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新撰組異聞外伝 〜 行き散る者が出逢う時 〜


〜 第三版 〜


今は明治と呼ばれる時代。


函館の五稜郭の戦いは終わっている。

武士の時代は終わり、新しい時代に既に変わっている。


藤田五郎は武士だった頃に、斉藤一と名乗っていた時期がある。

武士の頃や明治の時代になってからも、幾つもの名前を名乗って過ごしていた。

今は、藤田五郎と名乗り過ごしている。


今は春から夏に移ろうとする頃。


ここは、東京の町。


空は朝から青く澄んでいる。

気持ちの良い日になっている。


ここは、葉桜になった木の下。


藤田五郎は目を閉じて木の幹にもたれ掛かっている。


陽の光が葉の間から藤田五郎へと僅かに差している。


藤田五郎は、寝ているのか、目を閉じて休んでいるのか、思案中なのか、分からない。


辺りには葉の重なる音だけが聞こえる。


藤田五郎の周りが不思議な空気に包まれた。


藤田五郎は木の幹にもたれ掛かったまま、普通に目を開けた。


辺りには人の姿や危険な感じは無い。


藤田五郎は木の幹にもたれ掛かるのを普通の表情で止めた。


藤田五郎の周りは不思議な空気に包まれ続けている。


藤田五郎は葉桜になった木を普通の表情で見た。


先程まで陽の光を受けて緑色の葉が輝いていたのに、今は満開の桜の花が咲いている。


藤田五郎は普通の表情で視線を戻した。


沖田総司が藤田五郎に笑顔で顔を近付けている。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に顔を近付けながら、笑顔で話し出す。

「斉藤さん! お久しぶりです! 今の名前は、斉藤さんではなくて、藤田さんでしたね! 言い直します! 藤田さん! お久しぶりです!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「なぜ総司が俺の傍に居るんだ?」

沖田総司は藤田五郎に顔を近付けながら、笑顔で話し出す。

「他人が起こす前に気配で起きましたね! さすが斉藤さんです! 今の名前は藤田さんなので、言い直します! さすが藤田さんです!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。なぜ俺の傍に総司が居るのかと質問しているのに答えない。俺の呼び名は、総司が好きに呼んで構わない。」

沖田総司は藤田五郎に顔を近付けながら、苦笑した表情で話し出す。

「なぜ斉藤さんの傍に居るのかと質問されると、返事に困ってしまいます。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に顔を近付けながら、苦笑した表情で話し出す。

「斉藤さんが呼んだので着た、というのが答えです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は総司を呼んだ覚えは無い。」

沖田総司は藤田五郎に顔を近付けながら、苦笑した表情で話し出す。

「なぜ私を呼んだ人は、いつも覚えがないと言うのでしょうか?」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎から顔を離すと、苦笑しながら話し出す。

「私は斉藤さんが呼んだので着ました。本当です。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「やはり俺は総司を呼んだ覚えが無い。」

沖田総司は藤田五郎に苦笑しながら話し出す。

「嘘ではありません。本当です。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「私は誰かが逢いたいと想わないとこちらには来られません。私は簡単にはこちらに来られません。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。かなり前に亡くなっているよな。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。私が亡くなってから幾つもの月日が経っています。」

藤田五郎は沖田総司を怪訝そうに見た。

沖田総司は藤田五郎を苦笑しながら見た。

藤田五郎は沖田総司に怪訝そうに話し出す。

「総司。以前に逢った時と比べると微妙に若くなっている。」

沖田総司は藤田五郎に苦笑しながら話し出す。

「はい。確かに見た目は若くなっています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「若くなったのは見た目だけなのか?」

沖田総司は藤田五郎に拗ねた様子で話し出す。

「斉藤さん。酷いです。若くなったのは見た目だけです。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に苦笑しながら話し出す。

「斉藤さん。亡くなってから天国に行くと、亡くなった時より前の歳の姿に戻って過ごせます。私は、みんなが私だと直ぐに分かる歳の姿まで若くなりました。」


辺りに爽やかな風が吹いた。


桜の花びらが風に乗って舞い始めた。


藤田五郎は桜を普通の表情で見た。

沖田総司は桜を微笑んで見た。

藤田五郎は桜を見ながら、沖田総司に普通に話し出す。

「一本の桜の木に、八重の花と一重の花が咲いている。」

沖田総司は藤田五郎を見ると、微笑んで話し出す。

「今の状況に合う不思議な桜だと思いませんか?」

藤田五郎は沖田総司を見ると、普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎と桜を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。天国に行くと、亡くなった歳より前の好きな歳の姿に戻れると言ったな。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい! 斉藤さんは何歳の姿になりたいのですか?!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何歳の姿になったんだ?」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「それは、ひ、み、つ、です!」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司より一日だけ年上になる。」

沖田総司は斉藤一を苦笑しながら見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は総司より年上を選べるから、総司の選んだ歳より一つ年上の姿か、総司の選んだ歳より二つ年上の姿を、選びたいと思う。総司。好きな方を選んでくれ。」

沖田総司は藤田五郎に苦笑しながら話し出す。

「斉藤さんの好きな歳の姿を選んでください。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を苦笑しながら見た。

藤田五郎は桜を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「既に知っていると思うが、近い内に祝言を挙げる。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい! 知っています! 斉藤さん! おめでとうございます!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 幸せになってくださいね!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司に祝言を挙げる相手を紹介していないな。」

沖田総司は藤田五郎を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤さんに逢う前に、斉藤さんが祝言を挙げる相手の方を偶然に見掛けました。とても良い方に感じました。安心しました。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「ありがとう。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 祝言を挙げる前に相手を紹介する約束を二人共に果たせましたね!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! やはり用事があるから私を呼んだ状況になりましたね!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は桜を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を見ると、普通に話し出す。

「総司。俺には姿を見せなかったが、俺の元に何回も来ていたな。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「なぜ今まで俺に姿を見せなかったんだ?」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「私は、相手が逢いたいと想わないと、私の姿は見えません。私は、相手が傍に居て欲しいと想わないと、相手に近寄れません。だから、いつもこっそりと斉藤さんの様子を見ていました。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「確かに、総司に逢いたいと長く想っていなかった。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんらしい返事ですね。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは既に気付いていると思いますが、いつも一緒に来ている方がいます。斉藤さんに紹介します。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。


一人の少年が微笑みながら、静かに現れた。


藤田五郎は少年を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

少年は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤様。初めまして。私は“森蘭丸”と申します。正しくは、幼名が“森乱丸”と申します。亡くなる時は“森成利”と名乗っていました。沖田さんとは親しくお付き合いをしています。よろしくお願いいたします。」


森蘭丸は、沖田総司と藤田五郎より前に生きていた戦国時代の人物になる。


藤田五郎は森蘭丸に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎と森蘭丸を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。楽しそうだな。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で頷いた。

藤田五郎は桜を見ると、沖田総司に普通に話し出す。

「八重の花と一重の花が一本の木に咲く変わった桜は、総司が咲かせたのか?」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「変わった桜ですが、実際に有る桜です。私が咲かせた訳ではありません。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

森蘭丸は沖田総司に微笑んで話し出す。

「沖田さん。そろそろ戻る時間です。」

沖田総司は森蘭丸を寂しそうに見た。

森蘭丸は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は藤田五郎を見ると、残念そうに話し出す。

「斉藤さんともっと一緒に居たいですが、戻る時間が近付いてきてしまいました。」

藤田五郎は森蘭丸を普通の表情で見た。

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は森蘭丸に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を残念そうに見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。私は斉藤さんともっと一緒に居たいですが、斉藤さんの傍にずっと居るべき人は、私ではありません。寂しさと嬉しさの両方を感じます。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は少し離れた場所を微笑んで指した。

森蘭丸は沖田総司の指した場所を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司が指した場所を普通の表情で見た。


沖田総司の指した場所は、人の姿は見えず、人の気配も感じない。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は少し離れた場所を指すのを止めると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「少し経ったら分かります。」

藤田五郎は沖田総司の指した場所を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。話しは変わりますが、いつか斉藤さんに見て頂きたいものがあります。その時の斉藤さんの姿をぜひ見たいのですが、私はその場には居ない可能性が高そうです。残念です。」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「今は詳しく説明したら面白くないですよね! だから、ひ、み、つ、です!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。物凄い自信だな。その時を楽しみにしている。」

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。もし俺が驚かなかった時は、どうなるか分かっているよな。」

沖田総司は藤田五郎を動揺した様子で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。今回は考える時間がたくさんある。楽しみだな。」

沖田総司は藤田五郎に動揺した様子で話し出す。

「え〜 どうしよう〜 斉藤さんの場合は〜 驚かない可能性があります〜 突然に不安になりました〜 困りました〜 どうしたら良いのでしょうか〜」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

森蘭丸が沖田総司に苦笑しながら話し出す。

「沖田さん。しっかりしてください。」

沖田総司は森蘭丸を我に帰った様子で見た。

森蘭丸は沖田総司を苦笑しながら見た。

沖田総司は藤田五郎を恥ずかしそうに見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。戻る時間になりました。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「私達は気長に待っています! 斉藤さんはこちらの生活を思い切り楽しんでください! あちらに来たら、再びみんなで楽しく過ごしましょう!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 次は出来るだけ早く呼んでくださいね! 楽しみに待っています!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。また逢おう。」

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で軽く礼をした。

森蘭丸は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は沖田総司と森蘭丸に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑みながら、静かに居なくなった。

森蘭丸も微笑みながら、静かに居なくなった。


辺りに爽やかな風が吹いた。


桜の花びらが青空に向かって舞い上がった。


藤田五郎は桜の花びらの舞う様子を普通の表情で見た。


藤田五郎の後ろから、聞き慣れた女性の声がした。

「何かありましたか?」


藤田五郎は後ろを普通の表情で見た。


近い内に祝言を挙げる相手の高木時尾が、藤田五郎を微笑んで見ている。


藤田五郎は高木時尾に普通に話し出す。

「昔の知り合いに逢った。」

高木時尾は辺りを不思議そうに見た。

藤田五郎は高木時尾を普通の表情で見た。

高木時尾は藤田五郎を見ると、不思議そうに話し出す。

「お知り合いの方はかなり前に戻られたのですか?」

藤田五郎は高木時尾に普通に話し出す。

「知り合いが去ってから僅かしか経っていないが、姿は直ぐに見えなくなった。」

高木時尾は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は高木時尾を普通の表情で見た。


枝と葉の間から、藤田五郎と高木時尾へと陽の光が差した。


高木時尾は葉桜になった木を微笑んで見た。

藤田五郎は葉桜になった木を普通の表情で見た。


緑色の葉が陽の光を受けて輝いている。


高木時尾は藤田五郎を見ると、微笑んで話し出す。

「桜の葉が陽の光に当って綺麗に輝いていますね。」

藤田五郎は高木時尾を見ると、普通の表情で頷いた。

高木時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「差し支えなければ、一緒に帰っても良いですか?」

藤田五郎は高木時尾に普通の表情で頷いた。


藤田五郎は普通に歩き出した。

高木時尾は微笑んで歩き出した。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語を再度改訂しました。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは、改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

「行き散る(ゆきちる)」は「散り散りに別れる」という意味があります。

「行き散る」は「新撰組異聞」でも題名などに使用していますが、「行き散る者が出逢う時」という題名を使用したくて、今回の物語の題名にして書きました。

斉藤一さんが幾つか名乗った名前の中で、「藤田五郎」さんの名前は有名です。

明治時代の途中から藤田五郎さんと名乗っています。

藤田五郎さんの「五郎」の名前は、会津藩主だった松平容保さんが名付けたそうです。

藤田五郎さんを名乗り始めた詳細な日付については確認がとれませんでした。

藤田五郎さんと高木時尾さんが結婚をした詳細な日付の確認もとれませんでした。

今回の物語は、藤田五郎さんと高木時尾さんの結婚直前の頃の出来事として書きました。

史実の藤田五郎さんは、高木時尾さんと結婚する前に、別な女性と結婚していたようです。

以前に結婚をしていた出来事は、物語の中では無かった出来事として展開しています。

今回の物語を考えたきっかけは、斉藤一さんと亡くなった沖田総司さんが、土方歳三さんと亡くなった沖田総司さんのように再び出逢っていろいろな話しをする姿が書きたいと思った事です。

後は、いろいろな出来事を経験した藤田五郎さんと、いろいろな出来事を見てきた沖田総司さんが、明治の時代を迎えてから話す物語が書きたいと思いました。

この物語の中で「約束」という言葉が出てきます。

「新撰組異聞 短編 迎春花の咲く頃」の中で、沖田総司さんがお互いの結婚相手を紹介するという内容の話が基になっています。

沖田総司さんが今回の物語の中で「亡くなると、亡くなった時の年齢より前であれば好きな年齢を選べる」という内容を話す場面があります。

この言葉は「新撰組異聞 短編 夢現の如くなり」にも登場しています。

大河ドラマ「新撰組!」の脚本を書いた三谷さんが以前に主催していた劇団の役者さんが出演した芝居の中に登場するエピソードを参考にしています。

「亡くなったら亡くなった年齢より前の年齢で過ごせます。希望した年齢のままで過ごせます。何歳になりたいですか?」と質問をされたら何歳になりたいと思うでしょうか?

土方歳三さんと藤田五郎さんは、物語の中でこの質問に答える場面を書きました。

今回の物語の中に登場した「八重と一重が一つの木に咲く桜」は、実際にある桜です。

この桜には幾つかの呼び名があります。

この桜の呼び名については、別な物語に使用している関係で、今回の物語では秘密にさせて頂きたいと思います。

藤田五郎さんと沖田総司さんが、この桜の木の下で話す物語がずっと書きたいと思っていました。

「葉桜(はざくら)」は「花が散って若葉が出始めた桜」です。

夏の季語です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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