★八雲町内を走る列車★
◎特急「北斗」・「スーパー北斗」◎
特急「北斗」・「スーパー北斗」は、函館〜札幌間に11往復運転されている特急列車で、八雲駅には下り17号と上り12号を除きすべての列車が停車します。かつては函館〜札幌間は4時間以上かかっていましたが、民営化後は線路の改良や振り子車両キハ281・283系を導入した結果、最速列車では2時間59分と、3時間を切るまでにスピードアップしています。現在では停車駅が増えた結果、すべての列車が3時間台での運転となっていますが、それでもJR在来線の特急列車としては有数の高速列車であるといえます。とくに「スーパー北斗17号」は函館→札幌間318.7キロを3時間00分で走破し、表定速度は時速106.2キロと、気動車列車ながら在来線最速となっています。私は2004年3月まで札幌に住んでいたので、地元との往来でこの列車はよく利用していました。覚えているだけでも過去22回乗車しています。
★キハ281系(函館運転所所属)
キハ281系気動車はJR四国の2000系気動車を元にJR北海道が開発した振り子式気動車で、1992年に試作車が製作されました。1993年に量産車が登場し、1994年3月ダイヤ改正から特急「スーパー北斗」として運転を開始しています。当時の最速列車は札幌→函館を2時間59分で走破する上りの「スーパー北斗2号」で、途中の停車駅は東室蘭のみだったそうです。
さて、キハ281系は先頭車貫通扉部分にある窓が特徴で、ここは自由に出入りできるので前面展望を楽しむことができます。これ以降のJR北海道の特急車両はキハ283系・キハ261系・789系とすべてこのスタイルになっています。なお、キハ281系は1995年に鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。現在はJR北海道函館運転所(函ハコ)に所属し、「スーパー北斗」のうち1・3・6・9・10・12・13・17・18・22号および手稲→札幌間で運転される「ホームライナー」に使用されています。
ところで、キハ281系の側面には1994年以来長らく「HEAT281」(Hokkaido Express Advanced Train)というロゴがありましたが、2002年末頃よりキハ283系と同じく「FURICO281」に変更されています。
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八雲〜鷲ノ巣間を快走するキハ281系特急スーパー北斗(2003.08) |
★キハ283系(札幌運転所所属)
1997年に根室本線の特急「スーパーおおぞら」用として登場した車両で、特急「スーパー北斗」には1998年から投入されており、現在は2・16・7・21号に使用されています。また、キハ281系とは混結も可能で、キハ281系にキハ283系を増結車両として組み込む姿もしばしば見られます。JR北海道札幌運転所(札サウ)に所属しており、「スーパー北斗」の2往復のほか、「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」および手稲〜札幌間の「ホームライナー」に使用されています。
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根室本線上厚内を通過するキハ283系スーパーおおぞら(2004.03) |
八雲駅に到着するキハ283系特急スーパー北斗2号(2009.01) |
★キハ183系(函館運転所所属)
キハ183系は特急「北斗」に使用されています。キハ183系はキハ82系の老朽取替えを目的に登場した車両で、1979年に試作車が登場、1981年に量産車が登場しています。1986年には大幅な設計変更と性能向上を行なった500番代(N183系)が、民営化後にはさらに性能向上を実施した550番台(NN183系)が登場しています。現在「北斗」に使用されているのはN183系(4・15号)とNN183系(4・15号以外)で、「スーパー北斗」運転開始にあわせ最高速度130キロ化対応の改造が行なわれ(N183系は最高速度120キロ)、塗装もキハ281系に準じたものに変更され、側面に「HET183」(Hokkaido Express Train)というロゴが貼付されています。個人的には、少々飛ばしすぎの感があるキハ281・283系よりもキハ183系の「北斗」のほうが好きですね。
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千歳線美々駅を通過するキハ183系特急北斗(2006.07) |
東室蘭駅に停車中のキハ183系特急北斗(2011.09) |
◎寝台特急「北斗星」・「カシオペア」◎
寝台特急「北斗星」は1988年3月13日の青函トンネル開通に伴い上野〜札幌間で運転を開始した寝台特急です。予約制でフランス料理のフルコースが味わえる食堂車や豪華な個室寝台の連結などで話題を集め、一躍人気列車となりました。長らく3往復が運転されてきましたが(うち1往復は登場後しばらく季節列車でした)、1999年に全車A個室の新型寝台特急「カシオペア」が登場したことにより、「北斗星」は2往復、「カシオペア」は隔日運転となりました。しかし、全国的な寝台特急斜陽化の時代の中で、ついに「北斗星」にもその波が押し寄せてしまい、2008年3月ダイヤ改正で「北斗星」は1往復に減便されてしまいました。現在の「北斗星」は24系25形が使用されており、JR東日本・JR北海道の混成編成で運転されています。
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千歳線上野幌を通過する「北斗星1号」(2002.10) |
千歳線上野幌を通過する「カシオペア」(2002.10) |
◎寝台特急「トワイライトエクスプレス」・急行「はまなす」◎
寝台特急「トワイライトエクスプレス」は「北斗星」を上回る豪華列車として1989年から大阪〜札幌間で運転を開始した列車で、JR西日本宮原客車区(大ミハ)所属の24系25形寝台車が使用されています。「北斗星」がこれまでのブルートレインのイメージに近い塗色であったのに対し、濃い緑を基調とした塗装に改め、これまでのブルートレインのイメージを打ち破りました。「はやぶさ」の西鹿児島乗り入れがなくなったため、現在では日本一長い距離を走る列車となっています。「北斗星」がどちらかといえばビジネスライクな演出なのに対し、こちらは列車の旅そのものを楽しむための演出がなされているのが特徴です。上下列車ともに新津〜洞爺間はノンストップであり、これは日本一長い無停車区間となっています(当然、乗務員交代などのための運転停車はありますが)。このため八雲は残念ながら通過となります。上り列車が八雲を通過するのは17時過ぎであり、寝台特急「日本海」の函館乗り入れが廃止された現在、せめて函館には停車させて欲しいところですが…。
急行「はまなす」は青函トンネル開業と同時に青森〜札幌間で運転を開始した急行列車で、JR北海道札幌運転所所属(札サウ)所属の14系客車および24系寝台車が使用されています(14系客車の定期運用があるのは現在ではこの列車のみになってしまいました)。指定席車両には横になって過ごすことができる「カーペットカー」やグリーン車用の座席を流用した「ドリームカー」が連結されており、とくに「カーペットカー」の2階席は人気が高く指定券の入手は困難です。また、自由席に限り、「東日本&北海道パス」で乗車できることから、毎年春・夏・冬は自由席は混みあいます。なお、この列車は深夜帯を走るため八雲は通過となります。
ちなみに、「トワイライトエクスプレス」と「はまなす」の上り列車に限り、どういうわけか森→大沼間は渡島砂原経由の通称「砂原線」で運転されており、同区間を走る唯一の優等列車となっています。
◎快速「アイリス」・普通列車◎
函館本線の森〜長万部間の普通・快速列車は特急よりも運転本数が少なく、1日わずか7往復しかありません。すべての列車がJR北海道函館運転所(函ハコ)所属のキハ40によるワンマン運転です。ほとんどの列車が単行ですが、2両編成で運転される列車もあるようです。快速「アイリス」は長万部→函館間に上り1本のみ運転されている快速列車で、前身は国鉄時代に函館〜長万部〜瀬棚間に運転されていた急行「せたな」です。この列車もキハ40単行のワンマン列車となっており、かつては下り列車も設定されていましたが、2000年3月改正で廃止されています。おそらくJR北海道の名称付き列車のなかではもっとも地味な存在だと思いますが、函館まで1時間半足らずで行けることから利用率はけっこう高いようです。
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大雪の八雲駅に到着する快速アイリス(2004.02) |
◎なつかしの列車たち◎
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函館駅で出発を待つキハ24(1994.08.撮影) |
森駅に到着したキハ22(1994.08撮影) |
現在の函館〜長万部間の普通列車はすべてキハ40による運転ですが、1995年頃までキハ22・24による普通列車も残っていました。道内では最後までキハ22・24が活躍した地域です。私が最初に北海道を訪れたのは1994年夏のことで、まだキハ22・24が残り最後の活躍をしていました。
☆おまけ☆ 管理人の特急「北斗」「スーパー北斗」乗車記録
最近は自由席ばかりに乗車していますが、実際八雲近辺では指定席よりも自由席の方がだいたい空いていることが多いです。
1994年8月 |
スーパー北斗1号 |
281系 |
森→札幌 |
指定席 |
1994年8月 |
スーパー北斗?号 |
281系 |
長万部→函館 |
指定席 |
1995年8月 |
北斗?号 |
183系 |
札幌→函館 |
自由席 |
1997年3月 |
スーパー北斗1号 |
281系 |
函館→長万部 |
自由席 |
2002年1月 |
北斗11号 |
183系 |
函館→札幌 |
指定席 |
2002年6月 |
スーパー北斗2号 |
283系 |
札幌→八雲 |
指定席 |
2002年6月 |
北斗8号 |
183系 |
八雲→大沼公園 |
自由席 |
2002年6月 |
スーパー北斗13号 |
281系 |
大沼公園→東室蘭 |
指定席 |
2002年9月 |
スーパー北斗9号 |
281系? |
函館→札幌 |
自由席 |
2002年10月 |
スーパー北斗16号 |
281系? |
札幌→函館 |
自由席 |
2003年5月 |
北斗5号 |
183系 |
八雲→札幌 |
自由席 |
2003年6月 |
スーパー北斗9号 |
281系? |
八雲→札幌 |
自由席 |
2003年9月 |
北斗11号 |
183系 |
函館→札幌 |
自由席 |
2003年10月 |
スーパー北斗10号 |
281系 |
洞爺→長万部 |
自由席 |
2004年2月 |
スーパー北斗10号 |
281系 |
洞爺→長万部 |
自由席 |
2005年1月 |
スーパー北斗13号 |
281系 |
森→八雲 |
自由席 |
2005年1月 |
北斗11号 |
183系 |
長万部→登別 |
指定席 |
2007年3月 |
北斗20号 |
183系 |
八雲→五稜郭 |
自由席 |
2007年12月 |
北斗8号 |
183系 |
長万部→八雲 |
自由席 |
2009年1月 |
スーパー北斗2号 |
283系 |
八雲→函館 |
自由席 |
2011年9月 |
北斗17号 |
183系 |
函館→八雲 |
自由席 |
2011年9月 |
スーパー北斗9号 |
281系 |
洞爺→東室蘭 |
自由席 |