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Wed, 16 Apr 2003 

こだま通信 第5号 韓国人の本音に触れる(1)  

○前回までの通信では、韓国と私の接点を通して体験談的なお話をさせていただきました。ちょ うどそのころ、北朝鮮による日本人拉致問題が急展開し、小泉首相と金正日との会談で平壌宣言 が出されました。また、韓国では金大中大統領から新しい大統領にバトンタッチがなされ、政治 的には大きな変動がありました。 そのような中で韓国からの友人から再度訪韓の誘いがあり、 またゆっくりとお話をする議論ができそうでしたが、私の関係する日本側の研究プロジェクトが 詰めの段階に入っていたため、実現しませんでした。  

○韓国に関する私の知識は体験的なものですが、私の住んでいる埼玉県日高市は奈良時代より朝 鮮半島の人々が住み、高麗王の墓があったり、高麗村や高麗本郷など地名にも朝鮮と縁が深い土 地です。日高市自身、韓国の都市ヨサン市と友好親善都市の関係を結び、市民レベルの交流が盛 んです。私は昨年、韓国物理学会40周年記念式典に出席し、韓国の学問レベルの一端に触れる 機会を得たわけですが、その後この3月末に仙台で開かれた日本物理学会の記念行事に韓国の研 究者が参加され、大いに注目を浴びた姿を拝見することができました。このように日本における 各界の交流は確実に前進しており、スポーツの分野をはじめ映像文化の交流なども活発化してい ることは皆様もよくご存知のとおりです。  

○このようなわけで、私のつたない体験も意味付けが大事になってきました。それは単なる交流 を超えて相手の考え方の根底にあるものに目が向いて行ったのです。 現在、世界の目はイラク 戦争に向いていますが、アメリカは核疑惑を理由に、「悪の枢軸」の北朝鮮を次の軍事標的にし ています。韓国の民主化が新しい大統領の誕生でより大きく前進したと思われていたのに、イラ クへの派兵を行いました。日本の安全保障は日米安保条約を要にすることが現在の政権政党の基 本的立場です。自衛隊の海外派兵を合法化する有事立法の国会再上程も浮上していますが、イラ ク戦争を契機に日米韓の軍事同盟の強化策が強まり、韓半島の軍事的緊張が一気に高まるのでは ないか、と懸念しております。  

○この間、2冊の本を読みました。 一冊目は辛淑玉(しん すご)著 「愛と憎しみの韓国語」 2冊目は 呉善花(お そんふぁ)著 「韓国併合への道」です。どちらも著者は在日朝鮮人女 性です。一冊目の帯封には「愛の表現と憎しみの表現は背中合わせ。この本には今の韓国を生き る「隣人」が多数登場する」 二冊目の帯封には「韓国併合の原因は日本にあったのか韓国にあ ったのか」と記されています。 どちらも文春新書です。 前者は世俗的な韓国事情を、後者は 歴史的な韓国事情を書いています。次回以降はこの本の感想を中心に通信をお届けしたいと思い ます。  

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