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ディープの挑戦 その2

2006年9月29日
いよいよディープインパクトの凱旋門賞出走が明後日に迫った。PINEはディープの海外挑戦に対
し半信半疑だったため、関係者の勇気に敬意を表する。
ディープはどんな作戦をとるのであろうか?、前半は最後方からレースをすすめ、残り4〜5Fくら
いからスパートという国内同様の作戦をとるのか。それとも中段より前に位置取り、不利を受けない
ような正攻法のレースを見せるのか。出走頭数が近年稀にみる少なさで、最後方からレースをすすめ
ても問題無さそうではあるのだが。ただ、初の海外競馬、タフなコース、3か月振りの実戦など不安
な要素も多く、国内同様の末脚を発揮できるのか疑問もある。一方で敗戦時のショックを考えると、
いつも通りの競馬をして負けた方が悔いは残らないであろう。
では、果たしていつも通りの後方一気末脚爆発といくのだろうか。PINEは先程挙げた3つのネガ
ティヴ要素に加え、「道中折り合えるか」という不安も挙げておく。日々JRAから伝わってくる現
地での調教状況からは、仕上がりが良くかなり早い時期(2〜3週前)に出走態勢が整ったという。
にもかかわらず、競馬をさせてもらえないディープのストレスを考えると、テンションが上がりすぎ
ていないであろうか。スタートをきったら途端にビューンと。そう、昨年の菊花賞1週目4コーナー
で引っかかった時のように。古馬になってから精神面の成長が著しいということなので、PINEの
不安も杞憂に終わってくれることを願うが。
ディープにとっての理想的な展開は、ライバルを確認しながら前半はきっちり折り合う。残り4Fあ
たりで動き始めて、直線の入り口では最低でも中段。500余mの直線でライバルとの勝負に持ち込
みたい。本当にディープが歴史的な名馬なら、早めに先頭に立ち後続を突き放すくらいの競馬をして
も良い。そんなシーンを見てみたい。
最後方からレースを進めるであろうディープにとっての幸運は、出走頭数が8頭と凱旋門賞では60
年振りのひと桁台になったことだ。馬群を捌けないとか、包まれるなどの不利の可能性は極めて低い
だろう。もう馬場が悪いとか、ペースが緩いとか泣き言は言わないで欲しい。それは承知の上での遠
征のはずだから。
オールジャパンで挑む今回の凱旋門賞は、日本競馬の現在のレベルを測る格好のレースとなろう。こ
こでいう「日本競馬」とは、配合から始まり、生産、馴致、育成、調教、レース、アフターケアなど
そこに係わる全ての人や設備、資金を含めて、競馬途上(後進)国日本の進化度合いを見極めること
が出来よう。惨敗するようであれば・・・、またこれから10年単位の努力が必要と覚悟しなければ
なるまい。
7月のキングジョージでハーツクライが残り100mの時点で先頭を走り、1馬身差の3着まで来て
いるのである。あと一歩である。ディープにはこの一歩を踏み越えて貰いたい。競馬歴27年のPI
NEの悲願でもある。

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