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木村
小学校の頃から通っていた店だった。
県道沿いの、コンクリートの駐車場脇にはコイン精米機が置いてあり、
入り口のサッシの脇にはコカ・コーラの自販機
入り口を入ると、左手に天ぷらを乗せたカウンター、
そこで、天ぷら越しに
「かけ大!」
出されたどんぶりを持って席に着くと土瓶が置いてある。
始めてその店に行ったとき、オヤジが、天ぷら置き場の横のやかんの中身を
どんぶりに入れ、テーブルの土瓶の中身を湯飲みに注いだ。
オヤジの手元には、
お茶がなみなみと入ったうどんの入ったどんぶりと、
ダシが半分ほど入った、湯のみが残された。
ほとんど確信犯的なお茶の配置。
芸術的なやかんの置きかた。
あの店は今はもうない。
辞めた理由は定かではないが、それを知ったのは半年ほど前だろうか。
「きむら、閉店」
お気に入りの店の閉店は辛いものがある。
綾歌郡飯山町の(現在は丸亀市らしい)お気に入りは、静かに去っていった。
思えば、あの店がうどん食べ歩きのルーツだったかもしれない。
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