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'08.7.6(日)  第19回 設楽原決戦場まつり

以上 <゛‾^‾)

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設楽原で行なわれた決戦場まつりを見に行ってきました。
「設楽原」は「武田騎馬軍vs織田鉄砲隊」の決戦が行なわれた地・・・
らしいです。「長篠の戦い」と教わりましたが、違いがよく分かりません。
この辺りを「長篠」だとか「設楽原」だとかいうらしいです。
●慰霊祭
まずは戦死者を供養する儀式から。
※ この写真だけだと関係者は みんな甲冑姿みたいに見えますが、
ほとんどの人は礼服やスーツでした。
この人たちは、のちほど火縄銃展示する「長篠設楽原鉄砲隊」や
「愛知県古銃研究会」のかたたちです。
ここでの見所は「礼砲」
射手ふたりで1発ずつ撃ちました。
銃身に火薬(発射薬)を入れ、棒で押し固める。

 (ホントはここで弾丸も込めますが、今回は空砲なので
  火薬だけ。以下同様です。)
火蓋を開け、火皿に点火用の火薬を乗せる。
構えて・・・
はなてぃ! ダンっ!
驚くほど大きな音ではありませんでした。
手元の火花は、火皿に乗せた点火薬が 火のついた縄で爆発したもの。
銃口から吹き出しているのは、点火薬を火種にして爆発した発射薬の
燃焼炎です。

どちらも火薬が燃えた炎ですので、一瞬のものです。
それが一枚の写真に納まってるということは・・・
トリガーを引いて 点火薬に点火してから弾丸が発射されるまで、
ほとんどタイムラグ(時間的遅延)が無い・・・ということがわかります。

(ちなみにシャッタースピードは 1/160秒です。)
これにて この慰霊祭での私の目的も甲冑さんの役目も終了。
で、甲冑さんたちが、自陣に戻る姿を狙ってみました。
●演技展示
会場は馬防柵が再現された場所です。
丘と田んぼの間に 長さ50〜100メートルくらい?で馬防柵が再現されてました。
今回のお祭り用というわけではなく、常設のものみたいです。
(いっぱい刺さってる のぼりは、お祭り用のものみたいです。)
●のろし
山の中腹で「のろし」が上がり、決戦演技が始まりました。
(火事じゃないです)
鉄砲隊入場
●和太鼓、和笛
戦い前の和太鼓、戦い後の和笛みたいな 両極端なものでしたが、
どちらも ここの雰囲気に似合ってました。
(柵越しで見にくい。。。)
●鉄砲隊 演技
途中いろいろありましたが、ようやくメインイベント。
鉄砲隊 前へ。
前段(柵の前)に8人、後段(柵の後ろ)に12人、計20人の編成でした。
まずは全員で礼砲。
黒色火薬 特有の、大量の煙が発生してます。
( この煙をきらい「無煙火薬」なるものが開発されました。 )
その後 前段8人で立射や片膝射撃など、いろいろ取り混ぜて射撃しました。
次は後段の12人。
3人一組x四組=計12人で、有名な「三段速射」の検証を行ないました。
本物の火縄銃とレプリカの甲冑姿で所要時間を計測し、有効性などを
検証する資料とするそうです。

どちらかというとgami的には、資料うんぬんや有効性・歴史的検証などには
あまり興味はなく、ただただ 銃が連続して発射されるさまが見れるだけで
満足なのでした。。。
点火薬に点火した瞬間。
(人ごとながら)火縄銃は、射手の目も危ないですね。
陸自は撃つタイミングがつかみづらいですが、火縄銃はわかりやすかったです。
銃を構えて「はなてぃっ!」の号令ののち すぐに発砲しました。
しかも、ほとんどこれだけを目当てに撮りに来たので、カメラの
メモリー残量を気にすることなくひたすら連写しました。
一人5発、計60発撃って終了。
写真データでの記録では、約7分でした。
最後の礼砲で演技終了です。
紅一点のおねえ(?)さんも お帰り。
●プチ質問会
お帰りになる方をつかまえて、プチ質問会が行なわれてたので
便乗させてもらいました。
(熱心に質問してたのは中年の・・・あまり銃に詳しくはないけど興味はある
おじさん1人。あとは 付き添ってるだけと思われる、その家族3人ほど。)

銃を持たせてもらったり、いろいろ教えてもらいました。
撮影のため左手だけで銃を持ってます。
前を射手のかたに支えてもらってます。
<持った感想 >
◆ライフリングはなく、ただの筒。
◆銃身は八角形の「オクタゴンバレル」。
◆トリガーは現代銃のような三日月型ではなく、大豆ほどの大きさの
 丸いもの。
 (恐れ多くて)トリガーには触ってないので、トリガープルは不明。
 トリガーガードは付いていた。

◆フレーム部からゆるやかに曲がっているだけのグリップだが、
 持ってみると不思議とシックリきて違和感なかった。
 太さがちょうど握りやすい。
◆フレーム表面はなめらかだったが、すべらなかった。
 年代物のためか、滑り止めが塗ってあったのか。。。
◆当然ながら かなりフロントヘヴィ。発砲時の跳ね上がり抑止には
 効果ありそう。

◆ストックと呼べる部位はない。グリップの延長上に頬をあてる。
◆構えてみると、点火薬を乗せる火皿の近さが気になる。
 この近さで火薬が爆発することを想像すると怖い。
 火花と大量の煙のせいで、撃った弾丸を見失うかも。
◆右側に火縄と火皿があるので、右利き用。左で撃てないことはないが危険。
◆オープンサイトは付いていた。
これらの感想は「今回持たせてもらった銃」についてです。
火縄銃が活躍した歴史は非常に長いので、時代や製造場所によって
さまざまな種類があるとのことです。
このおじさんが、流暢に
いろいろ教えてくれました。
<教えてもらったこと>
◆(上記とダブるが) 製造された時代や産地により銃の形状が異なる。
 地方それぞれの特色がある。
◆縄:じわじわと燃えるので、火種にはこれが最適。
 ※gami注:アルコールランプと同じか?
◆弾丸を押し込める棒は、片側は押し込め用、もう片方は布が巻いてあって
 銃身内の清掃用。
◆発射薬が多すぎると点火薬の受け皿とかが壊れる。銃身は丈夫いらしい。
◆1発づつ計量された発射薬と弾丸が、この筒(早合)に入ってる。
 これを銃口に押し当てて、フタごと棒で突き入れる。
 キャップを取ってサラサラと・・・かと思ったら そうではなく、
 フタごと入れるらしい。
 ※gami注:今で言うリボルバーのスピードローダーみたいなものかな。
  たぶんフタは発射薬の爆発で、跡形もなく燃えつきるのかと。
◆腰のケースには、このローダーが無造作にザラザラと入っていた。
 空になったものと区別つくのだろうか?

◆射手には「ひとり20発」とか支給数が決められてて、撃ちつくしたら
 頭(かしら)のところまで取りに行ってたらしい。
 ※gami注:戦時における残数管理のためか。弾丸は無限にあるわけではない。
  撃ちつくしてなお敵が迫ってきたら白兵戦となる。
  1発でも多く当てれば、それだけ自分の身を危険にさらさなくてよくなる。
  射手の緊張度を高めるための心理的な弾数制限か。
◆弾丸がなくなったら、その辺の石とかを込めて撃つこともあったとか。
 ※gami注:もちろん この銃だからできること。撃った衝撃で粉々になるかも
  しれないが、近距離なら散弾銃としての効果があるかも。
◆射程は200mとか500mとか、もっと飛ぶものもある。
 ※gami注:射程と命中精度は、銃身の長さや 銃身と弾丸の製造精度で決まる。

◆衝撃は、そこそこあるが耐えられなくはない・・・と、まぁ〜はっきりしない
 お答えでしたが、説明しにくいでしょうね。
 ※gami注:発射薬の爆発点よりも低い位置にグリップがあり、ストックもないので、
  しっかり支えてないと銃口は撃った衝撃で上に跳ね上がると思われる。
◆銃を試すために、たまに2倍の量の発射薬で撃つことがあるらしい。
 ※gami注:たぶん強度寿命を診るためだと思われる。
  2倍の火薬量の爆発に耐えられれば、まだ充分な強度を持っているとか。
  ちょっと乱暴か?
◆今回のはすべて空砲。本当に発射薬だけ込めてたとのこと。
 弾の代わりにティッシュとかでフタをして撃つと 射撃音が良くなるらしいが、
 細かい破片がゴミとなるのでマナーとして そういうことはしない・・・とのこと。
 ※gami注:特に今回は路上などとは違い、清掃にはやっかいな場所。このような場所を
  汚してまで、射撃音を求めるつもりはない。
◆威力検証射撃
 以前はダミーのヨロイなどを撃って 火縄銃の威力試射を行なっていたが、弾痕が痛々しい
 とのことで今では行なっていないとのこと。
◆購入・所持:殺傷能力があるので、当然 簡単には所持できない。
 定期的に心身の検査があるらしい。
 ※gami注:今回のお祭りに警察も見張りに来てた。「事故が起きないように」というよりも、
  どちらかと言えば「銃が盗難・強奪されないように」だと思う。
  この銃さえあれば、火薬は花火のものを流用。弾は市販の鉛玉やクギなど 銃口に入って
  射撃時の衝撃に耐えうるものならなんでも代用可能。
  現代の一般的な銃は専用に作られた弾しか撃つことができないので、銃だけを持っていても
  使いものにはならない。この銃は構造が簡単なだけに、現代の銃よりも危険だといえる。
  古めかしい銃だからといって、あなどることなかれ。
 ※gami注:後日 弊社にいる「ホンモノの火縄銃を持っている人」から聞いた話しでは、
  銃よりも火薬のほうが買うのが大変だとか。上記の花火の火薬の話しは、あくまでも
  通常ルートで買うことができない人についてのこと。
まだまだいっぱい話しをお聞きしたかったんですが、おつかれでしょうし
あまり引き止めても恐縮なので、キリのいいところでプチ質問会は終了。

火縄銃を見るだけなら博物館などの展示品を見ることができますが、
実際に所有してて射撃してらっしゃる方のナマの話しを聞くことなんて
滅多にできません。
貴重なお時間、ありがとうございました。
●撤収
気付けば まわりは誰もいなく、片付けもほぼ終わってました。

  時計を見ると13時2分。
  飯田線 三河東郷駅発 13時12分・・・あと10分っ!
  その次は・・・14時16分っ!!! おそるべし飯田線。

1時間待つよりかは・・・と思って走ったんですが結局 間に合いませんでした。
なにもない駅の周辺で1時間待ち。
さらに、行きは新幹線を使いましたが、帰りは急ぐ必要はないので在来線で帰宅。
ということで このたっぷりの時間、撮った写真を見ながらツラツラと戦(いくさ)について
考えてました。
< 個人的意見(というか妄想) >
◆馬防柵
字のごとく「馬を防ぐ柵」ですが・・・
もしかしたら馬防柵には「重い銃を乗せるための台」としての役割もあったのでは
ないでしょうか?
1発2発なら台を必要とする重さではありませんでしたが、「少し下がって弾を込め
前に出て撃つ」を何回も繰り返せば疲れてきます。そんな状態では安定して狙いを
定めれなくなり、命中精度も下がります。
この柵には、銃の重さを支える役目もあったのかも。

あともう1つ。精神的なこともあるかもしれません。
銃で的を撃つ場合、意識が的に集中するため 視野が極端に狭くなります。そのためか
自分の前に壁なり柱なりがあると、ちょっと落ち着きます。
また、立った状態で撃つ場合、なにかしらガイドがあったほうが姿勢が安定します。
そういった精神的な安定・・・については考えすぎ?
◆三段速射
今回実演されたような「3人一組となって順番に射撃」というのは、事実がどうだったかは
わかりませんが、個人的には賛成できません。

射撃にはそれなりのスキルや天性のようなものが必要だと思います。
たとえば90人の射手を育てて 30組編成するよりも、見込みのある45人を高レベルに
育てて横一列に並べ、その後ろに弾込め役を1人つけたほうが効率的だと思います。
弾込め役は 普通では戦力外の・・・たとえば怪我人や子供でもできます。

  2丁の銃を斜めに立てかけれる台を作り、射手の斜め後ろに置いておく。
  射手は撃ち終わった銃を台に立てかる。
  弾込め役は撃ち終わった銃に、火薬と弾を込める。
  射手は弾込め済みの銃(隣に立てかけてある銃)を取り 火皿に点火薬を乗せ、
  火縄をセットして射撃。弾込め済みの銃と交換。
このサイクルだと・・・

 ・誰も移動しなくてすむ。
 ・必要な兵員と銃の数は変わらない。
 ・射手は射撃にだけ集中できる。
 ・射手は常に戦場を見て、流れを把握することができる。いったん後ろに下がって
  弾込めをし 再度最前線に立つとなると、その都度ターゲットを決めなければならず、
  タイムロスが生じる。また優先順位を見誤る可能性がある。
いろいろと利点があると思うんですけど・・・

  「信長さま。この案、いかがでございましょうか m(_ _)m 」


(まぁ〜こんなことは、私が知らないだけで すでに誰かが考えてるんでしょうね。。。)
<おまけ>
写真を白黒にして、少しノイズを加えてみました。
●火縄銃
 今回 火縄銃を間近で見て、改めて「火縄銃は銃の原点」ということを教わりました。
 「筒」「弾丸」「点火薬」「発射薬」
 この構成は今の最新の銃でも変わってません。簡単にタマを込めれるようになったり、
 自動で連射ができるようになりましたが、仕組みは同じ。
 説明しだすと銃の講義みたいになっちゃうので やめますが、それだけよくできた仕組み
 ということでしょうね。

●先込め銃
 弾丸を銃口側から込める銃を「先込め銃」と呼びます。今回の火縄銃がそうですが、
 先日買った「ニューモデルアーミー(エアガン)」も薬莢が開発される前の時代の
 先込め銃です。
 これら初期の銃に触れることで、私の中の銃の世界観が広がったように思います。
 銃の世界も奥が深い。。。。

●軍事関連イベント
 今回のイベントも自衛隊などと同じ「軍関連のイベント」と言えますが、ちょっと違う面も
 あります。それは「実際に戦場となった場所で、その様子を模す」ということ。
 火縄銃でテンションが上がりつつも、もしかしたら今 立っているここで 誰かが
 力尽きたかも・・・と思うと、なんだか複雑な気持ちになりました。

●軍事関連イベント(2)
 自衛隊の基地祭とは違う もうひとつの面は、言うまでもなく「時代」。
 このような時代モノのイベントに参加したのは、今回初めてでした。むかしから・・・
 それこそ小学校で歴史を勉強して以来、興味はありましたが なかなか機会がありません
 でした。
 名古屋で行なわれる大名行列やガキのお遊戯なんかには興味ありませんが、今回のような
 イベントであれば行ってみたいです。

●xxx
 翌日はすっごく肩が痛かったです。
   ・・・・・・(ーー;)
 誰かが肩に乗ってる?・・・なんてことは ないですよね。
 重いカメラを背負って走ったせいですよね・・・
<総括>

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