このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

209系
 1991年に、経年により置き換え時期の迫っている103系置き換えのための次世代型通勤形電車を目指して作られたのが901系である。901系はA・B・C編成と3編成が製造され、それぞれ違った車内設備を有しており、営業運転で比較検証した後、この形式をプロトタイプとして209系が製造された。209系の製造コンセプトは、「コスト半分、寿命半分」。寿命半分というのは、一見すると無駄遣いのように思えるが、時代の移り変わりに即座に対応できるように、すぐにリサイクルできるという意味である。
 窓ガラスは熱線吸収ガラスを採用、カーテンを廃止した。座席は片持ち式を採用、仕切り棒も使って着席区分を分かりやすくした。制御装置はVVVFインバータ(GTO)を採用、モーター出力は95kwと小さいが、過負荷使用を前提としているので、実質的には120kwと同様と考えられる。MT比は4:6と経済的。
 1993年に量産車が登場して以降、京浜東北線に投入されたのを初めとして、数多くの路線に投入され、E231系などの改良型を含めて一大ファミリーを形成している。

西日暮里駅に進入する209系。京浜東北線用の209系500番代。習志野区から転属してきたもの。デジタルATC改造中に編成が足りなくなるので、予備車的存在として転属してきた。
900番代。元901系A編成です。前面にシールがないように、実際6扉車は連結していません。900番代、ドア上。LEDの案内表示機がありません。
中央・総武緩行線の500番代。途中でE231系が登場したため、17編成で登場した。千代田線・常磐緩行線の209系1000番代。
このほかにも、南武線に0番代、八高線に3000番代・3100番代が在籍します。

E231系 通勤タイプ
 JR東日本の今後の標準型となる車両。平成の103系とも呼ばれる。情報技術の大幅な導入により、制御システムを一新した車両である。また、通勤形・近郊形という区分を取り払って設計された車両でもある。
 システム的には、TIMSを採用している点が特筆できる。TIMS(Train Information Management System)は、従来の車両情報制御装置が持っていた各機器からの情報収集・伝送・表示という情報処理機能から飛躍し、機能の統合集約、編成の一括管理制御などを実現した管理装置で、この装置のおかげで各種の機能向上を図るとともに、引き通し線・車両内配線の大幅削減が可能になっている。
  まず、量産先行車の209系950番代(後にE231系900番代に編入)を1999年に製造して、中央・総武緩行線で試験を開始した。そのちょうど1年後、量産車が中央・総武緩行線に投入された。近郊形は、その3ヵ月後(2000年6月)に宇都宮線から活躍を開始した。
 編成は、中央・総武緩行線や常磐快速線、東西線直通車(800番代)は、10両編成でオールロングシート。中央・総武緩行線は、5号車が6扉車になっている。山手線の車両(500番代)は、11両編成でオールロングシート、さらに7号車と10号車が6扉車となっている。
 車内の案内装置は、中央・総武緩行線用と800番代が209系と同様のもの、常磐快速線用のものが2段式で運行情報の表示が可能なタイプ、500番代がLCDの画面が2個、というようになっている。
 今後とも続々増備される車両であろう。また、この車両の姉妹車として、相鉄に10000系、東急に5000系グループなどが登場している。

常磐快速線用のE231系。黄緑のラインは、209系1000番代との誤乗を防ぐため急遽入れられた。山手線用のE231系500番代。顔立ちがずいぶん異なっている。
中央・総武緩行線用E231系の基本。最初にここから投入された。
800番代東京メトロ東西線乗り入れ用の301系・103系1200番代を置き換えるべく製造された車両。地下鉄内の車両制限から、裾絞りはない。

E501系
 常磐線用の交直流通勤電車。209系をベースとしている。
 常磐線は、取手〜藤代間にデッドセクションがあり、交流と直流が分かれている。そのため、以南と以北で車両の運用が完全に分かれており、以北には3扉の415系が直通していた。しかし、土浦までは、沿線の宅地化などで混雑が激しく、3扉の415系では混雑が解消できないということで、4扉の車両を投入することになった。1995年に最初の編成が登場した。ただ、阪神大震災の影響で納期は若干遅れた。
 車体は、外観・内装ともに209系とほぼ同一。使用区間を上野〜土浦間に限定しているため、便所は付いていない。台車は、交流機器の搭載によって重量が増加したので車軸を変更したが、そのほかは特に異なる点はない。近郊区間を走るため、モーター出力は120kWアップ、ギア比も6.06と小さめにして120km/hでの運転に備えている。制御装置は、ドイツ・シーメンス社の、いわゆる「ドレミファインバータ」を採用している。また、従来は運転士が手動で操作していた交直切換えも、自動切換え式に代わった。
 番代区分としては、クハE501とクハE500に自動解結装置を持たない1000番代があり、1号車と15号車に連結されている。

馬橋駅を通過するE501系。上野駅停車中。

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