このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

瀬戸線 車両カタログ(現在編)

[6/7 1998追補]
(Sorry, only Japanese)
正式な形式呼称は一般には解りにくいので通称にて記載します
「本数」は、運用の単位である4両編成を1本としてカウントします

6000系 7本、28両
名鉄の高性能車としては初めて3扉となった通勤形。昭和51年に名古屋本線・犬山線用などとして、初代が小形クロスシート装備でデビューしたが、平成7年より瀬戸線へ移籍した車両は昭和55年以降の増備車両で、スタイルに変化がある。同系は改良を加えながら10年に渡って製造された。全車ロングシート化、またラッシュ時の混雑率が深刻な当線での使用を考慮してか、客室容積を有効に確保できる完全な4両固定編成を組成した(他形式は2両×2、又は中程に車掌台付)。このため朝ラッシュ時など車掌が最後尾車両にとどまってドア扱い等ができるよう、見通しの効かない駅の上りホームにモニターテレビが設置されるという副次効果をもたらした。
6600系 3本、12両
戦前に名鉄に合併して以降、初の瀬戸線用新造車両、かつ当線オリジナル形式。昭和53年に登場。それまでの架線電圧600ボルトから、栄乗り入れを前に現在の1500ボルトへ昇圧した際の立役者。当初は主に、名古屋市内の喜多山駅から都心へのラッシュ時の区間列車としての充当を想定していたため、乗車時間が短いことを前提に非冷房車であった。その後、名古屋本線等の廃車部品を転用して冷房化。写真は4両編成の内、手前の2両が改造されたばかりの過渡期のもの。現在は前面扉周囲の幌は撤去されている。大きなスカートが誇らし気で印象的なデザイン。
6650系 1本、4両
栄乗り入れ後の輸送力増強には専ら本線系統の車両の転入でまかなって来たが、それに伴って冷房車の比率は下がる一方であった。昭和61年に久し振りに新造したのは、車体は6600系に範を求めているが、走行機器は旧型車両の部品を転用したリサイクル車両。1編成4両のみ。前面の標識灯のケーシングに、製造当時に本線系統で増備されていた6500系車両の影響を受けるなど、名鉄の車両デザインのトレンドの軌跡をたどるのには面白い存在と言える。
6750系 5本、20両
6650系の増備車で車体番号も同系の続番であるが、4両固定編成となり外観や設備も一新された。同時期に製造された本線系の6500系増備車両に倣って前面はガラス窓を大きく取り、側面窓も連窓とした。室内座席はパープル系のモケット張りとなり、これは本線系の他車にも波及した。とにかくお洒落なのであるが、素性は旧型(旧性能)車両。平成2年に新造されたツリカケ(※別注)電車は、轟音を響かせて「瀬戸電」の存在を誇示している。6650系にも垣間見られたが、本線系の車両デザインと「瀬戸線規格…前面に扉を設けなければならない」との折衷が面白く、カッコイイとは言い切れないがカワイイ表情である。
デキ370形 2両
電気機関車。保線用砂利運搬貨車の牽引や、喜多山車庫で検査を受ける車両の入換えにあたる。昭和53年の1500ボルト昇圧を機に、それまで瀬戸電鉄時代以来の生え抜きだったデキ200形に代わり当線の事業用任務をこなす。ただし初代の375号はすでに廃車となって代替わりしている。生い立ちは戦前、旧・愛知電鉄より引き継いだ貨物列車牽引用。姉妹車両が他の私鉄でも見られる。古豪ゆえ379号は特別整備を受けてメイテツブルー塗装となった。
ワム5200形(左) 1両
喜多山車庫で活躍する救援車。電車は定期的に検査を受けるが、中でも全般検査など大掛かりなものは喜多山車庫の庫内に収容し、部分的には解体修理される(一部機器は岡崎市の舞木検査場に輸送して検査)。検査用にあてられた庫内は架線電流を常時OFFとしており、電車を機関車で奥まで充分押し込むための、いわば「スペーサー」と言われている。

このほか、前述の砂利運搬〜散布用の事業用車として無蓋貨車3両が尾張瀬戸に配置されている。

編成図 平成8年5月〜 旅客車両=64両
すべて4両編成で運転
←瀬戸
栄町→
コメント
6000系(28両)
ク6023モ6323サ6123モ62234両固定編成を組む。
ク6024モ6324サ6124モ6224
ク6025モ6325サ6125モ6225
ク6026モ6326サ6126モ6226
ク6027モ6327サ6127モ6227
ク6031モ6231ク6032モ62326000系ではこれのみ2+2両編成。
ク6033モ6333サ6133モ62334両固定編成。
6600系(12両)
ク6601モ6701ク6604モ6704中間に挟まっている車両は運転台付きながら列車無線を持たず、実質的には中間車となって固定編成を組んでいる。
ク6602モ6702ク6605モ6705
ク6603モ6703ク6606モ6706
6650系(4両)〜6750系1次車とも称する。
モ6751ク6651モ6752ク66522+2両編成。
6750系(20両)〜6750系2次車とも称する。
モ6753サ6683モ6783ク66534両固定編成。編成の真ん中、モ6780形に乗務員室を持つ。
中間に挟まっているサ6680形とモ6780形は車庫内での入換用に簡易運転台を備える。
モ6754サ6684モ6784ク6654
モ6755サ6685モ6785ク6655
モ6756サ6686モ6786ク6656
モ6757サ6687モ6787ク6657
ほかに電気機関車デキ376デキ379、及びバラスト散布用の業務用貨車3両がいる。


※ツリカケ…釣掛駆動方式を指す。今日の電車ではモーターを台車のサスペンション上に配置して、車軸に取り付けられた歯車との位置関係をタワミ装置で調整しながら回転力を伝えている(これをカルダン駆動と言う)。これに対し旧型の釣掛式ではモーターを直接車軸に乗せて、ごく簡単な構造で回転力を伝えている。その結果、走行時の衝撃にモーター自体が耐え得る強度を確保せねばならず、かつその構造のためにモーターの荷重や騒音がレールにダイレクトに伝わるという欠点があった。鉄道ファンはそのノスタルジックな「ゴォー」というモーター音に惹かれるのである。
一般に前者のカルダン駆動方式の電車を「高性能車」「新性能車」と言い、後者の釣掛駆動方式の電車を「旧型車」「旧性能車」などと呼ぶ。


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