このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

青森県近代文学館


青森県立図書館  青森近代文学館はこの中にある。開館は1994年 3月。太宰治・石坂洋次郎など、青森県ゆかりの作家たち13人を中心に、原稿や書簡、遺品などの収蔵展示をしている。訪れたのは4月の下旬、桜にはまだ少し早く、風も冷たかった。
青森県近代文学館  青森県立図書館の2階が文学館だ。この階段を上って右手に受け付けがある。この日は来館者も少なく、主幹の櫛引さんの案内を得られたのは幸いだった。教育出版の『現代文』の編集でご一緒した弘前高校の内海康也氏とは旧知だという。世間も狭い。
北畠八穂  北畠八穂は児童文学で有名だが、深田久弥と結婚していたころには、夫の小説の代作もしていたと、館の資料目録の解説にある。深田久彌は今は「日本100名山」で知られるが、もともとは小説家で、その代表作と言われる『あすなろう』『津軽の野づら』なども、北畠の代作だったというから驚く。
高木恭造 方言詩人、高木恭造が大きな扱いを受けているのも、青森ならではのこと。方言詩集や原稿、色紙などが展示されている。写真左上は、方言詩「吹雪」の自筆の額。
太宰治 当然太宰治のコーナーもある。著書や草稿の類が多く展示されている。親しかった今官一のコーナーもその隣だ。
寺山修司  短歌、詩、小説、映画、演劇……、さまざまなジャンルを駆け抜けた寺山修司の世界を、小さなコーナーにまとめるのは難しい。やはり著書と草稿などの展示がが中心だった。
三浦哲郎 青森県出身の現役作家としての代表格は、三浦哲郎だろう。芥川賞受賞作『忍ぶ川』は映画にもなったが、写真手前はその『忍ぶ川』の原稿。三浦哲郎は高校教科書にも縁が深く、「とんかつ」などは各社が競って採っている名短編だ。郷里の八戸には文学館もできたという。
長部日出雄 『津軽世去れ節』『津軽じょんから節』で、直木賞を受賞した長部日出雄には、郷里に取材した作品が多い。映画評論家としても有名で、津軽を舞台にした「夢の祭り」では自らメガホンを取った。東京銀座の小さな映画館並木座でよくこの作家を見かけたが、その並木座も数年前に閉館した。
展示室入り口 これは正面と反対側の入り口。左の壁面には青森県の文学地図などの掲示、手前にはゆったりしたソファー等があって、くつろげるようになっている。
ガイドコーナー  正面受付の前に近代文学ガイドコーナーがある。映像をとおして、青森県の近代文学の流れがつかめるように、親切な解説がされていた。

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