【書の探求者・・良寛】
良寛の人間像はその作品−詩・歌・書を通して味わうことができると云われている。
とりわけ書は芸術的にも優れていると言われ、王義之や小野道風の書を手本に自分
自身の書を深く追求したといわれている。
自由無礙闊達な書風を求める人々が多かったが、
良寛は人のために字を書くことを好まなかった。
尋常の手段で入手することができなかった大人たちは、
しばしば子供たちに手まりやおはじき用の貝殻を持たせて贈ったりして、揮毫させたという。
「天上大風」も良寛が越後五合庵時代に托鉢に出たとき、一童子が半紙を差し出し「凧を作って飛ばしたい」と云って、良寛に書かせたものと云われている。