このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
(このページの記述はあくまでも筆者の観察に依存しています)
車内を巡回して車補(車内で発売する乗車券など)を切り、セールスに努めるのは当然。 今では多少違うかも知れないが、国鉄末期などの国電では、車掌は後ろの運転席に坐って後方車窓を眺めているだけ。坐ったまま次駅の放送をし、あとはドアを操作するだけで、車内の監視すらしていなかった。 | |
水野駅 上りホーム | 栄町乗入れ開始により、4両編成での運転が始まった。 で、ホームが急カーブにある時の乗降の確認はこう。 1.電車が停車し、車掌がドアを開く。 ...以上はひと昔前までの超アナログ的な安全確認法。現在は若干状況が異なる。 (カーブホームでちょっと都合の悪い駅) |
中間車モ6780形の乗務員室 | 朝の上り準急などは非常に混み合って車掌の車内巡回は困難、また始発駅の次である「瀬戸市役所前」駅がイキナリそのようなカーブにある。だから、その時間の乗務は最初から編成の中ほど、中間の乗務員室で行なった。4両固定編成の6750系ですら、真ん中に車掌用の乗務員室が設置された。 この部屋にあるドア開閉スイッチは、左右それぞれに2組設置してある。この乗務員室が編成の真ん中に位置するため、そこより前側と後側で別のスイッチとして操作と確認を容易にしている訳だ。同じことは名古屋本線の一般車/指定席車併結の特急編成でも行なわれており、この場合、乗車/降車/指定席用ホームが左右に振り分けられている新名古屋駅では、都合3つのスイッチをあたふたと操作しなければならず車掌さんは大忙し。 最近は瀬戸線でも該当するホームに車掌用のモニターテレビが設備され、車掌は一番後ろの乗務員室で業務ができるようになった。 |
栄町寄から2両目の中間車両にて(旭前駅) | では、純然たる中間車の6000系ではドーなの? それはご覧のとおり。名鉄では本線を含めて常識なのだが、中間車の一般の客室の1ケ所左右にドア開閉スイッチが付いている。 1.まず、車掌が鍵穴を一度操作して電鈴を1発鳴らす。これにより車掌が運転士に対して、車掌自身がドア扱いをする旨を伝達する。 よく、下記の駅で見られる。 |
上の写真と比べれば位置関係が判るかな? カギで操作しないとこれらは | 左の写真は電鈴を操作しているところ。そもそもこの電鈴は、運転士と車掌の連絡用に普段からマメに使用しているもの。その概略を書き付けてみる。 A.電車が駅を発車してすぐ、車掌が1発鳴らした場合は「次の駅では運転手がドア扱いをする」ように依頼している。運転士が確認すると1発鳴らして返事をする。 |
瀬戸市役所前駅で | 彼らも、無人駅では切符を回収するなど接客業に努めている。また上記のように、臨機応変にドア開閉を担うなどしている。 それと、D.P.E.の受け渡しもしていたのでは? 今でこそD.P.E.は即日仕上がりが一般的だが、20年も前から、名鉄のラボでは翌日仕上がりが定着していた。 |
夜の守山自衛隊前駅 | 無人駅や、そして駅員配置駅でも夜などは駅員さんがいなくなってしまう。そんな時活躍するのが「無人」を示すこの看板。これが掲出してあると、運転手や車掌が切符を回収する。 |
わが自宅の玄関先 | それはそうと、1年くらい前からワタシの自宅の表札に貼ってあるんですよね、「ム」が。誰がなんで貼ったのか知りたいです。これを因縁というんでしょうか。 |
本文中の電気式のベル、名鉄電車に乗っていると「チン、チン」とよく聞こえてくるのでお馴染みと思う。この2発の発車の合図、各駅での履行は昭和末期ごろから始められた。それまでは運転席の前のパイロットランプが作動すれば(ドアが完全に閉まったことを示す)、発車して良いことになっていた。
ただし昔から一部の駅ではカーブに接しているなどで、2両編成であっても若干見通しが悪くて、元々合図を使っていた。そんな駅のホームの端には「PL発進禁止」と札が掲げられていて、上記の「パイロットランプ」に符合していた。
そして事件は、名古屋市交通局の地下鉄東山線栄駅での話。電車に乗り損なった主婦が腕に絡めていたハンドバッグを電車のドアに挟まれたために、電車にホームを延々と引きずられた挙げ句、ホームの途切れた線路脇に振り落とされて大怪我をする事故が発生した。この大事の原因は、ドアを閉めた車掌が、電車がホームを離れるまで監視する義務を怠り、ホームにいた駅員の制止すら見落としていたという重大な過失にあった。
以後、交通局が安全の徹底をはかったのはもとより、地元の名鉄としても、安全が何にも勝る鉄道輸送業務においてその信頼を維持するためには、他人ごとではすまされない話だったのは当然だったと言えよう。それに比較して首都圏のJRが合図を必要としないのは、ワタシには驚愕に値する。
さて、そのベルは本線系も含め全ての電車が装備している。先頭車の運転室はもちろんのこと中間車でも、客室内の一端の左右の乗降ドアの脇に、ドア開閉スイッチ1対とベルのスイッチがひとつ必ずついている。パノラマカー以後の特急編成でも例外はない。ベルそのものは網棚の上の壁に埋め込まれている。
で、名鉄フリーク的にはちょっと残念だが、そのあまりにもよく響き渡る音色が車内の静寂を突き破ることに対し、最近は乗客の立場に配慮してか「チン、チン」ではなく詰め物をしたような「コツ、コツ」という鈍い音に替わってしまった。
また地下鉄鶴舞線と相互乗入れをしている豊田線や犬山線でも当然、車掌が忙しく車内を巡回する(無人駅があるため)ので、交通局の車両でさえ中間車にドア開閉スイッチなどが完全装備されている。
その乗務員連絡用のベル。関東では「プー」という電子ブザーが主流だが、「チン」もしくは「ジリリン」というアナログ・ベルは関西で主流を占めている。
一般客室の乗降ドア脇にある「此の戸、他の戸」というドア開閉スイッチは、1998年春まで揖斐線で活躍していた「ク2320形」でもお馴染みだった。車掌による戸閉めは、ホームに降り立っての安全確認が原則である。ところが同形式は、運転席側に乗務員用のドアがない。だから進行方向右側のドアを操作する時はたいてい、車掌は客室にしゃしゃり出て一般用ドアに立って業務をこなす。
運転手の影が薄くなってしまったが、ここでもうひとつ。名古屋と言えば近鉄電車も来ている。彼らが普通電車を運転して特急などの通過待ちをする際、冬などドアを開けっ放しというのも不作法な時は駅の出口に近い側の乗務員、つまり半分は運転士が、ドア用のエアーコックを開放したあと自分の腕力で1箇所のドアをちょっと開ける。関東と違って2両編成程度だから、このような奉仕の精神でこなしている。
(10両編成を擁する小田急などではドア開閉回路に「3ドア解放」モードがあり、長編成であっても各車1ケ所だけ開くようにしている。JR東海のステンレス車両も同じ)
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