石巻の地名は、北上川河口近くに浮かぶ「巻石(まきいし)]」に由来するともいわれ、巻石の名は、この岩の周りを水が巻きながら流れることに因んで名付けられた、と案内板にある。 巻石の浮かぶ北上川河口付近は、古来歌枕で知られた「袖の渡り」と呼ばれた渡し場で、源義経が船賃の代わりに船頭に片袖をちぎって与えた伝説がある。芭蕉も元禄2年の『奥の細道』の旅で、住吉神社を訪れ「袖のわたり、尾ぶちの牧、まのの萱はらなどよそめにみて」と記している。今回の大震災で住吉公園周辺も大きな被害があったようだが、住吉神社は無事だったようだ。 住吉公園近くに志賀直哉の生家があった(住吉町1丁目8番25号)。志賀直哉はこの家で、一家が上京するまでの2年間を過ごした。この家は大震災以前に失われ、「生家跡」の印を残すのみだったらしいから、下の写真は今では貴重な記録映像かもしれない。 |