このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

未来への道...

(Sorry, only Japanese)
(瀬戸電フォト&コラム、瀬戸3-3-1)[3/21 1998 UP]


(杉塚町)

私は昭和40年に生まれてより63年春まで瀬戸市の中心部に住み、以後10年は東京に本拠を置いています。もし郷土から離れなかったら、瀬戸についてもっと詳しく知り得た可能性があります。

ただ同じ所にとどまっていると身の回りの変化が詳しくつかめるものの、それは徐々に進行していくためインパクトに欠ける面があります。仮にその変化が、当初はネガティブなものと思われても、次第に慣らされて受容的な態度、或いは諦めに落ち着くのが人間というもののようです。

さて、これはずっと在住の方もご承知でしょうが、ここ10年余りの町の変わりようたるや物凄いものがあります。駅周辺から徒歩圏内でさえ空き地が多く、マンションが幾つもそびえ立ち、区画整備とかで道は拡幅されています。現在の都市計画が最終的に何を目指しているのかよく判りませんが、瀬戸の中心部は平地が少なく商業地区は限られています。また道路などが整備されて交通の便が良くなると、むしろ一極集中(瀬戸の場合は名古屋指向)に拍車がかかるのが通説になっています。なんだか、瀬戸川沿いの道路や国道の拡幅〜付け替えなどをみると、瀬戸の中心部を「通り抜けやすく」しているのかなあと心配になったりします。

まあしかし肝心の中心部では道幅が広がりそうになく、新しい道が出来そうにもないので、クルマの流入は抑制されるんでしょう。また対名古屋だけでなく、道路・鉄道とも「環状」方向の結び付きも重視しているようですので、周辺地域を含めればメリットも多い施策なんでしょう。ただし道を作るということは自然環境を侵し、そこに車を通すという消費活動にほかならず、地球にやさしい訳がありません(東海環状自動車道は景勝地、岩屋堂付近を通るんですね)。なんてコト言っても、資本主義社会の市場原理には通用しないんでしょう。クルマ社会を無抵抗に受け入れる態度は、私の見解とは距離があります。さりとて消費者心理という現実を軽視できません。

ところで昨今、広大な駐車場と豊富な品揃えがウリの「郊外型大規模店鋪」が全国的に増え、クルマで買い物に出かけるのが当世のスタイル(?)になっているようです。その結果市街地では商店が店をたたみ、クルマを持たないお年寄りなどの生活に影響が出ているという報告もあります。現に瀬戸でも2軒のスーパーがなくなりました。瀬戸の中心街に生活基盤を成すような、また何か歴史や文化に根差した、商業・窯業に利する「瀬戸らしい核」が欲しいように思います。こないだ、その計画が決定した、というハナシもありますが。従来のような「何だか判らないけど道路をいっぱい造ろうとしている」という印象ではなくて、「総合的な施策の中に交通基盤の整備が付いてくる」という、意義の明確なビジョンが欲しかったところです。賢明な地元の方たちの奮起を応援しています。


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