品を集めた一冊。この中の一篇にアレクサンドル・デュマの『サン=ドゥニの墓』があります。これは民衆による王家の墓所サン=ドニ修道院(フランシアード修道院)で歴代の国王らの遺体が掘り起こされる様子を描いたもの。その描写はさすがにデュマなればこそ。
知られざる傑作 他五篇/バルザック作 水野亮訳 (岩波文庫)
サンソンの『フランス大革命回想録』を元に書かれた『恐怖時代の一挿話』を収録。物語の始まりは1793年1月22日、といえばピンとくる人はくると思います。アンリ・クレマン・サンソン(大サンソンの孫)に取材をした上で書かれた作品。
パルムの僧院(上・下)/スタンダール作 生島遼一訳 (岩波文庫)
前半にワーテルローの戦いに赴こうとしている主人公の姿があります。でもこういうお坊ちゃんはいただけない(^^;)。ももかには理解出来ません。この難解な小説をバルザックは3度読み返し、その非凡さを認め「スタンダール論」を書いたといいます。
九十三年(上・中・下)/ヴィクトール・ユゴー作 辻昶訳 (岩波文庫)
反革命の暴動・ヴァンデの乱を舞台に王党派ラントナック、その甥で革命支持者のゴォヴァン、ゴォヴァンの師シムゥルダンらを描いた作品。シムゥルダンはまるで『三銃士』のアトスみたい♪と思ったのはももかだけでしょうか。ユゴーの遺作。でも実際にヴァンデでゲリラ戦法を展開したのは間違いだとか。
紅はこべ/オークシイ著 中田耕治訳 (筑摩書房)
革命下のフランスでは貴族を亡命させる「紅はこべ」といわれるイギリス人組織に頭を悩ませていた・・・。この「紅はこべ」の指導者とは?ももかのイメージだと怪傑ゾロなんですけど(笑)。宝塚でも上演。海外ドラマ『The Scarlet Pimpernal』ではパーシー卿をリチャード・E・グラント、ロベスピエールをロナン・ヴィバートが好演。もう、うっとりなのです。サントラもグッド♪
スカラムーシュ/ラファエル・サバチニ著 加島祥造訳 (レグルス文庫)
スカラムーシュとは道化の事。フランス革命を舞台に、友人を殺されたスカラムーシュことアンドレ・ルイが特権階級貴族のラトゥール・ラジール侯爵に挑みます。このラジール侯爵が、脇役らしいとっても良い味を出しています。そういえば木原敏江さんの『水晶と天鵞絨』シリーズでカミーユとベル夫妻の愛犬の名前はダルタニアンとスカラムーシュ(^^)。
8(エイト)(上・下)/キャサリン・ネヴィル著 村松潔訳 (文藝春秋)
恐怖政治の嵐が吹き寄せるモングランではそれを求めるあらゆる人物の手から守る為、密かに掘り出された物がありました。モングラン・サーヴィス、つまりシャルルマーニュのチェスセットです。そして現代にも野心を燃やして手に入れようとする人達がそれぞれの思惑を巡らせます。ダヴィットやマラー、タレイラン、といった人物も登場します。シャルロット・コルデーの収容された牢獄には間違いがあったりして(笑)。
暗黒事件(上・下)/バルザック作 水野亮訳 (岩波文庫)
第一次帝政下における革命家と王党派の暗闘を描いた小説。タレイランやフーシェも登場♪こちらの文は旧字体で書かれている為、人によっては読みにくいかも。結末はちょっと意外でした。
パリの王様 大アレクサンドル・デュマ物語ガイ・エンドア著 河盛好蔵訳 (東京創元社)
3代のアレクサンドル・デュマを描いた本で大デュマが主人公ですが、小デュマ(デュマ・フィス)も活躍しています。実際にフランス革命と関わりのあるのは大デュマの父親のマティユー・デュマ将軍の方で、彼はヴァレンヌ逃亡事件の際、パリ帰還する国王一家を護衛したり、ナポレオン帝国において将軍の地位についた方。フランス革命とは大いに離れた大デュマの豪快なる生涯を知りたい人は是非。
モンティニーの狼男爵佐藤亜紀著 (朝日新聞社)
変身物語とでもいいましょうか。主人公の妻に関わってくるギョーム・ルナルダンは冒頭の主人公の回想を読むと後にダントンと断頭台に上った事になっています。という事はパリに出、議員となりダントン派に転進するという彼の前半生が此処に描かれているという事に。
小説フランス革命Ⅰ〜Ⅸ佐藤賢一著 (集英社)
ミラボー伯爵、ロベスピエール、カミーユ・デムーランらの主要な人物の視点から、全国三部会に始まるフランス革命を描いています。2013年9月完結予定。
恋情/藤本ひとみ著 (講談社)
二篇収録。『恋情』では革命から逃れてきた貴族の夫人が義理の息子に対する恋によって引き起こした事件の話。舞台を革命下においているものの、革命的ではない。『接吻』(文庫版改題『最後の接吻』)はかつてのデスタンプ公爵夫人ジャンヌが断頭台へ続く道で処刑執行人シャルル・アンリに自らの生涯を語るという構成。史実だとジャンヌは断頭台に挑んだ人物の中で一番最後まで生への執着があったといわれていますので、それを覆す内容という事になりますね。藤本氏の作品については辛口です。ファンの方にはごめんなさいです。
ウィーンの密使 フランス革命秘話/藤本ひとみ著 (講談社)
ルーカスは皇帝ヨーゼフ2世とレオポルト2世の命を受け、彼らの妹マリー・アントワネットに革命下に生きる王妃としての心構えを諭させる為にフランスへと赴きます。しかし意に反してアントワネットは絶対王政下の王妃であり続けようとするのでした。ルーカス、最後は自棄になってる?(^^;)。
マダムの幻影/藤本ひとみ著 (朝日新聞社)
聖職界の寵児と呼ばれたルナールは王妃アントワネットの弁護人であったクードレーの回想録の翻訳をする事になります。回想録に記されたアントワネットの真実とブルボン王家が秘めていたルイ17世の謎とは。やはりここに落ち着いたって感じですね。資料的に読めば面白いのですが、小説として読むとあのラストは必要ないんじゃないかと思います。藤本的ならお決まりなのでしょうか。朝日新聞社文庫版は『マリーアントワネットの遺言』。本の売り方を心得ているような改題。
聖ヨゼフ脱獄の夜/藤本ひとみ著 (講談社)
モメリアン要塞に収容された囚人ヴィドックはこの建物に秘密が隠されている事を知る。聖ヨゼフが脱獄する話かと思いきや聖ヨゼフの日に脱獄する話でした(笑)。表紙のインパクトに比べて内容は今一つ。グロテスクなシーンは閉口。
バスティーユの陰謀/藤本ひとみ著 (文藝春秋)
ギャルソンのジョフロアはふとした出来事から出会ったガスパールとその死によって、自分が次第に変わっていく事に気がついた。しかしそれが何を求めているのかは分からないままに。そして歴史はバスティーユのあの日に向かって動いていく。タイトルからの印象では司令官ド・ローネーの陰謀かと思ったのですが、民衆の心に生じる感情を「陰謀」として解したものらしいです。
皇帝ナポレオン 上・下/藤本ひとみ著 (角川書店)
流刑となったナポレオンの帰還。モンデールはマダム・タリアンの元に訪れ、彼女が知るナポレオンの姿を筆に起こす事になった。ナポレオンの周りに集まる女達、皇后ジョゼフィーヌの放蕩なる生活。フランスにとって彼はどんな存在だったのか。モンデールとマダム・タリアンの藤本氏お得意の描写が続く上巻は私には馴染めなかったのですが、下巻は文体構成が変わりこちらは大丈夫でした。
令嬢テレジアと華麗なる愛人たち/藤本ひとみ著 (集英社)
テレジア・カバリュスが自らの愛人遍歴を孫に語るという構成。本当に華麗なる遍歴です。あの人もこの人も、そしてマルク・アントワーヌ・ジュリアンまで出してくるとは・・・。
貴腐/藤本ひとみ著 (文藝春秋)
まず装丁がいつもとは違いシンプルな本。文庫版は『みだらな迷宮』の副題あり。二篇収録。『貴腐』『夜食』共々、自身の告白・回想的な語り口で始まり、退廃的な貴族の性愛遊戯に物語は一環しているので、当時の貴族社会の愛だの風習だのに浸りたい読者向け。フランス革命下を舞台にしているものの、革命的背景を重点に読みたい方には物足りないと思います。
女神たちの嵐 上・下/アイリス・ジョハンセン著 酒井裕美訳 (二見書房)
ジョハンセン女史が贈る「ウインドダンサー・シリーズ」2作目はフランス革命が舞台。王家所有のウインドダンサーをめぐり人々の思いは交錯します。ミステリー好きな方に人気が高い作品。革命サイドから見ると、もう少し革命家の書き込みが欲しいところ。お尋ね者の主人公らが何度もパリ入城が可能というところが、18世紀だからありえるかなと思いつつ、ちょっと甘いかなとも思ったり。フーシェ、まだ警察総監じゃなかったし?
皇后ジョゼフィーヌのおいしい人生/藤本ひとみ著 (集英社)
ナポレオンと離婚するまでのジョゼフィーヌの人生が描かれています。軽めの内容なのであっさりと読めます。
サン・ジュスト転生/長谷川佳子著 (ヴァルカン社)
「死の大天使」サン・ジュストが霊魂となった姿から己を回想しています。全体的に緩やかで幻想的な雰囲気で、こういう世界が大好きなももかには心に残る1冊となりました。
喉切り隊長/ジョン・ディスクン・カー著 島田三蔵訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)
1805年、イギリス軍と対峙するフランス軍の中では喉切り隊長と名乗る暗殺者が跳梁していました。その正体とは?警察大臣としてのジョゼフ・フーシェがとにかくももかは好きです〜♪主人公よりも(笑)
フランス革命殺人事件 名探偵ラウル・フェルタン子爵/磯部立彦著 (大和書房)
革命のパリ。ラウルの前に現れたのはジャンヌ・ベキュ・・・ラウルの運命の人デュ・バリー夫人だった。そして幽閉中の王太子と次々に起る殺人事件。一体犯人は?とにかくデュ・バリー夫人が可愛いのです。筆者(磯部立彦=磯部慧)の『密謀の王宮』と一緒に読もう!
天球の調べ/エリザベス・レッドファーン著 山本やよい訳 (新潮社)
1795年のロンドンでは共和国となったフランスから逃れ、今や王政復古をめざす貴族たちやそれを阻もうとする共和国のスパイが暗躍していた。サスペンスミステリーな話ですが、ところどころに出てくる星に関する記述が美しいです。時代考証もばっちりですが、ミステリーファンにはちょっとひねりが欲しいかも。
魔の木−1785年における精神分析の成立・心理学の哲学を物語る試み−
/ペーター・スローダイク著 高田珠樹・高田里恵子翻訳(岩波書店)
心の病療法を求めて磁気治療士メスメルに学ぼうとするヤン・ファン・ライデン。心理学・哲学系がお好きな方なら読みごたえがあるとは思いますが、歴史系からこちらを覗かれる方には難しいかもしれません。それでもポリニャック伯夫人やマラーやギヨタンなどが出てくる場面もあります。

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