汽車旅つれづれはなし 18
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---------------------------------------------------------------------- [汽車旅つれづれはなし]        第18号 2002/12/21 ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して 発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ---------------------------------------------------------------------- 尚、登録・解除は、 http://www.mag2.com/mag2/m/0000043279.htm にて自由におこなうことができます。 --------------------------------------------------------------------- [ごあいさつ] こんにちは。 毎日寒いですが、お元気になさってますか? さて、山岡メはですね、旅から帰って参りまして、東北特急の終わりを ちょっと複雑な気持ちで眺めておりましたが... まあ、終わってしまったことはそれとして(笑) 今度はどこへ行こうかな、なんて考えております。はい。 それでは、今回も全回の続きをどうぞ。 HTML版はこちら↓ http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/text/train18.htm まぐプレ版「旅鉄」はこちら↓ http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000594 ------------------*--------------------<その16> 旅の終わりは次の旅の始まり... はくつる号が推進で尾久へ引き上げると まずは「あけぼの」2022列車が青森よりリターン。 ゆっくり、ゆっくりと上野駅13番線ホームへと入って来る。 VTRの望遠端、500mm相当の画面で見ると列車の外板、 浪打の具合がよく分かる。 長い旅路、ご苦労さん。 ポイントに車体をくねらせて。 鉄道ファンの坊やが、コンパクト・カメラでフラッシュを焚いて。 EF81の車体に見入っている。 走行中の列車にフラッシュを焚くな、なんて言っても仕方ないか。 最近のコンパクトカメラはレンズが暗いから.....。 ごとごと、と24系編成はホームに滑り込む。 旅客の顔も、すこしアンニュイな感じに見える。 -----*--------- 上野駅も随分お洒落になったものだな、と思いながら連絡通路を歩き これからどうしようかと考える。と。既に改装が済んだフロアーは 綺麗なお店が並んでいて、どこかしら東京駅のような雰囲気にも似て.... 井沢八郎の「ああ上野駅」というムードは微塵もない。 そこで、というわけでもないけれど寝台列車に揺られてすこーし 時差ぼけ気味の頭を起こそうとカフェに入る事にする。 朝7時。 とはいってももう通勤時間に入る頃。 遠距離通勤のお父さんとお見受けするような方々が モーニング娘。じゃなくてモーニングセットを食べている(笑)。 ここのお店のモーニング娘(?)のお嬢さんたち、ウェイトレス姿が どこか気だるい雰囲気のイマ風のお嬢さんたち。 前払い形式でアイスコーヒーを頼み、食券を受け取る。 高テーブルに陣取って、背中のザックから時刻表を取り出して計画を練る。 これからどうしようか? まあ、ちょっとヒマだから到着するブルートレインでも観察して... と、到着する列車時刻を見る。 東京駅に出雲、あさかぜ、さくら、富士、はやぶさ、サンライズ。 上野駅には北斗星、カシオペア。 山手線でいったりきたりすれば全部の列車が見られるかな、と。 そんなわけで、少しだけここのカフェでぼんやり。 VTRの電池、テープの残量、銀塩カメラのフイルムの残り本数 などを確認。 今日はお盆の時期とあって、連絡通路を往来する人影も少ないようだ。 さて、そろそろ時間かな、と... 再び、上野駅地平ホームへと降りて見た。 もう、通勤時間だが盆の時期だからそれほどの混雑はない。 次の列車は「カシオペア」だが、その前に東京駅に向かおう。 あさかぜ、出雲、サンライズ瀬戸/出雲...と到着予定だ。 二階ホームで京浜東北線に乗車し、ほんの少し電車に揺られる。 ここんところはゲーム「The山手線」で見慣れた景色だから あえて先頭車両には行かない(笑)。 東京駅はそれでも人いきれで一杯。 同一平面にある東海道線到着ホームへと。 すでに「あさかぜ」は到着しており、早々と牽引機関車は切り離されている。 ブルー・トレインが到着すると、まず牽引機が切り離され、次いで 品川方にある待機線で待っていた機関車がブルー・トレインに連結、品川へ引いて行 く...という操車のようで、 その後、牽引機関車が待機線に入り、次に到着したブルー・トレインを牽引して品川 へ向かう、という方式のようだ。「出雲」以外は牽引機はEF66だからヴァラエティには欠ける。 もともと貨物機のEF66、弱め界磁定格速度が108km/hと ブルー・トレインにぴったりの俊足ぶりだから 減車されて編成が軽くなった東海道ブルー・トレインにも これからも運用されるであろう、と思う。 定格出力3900kwという大馬力(5200psかな)で 楽々と高速へと加速する様は、まさに鉄路の王様の風格たっぷり。 EF500型が製作され、一時はその王者の座が危ぶまれたが EF500はその高出力故に変電所能力が追いつかなかった という理由で継続生産が打ち切られたから 当分、EF66の王座は揺らぎ無いものだろうと思う。 「あさかぜ」牽引機は更新後間もないのか、綺麗な塗装面で まるで新車のように輝いている。いつまでも元気で走れよ、と思っていると「あさかぜ」編成は品川へ引き上げて モーターの音も軽快にEF66はひょい、と大きな車体を移動して 待機線に引き上げて行った。 次は、「富士」だ。 日豊本線経由で、大分16:49分発。 かつては西鹿児島までのロングラン列車だったこの列車も今では大分止まりだ。 とは言っても、大分に10時少し前というダイアは乗客からすると まだ魅力的な存在のようであるし、またJR九州オリジナルの 改造車両「B寝台個室"ソロ"」も連結されていて斜陽から落日へ と言われるブルー・トレイン全体にあってやや期待が持てる存在である。 九州新幹線も鹿児島本線ルートの建設が先決だと言われるから 日豊本線ルートはおそらくフリー・ゲージトレインを導入するのではないかと 噂されているから、ひょっとすると東京-九州ブルートレインで 最後まで残るのはこの「富士」なのではないか、と 僕などは思う。 その日はいつになるだろう?などと考えながら ホーム先端、品川方まで歩くと 既に荷役作業の準備がなされている。 大分方最後尾に荷物車が連結されているからだが 丁度荷物エレベータの近所とあっていい具合。 写真をとっても良いか、と聞くとホーム先端で、とのお返事。 見ると、ホーム先端には触車防止の黄色と黒のロープがしっかりと張られていた (笑) さて、到着時刻。 ヴィデオカメラのモニターを眺めていると、通勤電車並みの速度で プラットホームにダイビングしてきたEF66。 コンパクト・カメラを構えていたら被写体ブレを起こしてしまった。 まさかの速度である。九州ブルートレインを見ていると、「はやぶさ」「富士」が西鹿児島までロング・ラン していた頃の事を思い出すが..そうだ、この次は九州へでも行こうかな.... こんな感じで次の旅程も決まる(笑) 秋がいいかな....-----[あとがき]------------------------------ ご意見、ご感想、ご指南等お待ちいたしております。 このマガジンに返信して下されば届きます。 山岡。 --[PR]------------------------------------------------------------- 姉妹誌のご紹介。 メールマガジン「旅鉄」 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/tabitetu.htm http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000594 汽車の旅、旅行記、情報、その他をメールであなたのお手元へ配信するシステムです。 ビデオ映像、写真などを交えて「そこにいる」感じ、で。 汽車旅歴30余年の著者が、楽しい旅行記をあなたに。 メールマガジン「人類学的見解」 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/kenkai.htm http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000640 日々、暮らしておりますといろいろとお悩みも起こりますね。 それは自分がヒトだから、ヒトの世に生きているからでもあります。 そうかと言って、ムズカシイ勉強とか、お説教とかもウンザリですね。 日常の出来事などを題材に、明快な基準を示し、解答に導きます....。 メールマガジン「月刊カーアクション」 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/car.htm http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000638 カーアクション小説のマガジンです。 メールマガジン「ふわ・ふわ」 http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/fuwa.htm http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000639 キモチがふんわりとなれるような詩・短文を日刊でお送りいたします。 メールマガジン「山岡鉄男のディスク漫談」 http://www.mag2.com/m/0000072708.htm メールマガジン「音楽徒然噺」 http://www.mag2.com/m/0000081574.htm ---------------------------------------------------------------------- 汽車旅つれづれはなし 第18号  2002/12/21 関連サイト  http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5733/583k.htm 掲示板 http://www63.tcup.com/6325/shoo.html 電子メールあて先 583k@railfan.forum.ne.jp (または、このマガジンに返信なさっても結構です) 発行人 山岡 鉄男 ------------------------------------------------------------------------ サンプル〜「旅鉄」〜 ======================================================================== --------------------- tabi-tetsu ---------------------------------------- ========================================================================[のどかな朝]翌朝、ふと気づくともうそこは東北らしい牧歌的な風景の中だった。 モハネ583、5号車7番下は太平洋側の寝台である。 緑の草が生い茂り、山々は緩やかな稜線を描く。 真夏だというのに柔らかな陽光は秋の気配だ。 おはよう放送が入る。昨夜と同じヴィヴァルディの「春」だが この風景には似合いかもしれないと思う。 寝台特急583、夜のイメージではなく昼間のイメージにも似合いの クリーム色と青の新幹線0系のようなボディの塗装であるし、 室内はといえば天井や壁の色は国鉄時代のままの淡緑色だが 寝台カーテン、シートモケットや洗面所などの設備も華やかな色合いとされ、 「春」という曲のイメージにも似合っている、と思える。 八戸到着は5:52。 明るい陽光がさんさんと降りそそいでいるが、どこかそれは高緯度を感じさせる 爽やかな光線である。 早朝とはいえ、かなりの乗客が降りてゆく。 2002年12月の東北新幹線延伸時には、3時間弱で東京から来れる、というが.. 都市近郊のようにしてしまうのが惜しいような東北ののんびりとした風景、である。三沢には6:07に到着。 ここでもかなりの用務客らしき乗降がある。 三沢といえば自衛隊の施設があることでも有名であるし、関連して大手企業などの 現地拠点が存在しているからでもある。 筆者の知人にも三沢駐在の者がいるが、東京との往来はもっぱら航空機 が多い、と聞く。 東北新幹線延伸時には鉄道利用に切り替えたい、とも言っていたが... 理由として昨年のテロ事件などを挙げ、3時間弱であれば それほど航空機の優位性はなく、むしろ安全な分鉄道優位だ、とも言っていた。 確かにトレイン・ジャックは映画の中の出来事くらいで、現実例は少ない。 あとはコストダウンにJR東日本が積極的になれるか、という問題もあるが 東北新幹線の特急料金には特例を設けるとの伝聞もあり 頼もしい限りであると思える。 しかし、その一方で東北本線が分断されてしまうのは哀しいこと、ではあるが。 原案にあった単線並列での残存という訳にはいかなかったのであろうか などと今更にして思う。 野辺地、6:26列車は方向を変えて陸奥湾を望む。 田園風景に変えて津軽海峡の青い海と空が開けて解放的である。 最高速近くで走る重厚な583系の車輪の響きも どこか軽やかに感じられる終着駅付近である。 車窓からの風景も漁村の、のんびりとした風景が主だが なにぶん速度が早く、確認することすら困難な程だ。 モーターの響きも軽快。 直流モーター駆動のこの583系、交流インヴァータ制御が主流の現在では やや、古いタイプのイメージだが、直流モーターを抵抗で制御するという この形式故にモーター音が一定の音色であり、寝台電車の駆動源としては 眠りを妨げる騒音源にはなりにくい、という利点になるとも言える。 最新の寝台電車、285系「サンライズエクスプレス」などは交流モーター インヴァータ制御であるためか、7両編成のうち2両のモーター車はカーペット車などに使用し 寝台施設使用料金が安いグレード向き、としたのもモーター音への配慮である とも考えられる。制御機器であるインヴァーターの音はちょっと音楽的なので 個人的にはおもしろい音と思うが。----[メモ]-------- *モーターカーと制御方式* 電気でモーターを駆動するタイプの車両では、駆動力の制御に様々な方式があり、 基本はモーターの駆動力を電流/電圧で制御するのであるが モーターは磁力によって力が発生する、という構造上の理由から加える電力で 駆動力を増減出来る、という考えによるもの。 古くからあるのが抵抗器を用いて電圧を加減する、というもの(抵抗制御。) 考え方としてはラジオなどのヴォリュームと同じ。 直流モーターではこのような制御が一般的なのは、直流を扱うという以上、電圧と 電流以外に制御要因がないからで、後年になって大電力用の半導体が実用になってから 電気を断続的に流す、という事で制御を行おうと試みた(チョッパ制御。) この考えを進め、近年は交流モーターに印加する周波数などを発振器で変化 させて制御する、という方式が主流である(インヴァーター制御。) 抵抗制御では電力のエネルギーを熱として捨ててしまうが、インヴァータ制御では 半導体回路の熱ロス、程度の損失であるから省エネルギーな制御方式である。 しかし、周波数を変化させるという機構上それが人間に音として聞こえてしまうので 静粛さを要求される、例えば寝台列車などでは騒音源となりうる、とも考えられる。 因みに制御方式で音も違うので、このあたりの音色の違いを楽しむのは 近年の電車乗車の楽しみのひとつになっている?とも言えるかもしれない。 -----*-----------[定時到着]列車はスローダウンして、ゆっくりと終着駅へと向かう。 車窓の風景もちょっとした都市のそれで、コンクリートの構造物が目に付く 青森市街の様子である。 青森運転所東派出所が進行方向から向かって右側に見えるはずだが 7番寝台は海側のためなので見る事は出来ない。 赤い交流電機などが居並んでいるのだろうと思う。 6:58分、定刻到着。 揺動なく停止した。 乗客はにぎやかに降車してゆくが、弾んだ声の雰囲気は夏の臨時列車らしい。 これからのヴァケイション、に期待をしているのだろうか、 はしゃぐ子供の声もどこか楽しげ。さっぱりと引き潮の渚のようにひと気の無くなった車内は どこか寂しげにも見える。 清潔なイメージの緑の壁面に、軽金属のドア。 昭和の時代を伝えるモハネ583−79であるが、なぜかネームプレートではなく ステッカーである。プラットホームに降り立ってみると、閑散とした構内がいかにもターミナル駅である。 線路は岸壁まで続いており、かつての連絡船時代を思わせる。 ホーム先端にはまだ桟橋ゆきの階段が残っている。既にテールライトを表示したクハネ583の先端、かつての貫通路の部分には 傷、汚れ、凹みなどが多数、長い旅路を思わせる。 青森-上野735.8km、何回往復してきたのだろう。 昼夜運用が大半であったのだというが...1号車側が先頭、として回送運転の準備がなされている。跨線橋からちょっと記念写真。 休み事無く、この後も寝台を解体して臨時「はつかり」仕業にゆくのだろう、 久しぶりの晴れ舞台となる「はくつる」仕業を終え、ひと息ついた、というところか。 四半世紀を越え未だ往時の雰囲気を伝える貴重な現役車両に いつまでも走り続けてほしいと願いつつ 青森駅1番線を発車してゆく583系回送列車を見送り、さて、これからどこへ行こうか などと考えながら津軽海峡を渡る風に吹かれていた夏の朝。 もう、秋を感じさせる8月半ばであった。 -----サンプル-----

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