このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

183系
 1972年に総武本線の東京地下駅乗りいれが実現したことで、内房・外房・総武・成田の各線に特急が運転されることになった。東京〜両国間は長大トンネル区間ということで従来の基準を上回る防火対策が必要となり、保安上からATCも設置されたことから、これらの条件を満たす車両とした新製されたのが183系である。運転区間が短いので、食堂車は付かなかった。
 車両性能は485系の直流専用バージョンと位置づけられ、先頭車を貫通式としたこと(地下区間を走るため)、パンタグラフ付き車の冷房装置を集中式としたことなどは、前年度に登場した485系200番代に準じている。車体は、床面高さの違いから車体断面や窓の位置が微妙に異なり、普通車は多客期に備えて出入り口を片側2箇所とするなど、それまでの特急形電車とは若干違った印象を受ける。
 1974年には、「とき」の181系置き換え用として1000番代が登場した。豪雪地帯を走ることから、耐寒耐雪設備がより一層強化され、先頭車の前面は非貫通となった。
 内房・外房両線に走っていた183系使用の特急は、すべてE257系500番代に置き換えられ、残るは総武線系統の特急のみとなった。こちらもいずれは置き換えられる運命である。またひとつ、国鉄形の灯が消えていく。

さざなみとして運用されていたころの183系。現在はE257系500番代が担当。右がわかしおとして運用されていた183系。ちなみに左の車両は189系(たぶん)の団体列車。国鉄形の並びが偶然見られた。
京葉線からは183系は撤退しましたが、総武本線では健在。しおさい銚子行。こっちは同じ183系でも愛称表示機がLEDのもの。

185系
 東海道本線の東京口で使用されていた急行形の153系の置き換え用として1981年に登場した。153系によって運転されていた伊豆方面の急行列車(「あまぎ」など)は、185系に置き換えられて特急に格上げされた。しかし、153系によって運転されていた普通列車の運用も引き継ぐため、出入り口の幅は1mと広く、車体断面は急行形なみとして天井高さを十分にとり、窓は開閉可能、普通車の座席は転換クロスシートとするなど今までの特急車両とは異なる点が数多い。特に座席については、特急として使うにはやはり見劣りがするとして不評だった。
 車両性能は、関西地区で使用されている117系に準じており、普通列車に使用したときの加速度を確保するため、ギア比は近郊形並みの4・82とした(特急形は3.5)。このため、最高速度も110km/hとなっているが、東海道本線では線路条件から120km/hでの運転はできないので、これでも十分と言える。
 翌年には、東北・高崎・上信越線用に耐寒耐雪仕様とした200番代が登場した。当初は、上野〜大宮間の「新幹線リレー号」に使用された。現在は、特急「水上」「草津」などに使用されている。新幹線上野開業後は一部車両が田町に転属した。
 新前橋電車区の200番代は1995年から座席のリクライニング化などのリニューアルを実施して塗色を変更した。田町電車区の車両も1999年から同様のリニューアルを開始して、現在はすべての車両がリニューアルを完了している。

踊り子として運用中の185系。湘南ライナーにも入る。
こちらは200番代。水上として運用中。後ろには「草津」を連結している。長野原草津口駅に停車中の115系と185系。

189系
 183系1000番代に、碓氷峠越え用の設備を追加した車両。具体的には、横軽間専用機関車のEF63との協調運転装置を追加したもの。クハは、EF63との連結装置を持つものを500番代として区別している。協調運転が可能になたので、それまで編成が8両に限定されていたのが12両連結できるようになった。
 横川〜軽井沢間が廃止になったことで、EF63との協調運転を行う機会もなくなり、現在は183系とまったく同じように運用されている。中央線にも配置されていたが、E257系で全車置き換えられた。現在は0番代の大部分が幕張車両センターに配属され、国鉄色に戻されて活躍している。

横川駅にて。元グレードアップ車の国鉄色化車両。グレードアップされてから塗色変更されたため、特急シンボルマークはない。189系を波動用165系の置き換え車として導入、内装などのリニューアル・塗色変更をした「彩野」。
元「あさま」用の車両。ボロボロ。

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