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瀬戸線 車両カタログ

(過去編/昭和53年〜)

[6/7 1998 追補]
(Sorry, only Japanese)

3730系/3770系 20両(2両編成×10本)
生い立ちは、旧型車がのさばっていた時代に車両の近代化を計るべく、旧型車の走行部品を活用して新品の車体に載せ替えたもの。昭和39年から大量に製造された、両開扉装備の非冷房グループがこれ。かつては名鉄の1500ボルト区間のどこでも見ることができた。瀬戸線栄乗り入れ当時、このグループはモ3776+ク2776の2両のみが在籍していた。その後の輸送力増強用として本線系統から続々と転居し、一時は10編成20両が在籍したが、2扉車でラッシュ時の輸送に支障が出て来たことや冷房を持たないこと、性能が劣ることから早々に廃車となった。
3780系 20両(2両編成×10本)
瀬戸線の1500ボルト昇圧〜栄乗り入れの主役。当時の全旅客車34両中20両を占め、冷房車は当形式のみであった。その特徴は何と言っても室内にあり、座席は2列×1列の変則的なクロスシートを装備して快適性と混雑時の対応を両立していた。これはデビュー(昭和41年)当時の、名古屋本線から支線へ直通する料金不要の観光特急での使用を考慮した設計と言われる。瀬戸線においてもその効用を発揮していたが、輸送事情の悪化により、のちに全車がロングシート化された。当形式も3730系と同様の「車体更新車」であり、制御器はその昔にアメリカから輸入されたものを活用したレトロなものであったが、平成8年に全車廃車となった。
6600系 12両(2両編成×6本)
瀬戸線の1500ボルト昇圧時のクイーン。現存形式であり「車両カタログ/現在編」で紹介しているので詳述は避けるが、登場時はアルミサッシ無塗装の窓枠やスッキリした屋根上のラインデリア(外気導入式送風機 )のキセなど、美しい容姿を見せつけていた。
営業初日の、その写真を示す。

編成図 昭和53年8月〜HL車のピーク時まで/旅客車両=栄町開業時34両, ピーク時52両
栄町開業時の34両は、本表の「モ3776 + ク2776」以下に相当。
4両編成時はHL車同士および6600系同士で2本の編成を連結する。
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コメント
3730系・3770系のグループ(20両)〜3770系は当初クロスシート、後に全車ロングシート化。
モ3752ク27523730系は両開2扉ロングシート車として製造、後に支線特急での運用も増えたため多くがクロスシートとなった。瀬戸線転入と同時に再ロングシート化施行済。

3730系は栄町開業の後に転入したグループ。

モ3753ク2753
モ3754ク2754
モ3756ク2756
モ3771ク27713770系は3730系のクロスシートバージョンとして製造、実質的には同系車だが、ドア付近のシート配置にラッシュ対策が盛り込まれた。後に全車ロングシート化されて全く同一車両となった。

3771〜3775編成は栄町開業の後に転入したグループ。

モ3772ク2772
モ3773ク2773
モ3774ク2774
モ3775ク2775
モ3776ク27763770系で唯一、栄町乗入れ開業時に瀬戸線に配属されていた。
3780系のグループ(20両)〜後にロングシート化のほか、台車の振替が行なわれた。
モ3781ク2781
台車FS-35/D-18
3780系は新旧さまざまな台車で乗り心地もバラバラ。モ3781〜モ3784のFS-35は3780系用の新製台車でマアマアだったが、所詮はHLの電動車で、発車時のショックは避け難かった。
モ3782ク2782
台車FS-35/D-18
モ3783ク2783
台車FS-35/D-16
モ3784ク2784
台車FS-35/NT-31
モ3785ク2785
台車D-16/NT-31
ク2781〜2790の台車は後に、東急から購入して通勤用に使用していた3880系の廃車に伴い、同車の履いていた乗り心地の良いものに交換された。
モ3786ク2786
台車D-16/D-16
モ3787ク2787
台車D-16/D-16
モ3788ク2788
台車D-16/D-16
モ3789ク2789
台車D-16/NSC-31
ク2789とク2790の履く台車、NSC-31は国鉄の旧型国電のものに似た形態をしていた。時速70キロくらいになると、ギッシギッシとノイズを発して独特の縦揺れを起こした。
モ3790ク2790
台車D-16/NSC-31
6600系のグループ(12両)〜当初は2両編成のみで使用。
ク6601モ6701編成ごとの形態差はほとんどなかったが、6603と6604の編成は栄町地下線の訓練運転用に抜擢され、ク6603とモ6704の前面に初めて連結ホロが装着された。
後に4両運転が始まって全車、前面にホロを装着。冷房化改造(改造は名鉄初!)も実施されて見た目に貫禄が付いた。現在では編成の組み替えもなく4両単位で運用されるため、中間に挟まる先頭車は無線の装備を省略、両端の先頭車は前面ホロを再び撤去した。
ク6602モ6702
ク6603モ6703
ク6604モ6704
ク6605モ6705
ク6606モ6706
ほかに電気機関車デキ375、及びバラスト散布用の業務用貨車3両がいた。


ここにある3700番台の旧型車を「HL車」と呼び、6600系のような高性能車を「SR車」と呼ぶことがある。

「HL」とは「Hand command...」つまり手動操作でマスターコントローラーを徐々に回して加速する方法。名鉄の3700系シリーズは旧型車の車体を新品の物に載せ替えた更新車ゆえ、製造当初にしてシステムは時代遅れのものであった。

「SR」とは「Super Romance Car」名鉄の高性能車の総称、但し3扉の通勤車を差さないことがある。元々このグループは昭和30年代に製造された5000系から7000系パノラマカーなど、「ロマンスカー」の名に相応しい装備を持っていた。ここに示す分類は併結運転が可能か否かを規定する呼称と言え、性能的に類似というだけで純然たる通勤車にも名称だけがあてはまり、残ってしまった感がある。もっとも2扉の「ロマンスカー」と3扉の通勤車はギヤレシオが異なることもあり、併結しての運用実績はない(ローカル列車の3扉の6000系に団体用のパノラマデラックスがくっついた例はある)。

ちなみに他に「AL車」というのがあり、「HL車」に対して「Automatic Command...」すなわち自動加速であるが、駆動方式は旧型のツリカケ式というグループである。現在の瀬戸線の6650系、6750系が相当するが、これらは実はかなりの部品を新製していて、将来駆動装置を取り替えて高性能化を施す備えも持っているので、オーナーとしては「旧型」と呼んで欲しくないであろう。


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