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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 番外編 〜
〜 正月 鏡開き 温かい湯気の中で 〜
大姫、源義高、海野小太郎幸氏が逢ってから初めての正月。
ここは、鎌倉。
小御所。
源義高の部屋。
床の間に鏡餅が飾ってある。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏も普通に居る。
源義高は鏡餅を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様が笑顔で用意された鏡餅を見ると、温かさを感じますね。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「今の時季は、温かさより寒さを感じる。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「季節的に寒いですが、気持ちの温かさを感じませんか?」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「数日ほど経つと鏡開きだな。俺の部屋の鏡餅は、俺が開くと思う。開いた鏡餅で汁粉や雑煮を作って欲しい場合は、誰に頼めば良いのかな?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「政子様に相談しますか?」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「政子様に頼んだら、みんなと食べるように勧められる気がする。正月の挨拶など鎌倉側の人達に気を遣う行事があるのに、更に気を遣うのは困るな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様に相談しますか? 大姫様は喜ばれると思います。」
源義高は考え込んだ。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
元気に良い足音が、部屋の外から聞こえてきた。
源義高は海野小太郎幸氏を苦笑して見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「義高様。小太郎殿。こんにちは。」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「数日ほど経つと鏡開きですね。」
源義高と大姫に普通の表情で頷いた。
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「姫は義高様と小太郎殿と鏡開きを行ないたいです。お母様には許しをもらいました。安心してください。」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫付の侍女も部屋に来たら、俺の部屋では狭過ぎる。」
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様の部屋には姫が一人で来ます。」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫が一人で部屋に来たら、侍女達に雑煮や汁粉を振舞えなくなるだろ。」
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「姫の部屋の鏡餅は、侍女に分けます。姫は義高様の部屋の鏡餅を食べます。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「姫はお汁粉を作って義高様と小太郎殿と食べたいです。」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫。張り切って料理をすると疲れるぞ。」
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「大丈夫です。」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「張り切りすぎて途中で寝るなよ。」
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「大丈夫です。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「今は鏡餅を開く時の確認に来ました。後で来ます。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は部屋を微笑んで出て行った。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は義高様と私を気遣ってくださったのですね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫に汁粉ではなく雑煮が食べたいと頼めば良かった。」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「今なら変更は間に合うと思います。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫は俺達が喜ぶと考えて汁粉を作るんだろ。侍女が手伝うために、準備を進めているはずだ。俺達の都合で変更したら、侍女に悪い。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
数日後の事。
鏡開き当日となっている。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏も普通に居る。
床の間に鏡餅が飾ってある。
源義高は鏡餅を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様が用意された鏡餅が見られなくなりますね。寂しいですね。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「暫く経つと騒がしくなる。寂しさを感じる暇はない。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「賑やかなお正月も良いと思います。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
元気の良い足音が、部屋の外から聞こえてきた。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 鏡開きを始めましょう!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
源義高は鏡餅を普通に取った。
大姫は源義高を笑顔で見た。
海野小太郎幸氏は大きな紙を微笑んで広げた。
源義高は大きな紙の上に鏡餅を普通に置いた。
海野小太郎幸氏は源義高に木槌を微笑んで渡した。
源義高は海野小太郎幸氏から木槌を普通に受け取った。
大姫は源義高を笑顔で見ている。
源義高は木槌を使って真剣な表情で鏡餅を開いた。
鏡餅は綺麗に開いた。
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 綺麗に開いています! 凄いです!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「普通だ。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「姫は鏡餅を思い切り開いたのに、ほとんど開きませんでした。侍女に手伝ってもらって再び鏡餅を開きました。」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「俺と小太郎は、体を鍛えている。俺は姫より体が大きくて力がある。綺麗に開けなければ、逆に困る。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 凄いです!」
源義高は大姫を苦笑して見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「お餅を早く焼きましょう。」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
暫く後の事。
ここは、源義高の部屋。
大姫は笑顔で居る。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏は微笑んで居る。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏の傍には、開いた鏡餅の入ったお汁粉の鍋、器、箸などが、置いてある。
大姫は鍋のふたを笑顔で開けた。
鍋から湯気が勢い良く立ち上った。
大姫はお汁粉を器に笑顔で装った。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高に器を差し出すと、源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! どうぞ!」
源義高は大姫から器を普通に受け取った。
大姫はお汁粉を器に笑顔で装った。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。
大姫は海野小太郎幸氏に器を差し出すと、海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「小太郎殿! どうぞ!」
海野小太郎幸氏は大姫に軽く礼をすると、器を微笑んで受け取った。
大姫はお汁粉を器に笑顔で装った。
源義高は器を持ちながら、大姫を普通の表情で見た。
大姫は器を持ちながら、笑顔で話し出す。
「いただきます!」
源義高は器を持ちながら、普通に話し出す。
「いただきます。」
海野小太郎幸氏は器を持ちながら、微笑んで話し出す。
「いただきます。」
大姫は美味しくお汁粉を食べ始めた。
源義高は普通の表情でお汁粉を食べ始めた。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を見ながら、お汁粉を微笑んで食べ始めた。
暫く後の事。
ここは、源義高の部屋。
開いた鏡餅を使ったお汁粉は、全て食べ終えた。
大姫は海野小太郎幸氏が用意した床の中で、気持ち良く眠っている。
源義高は大姫を普通の表情で見ている。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見ている。
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に僅かに呆れて話し出す。
「大姫は大丈夫と笑顔で話していたが、結局は疲れて寝てしまったな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「お汁粉を張り切って作っていました。義高様がお汁粉を食べられている姿を喜んで見ていらっしゃいました。美味しく楽しく食べていました。鏡開きが順調に終わり、安心されたと思います。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に苦笑して話し出す。
「お汁粉が少し甘く感じたんだ。大姫は、俺が汁粉を食べる姿を喜んで見て、汁粉のお代わりを勧めた。俺が汁粉のお代わりを頼んだら更に喜んだ。少し甘いと伝える機会が無くて困った。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様が義高様の部屋を訪れた時に、私から大姫様にお汁粉について話します。義高様は大姫様にお汁粉の味をさり気なく話してください。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を見ると、大姫に微笑んで呟いた。
「大姫。ありがとう。」
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に苦笑して話し出す。
「大姫が寝ている間に礼を言わないと、騒いで大変だろ。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「穏やかな時間が永く続くと良いな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
すると切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「お汁粉をたくさん食べて頂いて、とても嬉しかったです・・・」
「義高様と小太郎のために、開いた鏡餅の入ったお汁粉を再び作りたいです・・・」
「義高様と私と小太郎で、開いた鏡餅の入ったお汁粉を再び食べたいです・・・」
「義高様と小太郎のために、開いた鏡餅の入ったお雑煮も作りたいです・・・」
「義高様と小太郎と私で、楽しい時間を永く過ごしたいです・・・」
「私の夢が叶う日が訪れるのでしょうか・・・?」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
今回の物語は、大姫、源義高、海野小太郎幸氏の生きている鎌倉時代のままですが、「鏡開き(かがみびらき)」の風習を現在の風習や状況に当てはめて書いています。
そのため、「鎌倉夢語り 大姫と源義高 番外編」として掲載しました。
源義高の父親の源義仲が、征夷大将軍に就いてから亡くなるまでの期間は、正月十日から正月二十日頃になります。
大姫達の住む地域では「鏡開き」を、一月十一日に行う事が多いため、物語の設定時期で当てはめると、征夷大将軍就任直後になります。
当時の状況から考えると、源義高は源義仲の将軍就任を正式に知るのはもう少し後になると思います。
物語の設定時期の正月は、源義高にとって環境や立場が大きく変わるきっかけになる月です。
源義高は複雑な状況の中で生きていたはずがですが、「番外編」として書いた物語のため、出来るだけ穏やかな雰囲気にしました。
「鏡開き」についてです。
正月に年神様に供えた鏡餅を雑煮や汁粉にして食べ、一家の円満を祝う行事です。
武家社会の風習だったものが一般化しました。
刃物で切るのは切腹を連想させるため、手や木槌で割ったり、砕いたりします。
また、「切る」という言葉をさけて、「開く」という縁起の良い言葉を使っています。
京都では四日に、他にも二十日など、地方によっても日が違うそうです、
「正月(しょうがつ)」は、「一年の最初の月。一月。年の初めを祝う行事が行なわれる期間。」です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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