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~ 雪月花 戦国恋語り 信玄の娘 松姫 編 ~
~ 文紡ぎ 建卯月 ぬばたまのその夜の梅の ~
登場人物
松姫[武田信玄の五女]、織田信忠(幼名:奇妙丸)[織田信長の嫡男](文のみの登場)、
菊姫[武田信玄の四女]、
「ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを」
「万葉集 第三巻 三九二番」より
作者:大伴百代(おおとものももよ)
松姫と奇妙丸の縁談が調ってから、百の月になっている。
暦は二月になっている。
季節は仲春になっている。
三年前の四月、菊姫と松姫の父の武田信玄が亡くなった。
武田信玄の遺言により、武田信玄の死は三年隠すと決まった。
昨年、武田勝頼の率いる武田軍が、織田家と徳川家の連合軍に大敗した。
様々な思惑が複雑に絡まる中の仲春になる。
ここは、甲斐の国。
天気の良い日中は、寒さが和らぐようになった。
仲春に咲く花をたくさん見るようになった。
少しずつ花の咲く種類が増えている。
暖かさを感じる春の気配が増えている。
ここは、菊姫と松姫の住む屋敷。
松姫の部屋。
松姫は普通に居る。
菊姫は部屋の中に普通に入ってきた。
松姫は菊姫を普通の表情で見た。
菊姫は松姫に微笑んで話し出す。
「お松。花の咲く種類が増えているわね。」
松姫は菊姫に微笑んで話し出す。
「はい。」
菊姫は松姫に微笑んで話し出す。
「お松。花を見るために外出したいの。お松から離れる時間が長くなると心配になるの。お松も一緒に外出して欲しいの。」
松姫は菊姫に微笑んで話し出す。
「はい。」
菊姫は松姫に微笑んで話し出す。
「お松。準備が出来たら、外出するわね。」
松姫は菊姫に微笑んで話し出す。
「はい。」
菊姫は松姫を微笑んで見た。
松姫も菊姫を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、松姫の乳母の住む家。
一室。
部屋の中には、商品が広げてある。
菊姫は普通に居る。
松姫も普通に居る。
商人も普通に居る。
松姫は商人に普通の表情で小さい声で話し出す。
「奇妙様。以前の月を含む武田家の状況を知っているのでしょうか?」
商人は松姫に普通の表情で小さい声で話し出す。
「知る部分。知らない部分。様々だと思います。」
松姫は商人を困惑して見た。
商人は松姫に普通の表情で小さい声で話し出す。
「今は様々な場所で戦が起きています。突然に味方になります。突然に敵になります。危険な状況でなければ、奇妙様の話を伝えて、姫様の返事を聞いて戻るように頼まれています。甲斐の国内の様子や甲斐の周辺の国の様子を、伝える内容は頼まれていません。」
菊姫は商人に普通の表情で小さい声で話し出す。
「今の状況での甲斐の国の出入り。大変ではないですか?」
商人は菊姫と松姫に普通の表情で小さい声で話し出す。
「私は商人です。様々な人達との間で商いを行います。ご安心ください。」
松姫は商人に普通の表情で小さい声で話し出す。
「お気遣いありがとうございます。無理をしないでくださいね。」
商人は松姫に普通の表情で軽く礼をした。
菊姫は商人に普通の表情で小さい声で話し出す。
「時間が無くなると困ります。今から始めたいと思います。」
商人は菊姫と松姫に普通の表情で軽く礼をした。
菊姫は松姫に微笑んで話し出す。
「お松。素敵な商品がたくさんあるわね。」
松姫は菊姫に微笑んで話し出す。
「はい。」
商人は菊姫と松姫に普通の表情で軽く礼をした。
菊姫は松姫と商人を微笑んで見た。
商人は懐から小さい紙を取り出すと、松姫に小さい紙を普通に渡した。
松姫は商人から小さい紙を微笑んで受け取った。
菊姫は松姫を微笑んで見た。
松姫は小さい紙を持ち、小さい紙を丁寧に広げた。
小さい紙には、織田信忠の筆跡で歌が書いてある。
ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを
松姫は小さい紙を持ち、商人を微笑んで見た。
菊姫は商人を微笑んで見た。
商人は菊姫と松姫に普通の表情で小さい声で話し出す。
「警戒は今も強いです。奇妙殿が頼んだ状況を信じて頂くために、奇妙殿が自筆で歌を書きました。奇妙殿から伝言を預かっています。」
松姫は小さい紙を持ち、商人に微笑んで小さい声で話し出す。
「伝言を教えてください。お願いします。」
商人は松姫に普通の表情で静かに話し出す。
「お松。仲春になったね。昨日、梅の花を見た。少しずつ暖かい春の気配が増えている。元気に過ごしているだろうか。私は元気に過ごしている。安心してくれ。今は、予想したような、予想外のような、状況の中に居る。お松の元に様々な内容の話が届いていると思う。お松が辛い想いの中に居ないか心配だ。お松への想いを重ねながら、歌を選んだ。“ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを”。お松に逢った時に、お松を連れて行けば良かったと幾度も思う。過ぎた時間は変えられない。過ぎた時間は振り返らずに、新しい時間を見る。お松に逢う時間を楽しみに待っている。私は、お松が心配しないように、お松に逢うために、元気に過ごす。お松。命を大事に過ごしてくれ。体に気を付けて過ごしてくれ。」
松姫は小さい紙を持ち、商人微笑んで小さい声で話し出す。
「長い伝言を覚える行為。大変ですよね。ありがとうございます。」
菊姫は商人に微笑んで小さい声で話し出す。
「凄い記憶力です。何時も感心します。」
商人は菊姫と松姫に普通の表情で小さい声で話し出す。
「奇妙様からはたくさんの恩を受けています。私に出来る内容で感謝の気持ちを伝えています。」
菊姫は商人を微笑んで見た。
松姫は小さい紙を持ち、商人を微笑んで見た。
商人は松姫と菊姫に普通の表情で軽く礼をした。
松姫は小さい紙を持ち、商人に微笑んで小さい声で話し出す。
「私からの返事を奇妙様に伝えてください。願いします。」
商人は松姫に普通の表情で軽く礼をした。
松姫は小さい紙を持ち、商人に微笑んで小さい声で話し出す。
「元気に過ごされているのですね。安心しました。私も元気に過ごしています。私の元にも様々な話が届きますが、私は奇妙様を信じて過ごしています。歌の贈り物。ありがとうございます。“ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを”。奇妙様のお気持ち。物凄く嬉しいです。奇妙様に付いていきたい気持ちはあります。実際に、私が奇妙様に付いていけば、菊の姉上や五郎の兄上や十郎の弟に、迷惑が掛かります。良い時が訪れると信じています。奇妙様に再び逢える日を楽しみに待っています。私も体調に気を付けて元気に過ごします。奇妙様。体調に気を付けてお過ごしください。命を大切にお過ごしください。松より。」
商人はお松に普通の表情で軽く礼をした。
松姫は小さい紙を持ち、菊姫と商人を微笑んで見た。
菊姫は商品を持つと、商人に微笑んで話し出す。
「素敵な商品を見付けたわ。購入するわ。」
商人は菊姫に普通の表情で軽く礼をした。
松姫は小さい紙を懐に微笑んで仕舞った。
菊姫は商品を持ち、松姫を微笑んで見た。
松姫は商品を持つと、商人に微笑んで話し出す。
「素敵な商品ですね。購入します。」
商人は松姫に普通の表情で軽く礼をした。
菊姫は商品を持ち、松姫と商人を微笑んで見た。
松姫も商品を持ち、菊姫と商人を微笑んで見た。
商人は菊姫と松姫に普通の表情で軽く礼をした。
数日後の事。
ここは、甲斐の国。
天気の良い日中は、寒さが和らぐようになった。
仲春に咲く花をたくさん見るようになった。
少しずつ花の咲く種類が増えている。
暖かさを感じる春の気配が増えている。
ここは、躑躅ヶ崎館。
一室。
部屋の中から、一人の男性の声と菊姫の声が聞こえる。
「数日前、お松と共に外出したのか。」
「戦も含めて様々な出来事が起きています。落ち着かない時が有ります。花の咲く種類が少しずつ増えています。気晴らしを兼ねて、花を見るために外出しました。私がお松の傍に居ました。お松が長い時間を一人で居る状況にしていません。」
「昨年、織田信忠が家督を継いだ。織田信長の命による安土城の築城がある。お松も既に知っていると思う。お松に変化は現れていないか?」
「お松は父上の許嫁の話を守って過ごしています。お松は、武田家も織田家も、大切に思っています。お松の言動に変化は見られません。お松の対応に変化の有る時は、お松が監視されていないか不安になる時です。不安な気持ちが強くなると、体調の悪くなる可能性が有ります。気晴らしなどの方法で、不安になる時間を少ない状態にして過ごさせています。」
「織田家も徳川家も、様々な思惑の中で動いている。お松の言動に変化の現れる可能性が有る。今後も、確認、及び、報告を頼む。」
「はい。」
少し後の事。
ここは、菊姫と松姫の住む屋敷。
松姫の部屋。
松姫は僅かに不安な様子で居る。
松姫は僅かに不安な様子で呟いた。
「“ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを”。」
菊姫が部屋の中に微笑んで入ってきた。
松姫は菊姫を不安な様子で見た。
菊姫は松姫を抱くと、松姫に微笑んで囁いた。
「お松。無難な内容で報告したわ。大丈夫。安心して。」
松姫は菊姫に不安な様子で囁いた。
「姉上。迷惑を掛けます。申し訳ありません。」
菊姫は松姫を抱いて、松姫に微笑んで囁いた。
「私はお松の姉よ。迷惑に思わないで。安心して。」
松姫は菊姫に微笑んで囁いた。
「姉上。ありがとうございます。」
菊姫は松姫を抱いて、松姫に微笑んで囁いた。
「“ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを”。良い歌よね。」
松姫は菊姫に微笑んで囁いた。
「はい。」
菊姫は松姫を微笑んで離した。
松姫は菊姫を微笑んで見た。
菊姫は松姫に微笑んで話し出す。
「お松。梅の花を詠んだ良い歌を思い出したの。近い内に、梅の花を見ながら、梅の花を詠んだ歌を教えるわ。」
松姫は菊姫に微笑んで話し出す。
「姉上。楽しみです。ありがとうございます。」
菊姫は松姫を微笑んで見た。
松姫も菊姫を微笑んで見た。
「ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを」
季節は仲春になっている。
梅の花の咲く頃になっている。
梅の花が松姫と織田信忠の想いを紡ぐ手伝いをした。
様々な思惑が乱れながら時が過ぎている。
武田家と織田家が、更に複雑に絡む状況になっている。
武田家にとって、織田家にとって、大きな時の流れの始まる気配が増えている。
松姫と織田信忠は、様々な思惑の乱れる中でも、想いを紡いでいる。
仲春の時間は、様々な想いの中でも、様々な思惑の中でも、変わらずに過ぎていく。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語に登場する歌は「万葉集 第三巻 三九二番」
「ぬばたまの その夜の梅の た忘れて 折らず来にけり 思ひしものを」
作者は「大伴百代(おおとものももよ)」
ひらがなの読み方は「ぬばたまの そのよのうめの たわすれて おらずきにけり おもひしものを」
原文は「烏珠之 其夜乃梅乎 手忘而 不折来家里 思之物乎」
歌の意味は「あのときの夜の梅を忘れて折らないで来てしまいました。折ろうと思っていたのに。」となるそうです。
「ぬばたまの」は、枕詞です。
主に三つの枕詞になります。
一つ、「黒」、に掛かります。
一つ、「黒」に関係の深いものとして、「夜」、「夕」、「こよひ」、「昨夜(きそ)」、「髪」、に掛かります。
一つ、「夜」・「(黒)髪」に関係の深いものとして、「夢」、「月」、「妹」、に掛かります。
武田家についての補足です。
油川夫人は、元亀二年(1571年)(※月日は不明)に亡くなったそうです。
武田信玄は、元亀四年四月十二日(1573年5月13日)に信濃の駒場で亡くなります。
享年は、五十三歳と伝わっています。
武田信玄の死因は、肺結核、胃癌、食道癌、などの説が有力です。
武田信玄の他の死因には、武田信玄は敵が籠城中の野田城から聞こえる笛の音に惹かれて本陣から出て行き、本陣の外に居る時に鉄砲で撃たれて、その傷がもとで亡くなる、があります。(掲載日現在は、この説は俗説として考えられています。)
更に武田信玄の他の死因には、織田家の毒殺、もあります。(掲載日現在は、この説も俗説として考えられています。)
武田信玄は、武田勝頼と重臣に遺言を残したと伝わっています。
三つの遺言の内容が広く知られています。
800枚の白紙に武田信玄の花押を書いたから返礼などの時に使うように。
武田信玄の死を三年隠すように。
三年後に、武田信玄の死体に甲冑を着せて諏訪湖に沈めるように。
遺言の内容が事実だとすると、武田信玄は以前から亡くなる事を分かっていて、甲斐の国を守るために前から考えていた事が分かります。
武田信玄の葬儀は、天正四年(1576年)四月に行われたそうです。
武田信玄の死が三年隠せたかについてですが、三年より前に人数等は不明ですが、気付かれた形跡があるようです。
当時は忍者などを使った情報戦が激しかった事があり、武田信玄の死が知られてしまった可能性はあります。
後の出来事になりますが、松姫は織田信忠と婚約している経過などから、辛い立場になっていったようです。
天正元年(1573年)の秋に、武田盛信が松姫を引き取って暮らすようになります。
「雪月花 戦国恋語り 信玄の娘 松姫 編」では、物語の展開から、秋より後の季節では、武田盛信が松姫を引き取って暮らす設定にします。
松姫と織田信忠の縁談が、破談なのか、続いているのか、分からなくなってしまった理由の一つに、「西上作戦(さいじょうさくせん)」があります。
西上作戦は、甲斐武田家が、元亀三年(1572年)九月から元亀四年(1573年)四月に掛けて行った遠征をいいます。
西上作戦は、武田信玄の体調と武田信玄の死によって終わった状況になります。
武田勝頼について、天正二年(1574年)六月の高天神城の攻略に関する話があります。
高天神城は、武田信玄が大軍を率いても落城できませんでした。
武田勝頼は高天神城を攻略した頃から、家臣などの意見を聞かないようになったそうです。
理由は二つの説が考えられています。
一つの説、自信過剰になった。
一つの説、父親の武田信玄に勝る武略を持っている実績を示せた事から、家臣の統制を強めた。
以上の二つの説が有ります。
武田軍の関連についてです。
天正三年(1575~1576年)四月~天正四年(1576年)二月についてです。
天正三年四月二十一日(1575年5月30日)、武田勝頼の軍は長篠城を包囲します。
天正三年五月二十一日(1575年6月29日)、夜明けとともに、武田軍は織田軍・徳川軍の陣地に突入して戦います。
武田軍は織田・徳川の連合軍との戦いの中で、名のある武将、一万から一万二千の兵を失いました。
武田勝頼は数百の兵に守られて敗走します。
天正三年(1575年)五月の初旬~下旬の間に起きた、武田勝頼、織田と徳川の連合軍、との戦いは、「長篠の合戦」と呼ばれています。
武田軍の敗北の理由は、鉄砲により敗北した説が広く知れていますが、兵の数の大きな差による大敗、武田軍の武将の離反、などの幾つかの説があります。
天正三年十二月二十四日(1576年1月24日)、二俣城は七ヶ月近い籠城を続けて、徳川家康と戦っていましたが、武田勝頼の勧告により、城兵の安全な退去を条件に開城しました。
天正四年(1576年)一月~二月、大きな動きはありません。
織田家関連について簡単に説明します。
織田信忠(幼名“奇妙丸”)の元服は、元亀三年(1572年)と伝わっています。
元亀三年(1572年)一月に元服した説があります。
織田信忠が元服時に改名した名前は「織田勘九郎信重(おだかんくろうのぶしげ)」です。
「織田信忠」に改名するのは後の出来事になります。
名前が幾度も変わると分かり難くなるため、元服後の名前は「織田信忠」で統一します。
織田信忠の初陣は、元亀三年七月十九日(1572年8月27日)「具足初め(ぐそくはじめ)の儀」の日付、または、直ぐ後の日付になるようです。
織田信忠にとって、初陣の次の大きな戦は、元亀三年(1572年)十二月頃の遠江の二俣城の戦いや三方ヶ原の戦いになります。
天正三年(1575年)四月~天正四年(1576年)一月の織田家の動きを簡単に説明します。
天正三年四月初旬、池田勝正らが、織田側の堀城、堀城周辺を攻め落とします。
この動きに呼応して、三好康長などが高屋城に籠城します。
この頃、石山本願寺が挙兵します。
織田軍(武将は、柴田勝家、明智光秀、荒木村重、など)は、討伐のために、京都から河内に向かいます。
天正三年四月八日(1575年5月17日)、織田軍は三好康長を河内の高屋城を攻めます。
天正三年四月二十一日(1575年5月30日)、三好康長が降伏します。
天正三年四月八日~四月二十一日のこの戦いは、「高屋城の戦い(たかやじょうのたたかい)」・「高屋・新堀白の戦い」・「第二次石山合戦」、などと呼ばれています。
天正三年四月下旬、織田信長は京都を出発して岐阜に戻ります。
織田信長が岐阜に戻った理由は、武田勝頼の三河への侵攻が関係しているようです。
天正三年五月十八日(1575年6月26日)、織田軍の援軍の約三万、徳川家康の援軍の約八千が、設楽原に到着して陣を築きます。
天正三年(1575年)六月、織田信忠を大将とする岩村城の侵攻が始まります。
天正三年八月十二日(1575年9月9日)、織田信長は越前の一向一揆の制圧のために岐阜を出立します。
天正三年八月十五日(1575年9月19日)、織田軍は平良から越前に攻め入り、越前の一向一揆との戦いが始まります。
天正三年(1575年)八月、織田信長は越前の一向一揆を鎮圧します。
天正三年十月二十日(1575年11月22日)、石山本願寺との和睦を締結します。
天正三年十一月二十八日(1575年12月30日)、織田信長が、嫡男の織田信忠に家督を譲ります。
天正四年二月二十三日(1576年3月16日)、織田信長は安土城(一部のみ完成)に移ります。
「建卯月」についてです。
「けんぼうげつ」、または、「けんうづき」、と読みます。
「陰暦二月月の異称」です。
「建」の文字は、北斗七星の柄を意味します。
北斗七星の柄が、旧暦で「卯」の方向に向くところから付いた異名です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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