日大三高が第91回全国高校野球の西東京代表になった。1回戦は勝ったので2回戦を観戦に出かけた。日大三高は在学中の昭和20年代にも東京代表になったことがあって、野球部の部長だった担任が、授業そっちのけで甲子園の話をしていたことを思い出す。私は野球ファンではないが、高校野球はわりによくテレビで観るし、それも母校となれば特別だ。先年全国優勝した時は、勝ち進む母校チームの活躍に心を動かしながらも、仕事の関係でとうとう行けなかった。その何年か後の夏、また日大三高が甲子園に出場したが、その時は1回戦で負けてしまった。今回は1回戦に勝った。2回戦以降もひょっとすると、と期待して甲子園に出かけた。
神戸に泊まって、翌日早めに甲子園に出かけた。猛烈な暑さを予想して、屋根のある「中央特別自由席」のチケットを買った。ネット裏のかなり前の席に座れたのはよかったが、日差しが少しずつ動いて、東北対日大三高の第1試合のはじまるころには、日光の直射を受けることになった。暑さ対策に凍ったペットボトルを買って入ったりしたのだが、その程度ではとてもしのげない。名物の「カチ氷」を何度も買っては頭や首筋を冷やした。腕時計付属の温度計は40度を超えた。
試合は日大三高が1回にいきなり2点を失い、途中、同点に追いついたが、結局、9回表に勝ち越し点を許して敗れた。地元の新聞は8回裏のスクイズ失敗が痛かった、と評していた。隣の中年女性たちが、日大三高のヒットに大きな拍手を送っていて、気をよくしたら、東北チームの好プレーにも拍手だった。1、3塁の応援団席以外には、本当に高校野球が好き、という人が多いのかも知れなかった。でなければ、あの猛烈な暑さの中の観戦などできるはずはないだろう。私は降参して第二試合の途中で席を立った。 |