鎌倉夢語り　〜　大姫と源義高　番外編　〜


〜　夜長月　生姜の香りに包まれて　〜


今は晩秋。


ここは、鎌倉。


陽のある時間は過ごしやすいが、夜になると寒さを感じる日が現れた。


ここは、小御所。


縁。


海野小太郎幸氏は普通に歩いている。


大姫が海野小太郎幸氏に向かって笑顔で走る姿が見えた。


海野小太郎幸氏は微笑んで立ち止まった。


大姫は海野小太郎幸氏の傍に笑顔で来た。


海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿！　こんにちは！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿！　一人ですか？！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿！　姫の部屋に来てください！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は元気良く歩き出した。

海野小太郎幸氏は微笑んで歩き出した。


僅かに後の事。


ここは、小御所。


大姫の部屋。


大姫は笑顔で居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「今の時季は、日中は過ごしやすいですが、夜になると寒さを感じますよね！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「義高様に生姜湯に浸かって楽しんで頂きたいです！　小太郎殿の考えを教えてください！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「義高様は喜ばれると思います。良い考えだと思います。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「母上に生姜を用意して欲しいと頼みます！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様。多くの人達が生姜湯を楽しめるように、生姜湯を多く用意すると、義高様は更に楽しめると思います。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「分かりました！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿！　姫は至らないとろこがたくさんあります！　気付いた時は遠慮なく教えてください！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様は、優しくて、立派で、素敵な義高様の許婚です。ご安心ください。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「姫は、母上のように、義高様をしっかりと支えられる御台所になりたいです！　至らないところは、義高様の御台所になる前にしっかりと直したいです！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様が更に素敵な女性になれるように、私の気付く範囲でお教えいたします。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿！　ありがとう！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は海野小太郎幸氏を笑顔で見た。


暫く後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。大姫が張り切って行動する姿を見た。俺が大姫を普通に見ていたら、大姫に仕える侍女達が俺を微笑んで見た。小太郎。大姫と二人で話したらしいな。大姫が張り切って行動する理由を教えてくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私は詳細を知りません。大姫様に確認をお願いします。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「大姫に確認したら、大騒ぎして話す。小太郎の知る範囲で教えてくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私は、大姫様にも義高様にも、楽しんで過ごして欲しいです。私は詳細を知らないので、上手に説明できません。義高様から大姫様に直接に確認をお願いします。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎から説明を聞けないのか。仕方が無い。小太郎の話す楽しい時間まで待つ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

源義高は海野小太郎幸氏を見ながら、軽く息をはいた。


大姫の元気の良い足音が部屋の外から聞こえてきた。


源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様！　小太郎殿！　こんにちは！」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

源義高は大姫に普通に話し出す。

「大姫。少し前に張り切って歩いていたな。何か遭ったのか？」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「秘密です！」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様！　秘密ですが、楽しみに待っていてください！」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様！　姫は用事を思い出しました！　用事が終わったら直ぐに戻ります！　戻ってきたら、たくさん話しましょう！」

源義高は大姫を普通の表情で見た。


大姫は部屋を元気良く出て行った。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「秘密の内容を楽しみに待つのは難しい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私は楽しみです。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎は内容を知っているから楽しい気持ちで待てる。俺は内容を知らないから、楽しみに待つのは難しい。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を僅かに苦笑して見た。


数日後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。小御所の人達が生姜湯について話していた。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「政子様が侍女達に生姜湯を用意するように話したそうです。政子様から、私も生姜湯に浸かる許しを頂きました。楽しみです。」

源義高は海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。

「小太郎。政子様から生姜湯を用意する話を何時の間に聞いたんだ？」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「政子様から生姜湯の用意について教えて頂いたのは、昨日です。政子様は、義高様に当日まで秘密にして欲しいと話していたので、義高様に話しが出来ませんでした。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎も生姜湯に浸かる内容の話からすると、俺も生姜湯に浸かれるらしいな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様は大姫様の許婚です。生姜湯に浸かれます。ご安心ください。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「生姜湯。楽しみだな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「俺達の存在を忘れていなければ、俺が生姜湯に浸かる順番として呼ばれる頃かな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「政子様も大姫様も、義高様の存在を忘れません。勿論、私も、義高様の損沿いを忘れません。」

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。


大姫の元気の良い足音が部屋の外から聞こえてきた。


源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見ている。


大姫が部屋の中に元気良く入ってきた。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様！　生姜湯に浸かれます！　早く準備をしてください！」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。行ってらっしゃいませ。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「姫は義高様の部屋で待っています！　後でたくさん話しましょう！」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「姫は生姜湯に先に浸かりました！　安心してください！」

源義高は大姫に普通の表情で頷いた。

大姫は源義高を笑顔で見た。


源義高は部屋を普通に出て行った。


海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「義高様は喜んでいらっしゃいます。良かったですね。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「はい！」

海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


大姫は横になって気持ち良く寝ている。

大姫の体が冷えないように、着物などが掛けてある。

海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見ている。


源義高は普通の部屋の中に入ってきた。


海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

大姫は横になって気持ち良く寝ている。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。

「大姫様は話の途中で眠い仕草を見せました。大姫様に無理せずに横になるように話しました。大姫様の体が冷えないように、着物などをしっかりと掛けました。」

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。

「義高様。生姜湯は気持ち良かったですか？　生姜湯に浸かる時間は楽しかったですか？」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


大姫は横になって気持ち良く寝ている。

大姫の体が冷えないように着物などが掛けてある。

源義高は大姫を微笑んで見ている。


海野小太郎幸氏は部屋の中に微笑んで静かに入ってきた。


源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

大姫は横になって気持ち良く寝ている。

海野小太郎幸氏は源義高と大姫を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで囁いた。

「小太郎。楽しかったか？」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで囁いた。

「小太郎。大姫は張り切ると必ず寝てしまうな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。

「大姫様は義高様に楽しんで頂くために、たくさん気遣われています。義高様の楽しい姿を見ると、安心されてお疲れなどが一気に現れると思います。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで囁いた。

「疲れて寝るほどに張り切らなくて良いのに。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで囁いた。

「寝ている大姫は、静かで良いな。」

海野小太郎幸氏は源義高を僅かに苦笑して見た。

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで囁いた。

「大姫がずっと寝ていると、大姫を大姫の部屋に連れて行く方法を考えなければならない。少し面倒になる。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。

「私も義高様と一緒に考えます。面倒だと思わないでください。」

源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。

大姫は横になって気持ち良く寝ている。

源義高は大姫を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。


すると切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「生姜湯を楽しんで頂けましたか・・・？」

「義高様とたくさん話すつもりだったのに、気付いたら寝ていました・・・」

「あの時の私は、義高様が幾度も話したとおり幼かったですね・・・」

「今の私ならば、寝ずに起きていると思います・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「再び生姜湯を用意したら、喜んで頂けますか・・・？」

「再び生姜湯に浸かった後に、たくさん話して頂けますか・・・？」

「ねぇ、義高様・・・」




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

「生姜（しょうが）」についてです。

ショウガ科の多年草植物です。

熱帯アジアが原産ではないかと言われています。

秋の季語です。

生姜は、香辛料、芳香、薬用など、古くからいろいろな用途に使用されていたそうです。

日本には中国から渡来したといわれます。

渡来した時期は、古事記に生姜についての記載がある事から、その頃からそれ以前になると思われます。

生姜は、以前は「クレノハジカミ」と呼ばれていたそうです。

辛味と香が「山椒（さんしょ）［※ハジカミ］」に似ていたために、「クレノハジカミ」として区別していたそうです。

生姜には、解毒作用、殺菌作用、整腸作用、強壮作用、抗酸化作用、食欲増進効果など、いろいろな作用や効果があります。

生姜は、ジンジベインという消化酵素を多く含んでいるそうです。

そのため、うどん、鰹料理、冷奴、肉類などの炒め物など、いろいろな料理に利用しています。

「生姜湯（しょうがゆ）」についてです。

生姜湯には、上記の効果の関係で、新陳代謝を促進し、風邪を予防する効果があるそうです。

体の芯から温まり、湯冷めし難い効果もあるそうです。

生姜湯の入り方を簡単ですが説明します。

生姜一握り分（８０ｇ相当）を摩り下ろします。

絞り汁を浴槽に入れて、良くかき混ぜてから入浴します。

生姜を薄く切って布袋に入れ、揉みながら入浴すると、香りも一緒に楽しむ事が出来ます。

生姜湯は、足湯でも体を温める効果を期待する事が出来るそうです。

生姜、生姜の効能、生姜を利用した料理、生姜湯、については、各自でお調べください。

「夜長月（よながづき）」についてです。

「陰暦九月の異称」です。

「夜長月」を短くして「長月（ながつき）」になった説があるそうです。

この物語を書くきっかけについてです。

生姜は日本に古くから有りました。

大姫達が生姜湯に浸かる場面、または、生姜を使った料理が登場する場面、を書きたいと思いました。

しかし、現在の生姜湯に浸かるのは無理なので、現在に近いお風呂を物語の設定に使用して、他の場面は鎌倉時代のままの設定で書きました。

そのため、「番外編」で物語を書く事にしました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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