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東京・世田谷区には桜、桜丘、桜上水、桜新町など、「桜」のつく地名がいくつもあり、川沿いや公園などを中心に、見事な桜並木や花見に格好の場所も数多い。世田谷区の高校に30年勤めたが、最初の学校には桜並木をくぐるようにしてバイクと自転車で通ったし、もう一つの学校周辺にも桜樹が多かった。校門の前の道路の真ん中にも桜の大木があったが、交通の邪魔だというので、何度も伐られそうになりながら、そのつど保存運動が功を奏して健在、という伝説の桜だった。今もあの老樹が元気に花を咲かせているかどうか、毎年その時期になると気にかかる。 |
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渋谷への246号から右折すると、日本体育大学までの通りに桜並木が続く。この並木の桜を見るのも20数年ぶり。老樹が減って若木がだいぶ混じっていた。勤めていた深沢高校の外観も周辺も、ずいぶん変貌していた。 |
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この深沢高校の左手グラウンド下に呑川という小さな流れがあって、川沿いにも桜樹がたくさんあった。花の時期には同僚と自由が丘まで歩いたことが懐かしい。昔、ここを歩く酔狂な人など珍しかったが、流れに沿う道も今は「呑川緑道」として整備され、花見客で賑わっていた(土曜日、好天ということもあろうが)。 |
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日本体育大学の横を過ぎてしばらくすると、流れの水量も増し、水鳥が浮いていた。やがて呑川は暗渠となって地下に潜ってしまうが、呑川緑道の桜は続き、東深沢あたりの緑道では、屋台の店が出、中学生の器楽演奏があったりで、「桜まつり」で大賑わいだった。 |
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