このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

旧東海道——丸子宿


丁字屋  宇津ノ谷峠の帰途、丸子宿に立ち寄った。丸子宿はとろろ汁で有名だが、老舗丁字屋が健在だ。慶長元年(1596)の創業、広重の絵の題材にもなった。岡本かの子の『東海道五十三次』に出てくるとろろ汁の店も、橋のたもとの茶店風の藁屋、とあるからこの店がモデルに違いないだろう。
 早朝立ち寄った時、11時開店の店はまだ店は閉じたままだった。この旧街道に面している茅葺き屋根の店に接して、奥や右手に広い座敷を持つ二階家が続く。
丁字屋
芭蕉句碑芭蕉句碑  旧街道に面してこの碑がある。
  表に「芭蕉翁 梅わかな 丸子の宿の とろろ汁」と、元禄4年(1691)、旅立つ乙州へのはばむけの句が、裏に漢文で建立の趣旨、「文化甲戌冬十月」の文字が刻まれている。
十返舎一九の碑  芭蕉句碑と並ぶようにしてこの碑が建っている。右に、「十返舎一九 東海道中膝栗毛の碑」、「けんくわする夫婦は口をとがらして 鳶とろろにすべりこそすれ」の狂歌が、左に、「とんびとろろと百お多福」と題して、十返舎一九没後150年を記念しての建立趣意が、丁字屋主人ので記されている。日付は昭和五十七年一月二十四日。一九の碑
とろろ汁丁字屋のとろろ汁  宇津ノ谷峠の帰途に丁字屋に寄ったら、時分時を過ぎていたので、かなり空いていた。座敷は大小いくつもあるが、ここは「芭蕉さんの部屋」。お櫃に入った麦飯、すり鉢にすりおろしたばかりの自然薯のとろろ汁、いいものだった。
丁字屋資料室  店内には自由に入れる資料室があり、大きなものでは道中籠や高札、小さいものでは、矢立や煙管から道中枕など、さまざまな物が豊富に陳列してあった。
 写真は、手前左から磁石、携帯用ろうそく立て、携帯用そろばん、中央左から日時計、灰皿兼用の手あぶり。
吐月峰柴屋寺吐月峰柴屋寺  丸子宿から歩いて15分ほどの所にこの寺がある。連歌師宗長が草庵を結んだ所で、銀閣寺の庭を模したという庭園が有名。岡本かの子の『東海道五十三次』にも、この庭が出てくる。
宗長記念碑  たまたま訪れた時は葬儀があって、寺内の見学はできなかった。山門横のこの碑を眺めただけで引き返した。碑は宗長の四百五十年忌に、柴屋寺十六代住職が建てたもの。宗長記念碑

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