このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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以上 <゛‾^‾)
今回は社会科見学シリーズです。
岐阜県にある「核融合科学研究所」を見学してきました。
ここでは 官・民・学 共同で、核融合発電の実現に向けての学術研究を
行なってるそうです。
※いろいろと調べましたが むずかしいです。間違いとかあったら
ごめんなさい。
※参考資料:いただいたパンフレット
「核融合科学研究所パンフレット(2010版)」
「未来をつくるエネルギー 核融合」
ということで、まずは概要から。(あってるのか不安ですけど・・・)
●原子
原子は、「原子核」とその周りを回る「電子」で構成。
さらに原子核は、「陽子」と「中性子」で構成。
「陽子」と「中性子」の数により物質の性質が異なる(酸素原子、鉄原子など)。
数が増えるほど重い原子になる。
●原子の力
原子力利用技術には大きく分けて2種類ある。
<核分裂>
重い原子の原子核が「分裂」して、別の物質になる際にエネルギーが発生。
核分裂が発生すると連鎖的に反応が起き続ける。
原子力発電や原子爆弾。
<核融合>
軽い原子の原子核同士がぶつかり「融合」して、別の物質になる際に
エネルギーが発生。燃料となる物質を外部から供給し続けないと反応が止る。
核融合が起こるには「高温」かつ「高密度の原子核」が必要。
水素爆弾。
●プラズマ
プラズマは物質の第4の形体。固体→液体→気体 で、さらに加熱していくと
原子核と電子がバラバラになった「プラズマ」状態になる。
原子核がむき出しとなり原子核同士がぶつかりやすい この状態にして、
核融合を発生させる。
●核融合炉
プラズマ状態を作りだし ある空間に閉じ込め、核融合反応をさせる装置。
●核融合発電
核融合反応により発生した中性子が、炉内の冷却材を加熱する。
加熱された冷却剤を炉外へ引き出し、発電用の水を蒸発させる。
水蒸気で蒸気タービンを回して、発電する。
●利点
燃料となる重水素や三重水素の原料は、海水に含まれているので入手性が良い。
暴走の危険性が少ない。
高レベル放射性廃棄物が出ない(低レベルは出るが高レベルに比べれば
取り扱いがラク)。
●研究課題
高温で高密度なプラズマを、長時間 安定して運転できるようにする。
なお、もちろんここでは「軍事的利用につながる研究は行なっていない」
とのことです。
●予算
年間 約110億円 とのこと。
実際に装置を動かす実験は予算の都合上、1年のうち3〜4ヶ月とのこと。
そのほうが短期間で効率的に時間を使おうとするので、なにかといぃのかも。
それ以外の期間で、実験結果の考察やシミュレーション、次回の準備などを
しているようです。
仕分けの対象には ならなかったらしいです。
では、施設見学を・・・
この時の見学希望者は私だけだったようで、担当者さんとマンツーマンで
解説していただきました。
●制御室
ここは装置を遠隔で操作する制御室。
見学した日は実験は行なわれておらず、入室させてもらいました。
もぉ ディスプレイだらけの部屋。実験がなかったので人が少なく閑散としており、
よけいディスプレイが目立ってました。
実験中は、騒然&緊張な部屋になるんでしょうね・・・
制御室前の廊下には、実験回数 100,000ショットを数えた時の
記念写真がありました。
左下には その時のデータを印刷した用紙があり、研究者さんたちの
サインが入ってました。こういう記念データ わかるなぁ〜(^_^.)
●模型
これはプラズマ実験装置の1/20模型。実物は直径約8メートル。
装置の形はドーナッツ状になってて、中心部にプラズマがあります。
プラズマの周辺を らせん状に超伝導コイルを巻いて、磁力線でプラズマを
閉じ込めるそうです(=ヘリカル方式)。
●大型ヘリカル装置(LHD)
これがプラズマ実験装置「大型ヘリカル装置」です。ですが・・・
模型のような円形の本体はほとんど見えません。
本体は、加熱装置や真空排気装置、計測器類に取り囲まれてました。
見てて飽きない機能美
上から見下ろすくらいかと思いきや、
すぐ近くをぐるりと一周できました。
この辺りは、装置を真空にする関係の機器類
装置にはメーカー名も掲げてありました。これだけのものを
形にしてるんですから、胸を張ってもいいと思いますよ。
出入り口のちょうど反対側
パイプやらコードやら手すりやらが、ゴチャゴチャのような整然なような・・・
ほとんどステンレス製でコストかかってるとか。
この部屋の壁は厚さ2メートルのコンクリートとのこと。これで中性子を
さえぎることができるらしいです。
で、これは大きな扉の写真です。写真 右半分の暗めな白い部分が、すべて扉。
世界一重い 720トンもある扉で、ギネス認定されてる一品でした。
核融合炉の隣の部屋は・・・まるで大学の研究室状態。
計測器やらコードやらファイルやら (^_^.)
まぁ ここは通路代わりで、次の部屋へ。
●過去に使っていた装置など
過去 使っていたものなどが保管展示されていました。
これは実験装置の一部を実寸サイズで造ってみた試作品。
ねじれてる複雑な形をしてました。
中心部にプラズマを発生させ、らせん状のコイルで閉じ込める というもの。
内部は1億度、コイルはマイナス270度という世界が隣り合ってるそうです。
コンピュータを使い3Dグリグリで図面を作れるようになって、このような
複雑な形状のものも造りやすくなったでしょうね。
これは実験初期のモデル
装置運転期間は1976年〜1982年。名古屋大学で
使われていたもの らしいです。
研究室レベルな感じを醸し出してました。
ポロイダルコイル
装置の上下からサンドイッチして、プラズマをギュッと閉じ込めておくコイル。
小さいほうは、神奈川で製作され海路&陸路でここまで運び、特に陸路は
大変だったらしいです。
大きいほうは、運べないのでココで造られたとのこと。
<総括>
●核融合
なんとなく漠然としていた核融合について、学ぶきっかけとなりました。
石油は 残量うんぬんよりも中東諸国の情勢に左右される資源ですし、
化石燃料に頼らない 日本の自力発電は重要な課題ですね。
それにしても、こんな山中に こんな技術の塊 があったとは思いませんでした。
●研究内容
繰り返しになりますが、ここでは「軍事的利用につながる研究は行なっていない」
とのことです。
●レポート
チンプンカンプンではないものの専門性の高い分野なので、本レポートの
文章作成は なかなか大変でした。
写真だけ並べてさらりとだと「何を見てきたんだ?」ってなりますし、
書くからには見当違いなことは書きたくありませんし、専門用語だらけで
ハテナな内容にもしたくなかったですし・・・
見学中に聞いた話しやパンフ・ネットを基に、自分なりに消化して書いたのですが、
間違いとかあったら ごめんなさい。
マンツーマンで案内・解説していただき、ありがとうございました。
実用化に向けて、安全第一で頑張って下さい。
2011/3/7 加筆修正
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