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2011年3月3日(木)   核融合科学研究所

以上 <゛‾^‾)

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今回は社会科見学シリーズです。
岐阜県にある「核融合科学研究所」を見学してきました。

ここでは 官・民・学 共同で、核融合発電の実現に向けての学術研究を
行なってるそうです。


※いろいろと調べましたが むずかしいです。間違いとかあったら
 ごめんなさい。

※参考資料:いただいたパンフレット
   「核融合科学研究所パンフレット(2010版)」
   「未来をつくるエネルギー 核融合」
ということで、まずは概要から。(あってるのか不安ですけど・・・)
●原子
 原子は、「原子核」とその周りを回る「電子」で構成。
 さらに原子核は、「陽子」と「中性子」で構成。
 「陽子」と「中性子」の数により物質の性質が異なる(酸素原子、鉄原子など)。
 数が増えるほど重い原子になる。


●原子の力
 原子力利用技術には大きく分けて2種類ある。

 <核分裂>
  重い原子の原子核が「分裂」して、別の物質になる際にエネルギーが発生。
  核分裂が発生すると連鎖的に反応が起き続ける。
  原子力発電や原子爆弾。

 <核融合>
  軽い原子の原子核同士がぶつかり「融合」して、別の物質になる際に
  エネルギーが発生。燃料となる物質を外部から供給し続けないと反応が止る。
  核融合が起こるには「高温」かつ「高密度の原子核」が必要。
  水素爆弾。


●プラズマ
 プラズマは物質の第4の形体。固体→液体→気体 で、さらに加熱していくと
 原子核と電子がバラバラになった「プラズマ」状態になる。
 原子核がむき出しとなり原子核同士がぶつかりやすい この状態にして、
 核融合を発生させる。


●核融合炉
 プラズマ状態を作りだし ある空間に閉じ込め、核融合反応をさせる装置。


●核融合発電
 核融合反応により発生した中性子が、炉内の冷却材を加熱する。
 加熱された冷却剤を炉外へ引き出し、発電用の水を蒸発させる。
 水蒸気で蒸気タービンを回して、発電する。


●利点
 燃料となる重水素や三重水素の原料は、海水に含まれているので入手性が良い。
 暴走の危険性が少ない。
 高レベル放射性廃棄物が出ない(低レベルは出るが高レベルに比べれば
 取り扱いがラク)。


●研究課題
 高温で高密度なプラズマを、長時間 安定して運転できるようにする。

 なお、もちろんここでは「軍事的利用につながる研究は行なっていない
 とのことです。


●予算
 年間 約110億円 とのこと。
 実際に装置を動かす実験は予算の都合上、1年のうち3〜4ヶ月とのこと。
 そのほうが短期間で効率的に時間を使おうとするので、なにかといぃのかも。
 それ以外の期間で、実験結果の考察やシミュレーション、次回の準備などを
 しているようです。

 仕分けの対象には ならなかったらしいです。
では、施設見学を・・・
この時の見学希望者は私だけだったようで、担当者さんとマンツーマンで
解説していただきました。
●制御室
ここは装置を遠隔で操作する制御室。

見学した日は実験は行なわれておらず、入室させてもらいました。
もぉ ディスプレイだらけの部屋。実験がなかったので人が少なく閑散としており、
よけいディスプレイが目立ってました。
実験中は、騒然&緊張な部屋になるんでしょうね・・・
制御室前の廊下には、実験回数 100,000ショットを数えた時の
記念写真がありました。
左下には その時のデータを印刷した用紙があり、研究者さんたちの
サインが入ってました。こういう記念データ わかるなぁ〜(^_^.)
●模型
これはプラズマ実験装置の1/20模型。実物は直径約8メートル。

装置の形はドーナッツ状になってて、中心部にプラズマがあります。
プラズマの周辺を らせん状に超伝導コイルを巻いて、磁力線でプラズマを
閉じ込めるそうです(=ヘリカル方式)。
●大型ヘリカル装置(LHD)
これがプラズマ実験装置「大型ヘリカル装置」です。ですが・・・
模型のような円形の本体はほとんど見えません。

本体は、加熱装置や真空排気装置、計測器類に取り囲まれてました。
見てて飽きない機能美
上から見下ろすくらいかと思いきや、
すぐ近くをぐるりと一周できました。
この辺りは、装置を真空にする関係の機器類
装置にはメーカー名も掲げてありました。これだけのものを
形にしてるんですから、胸を張ってもいいと思いますよ。
出入り口のちょうど反対側
パイプやらコードやら手すりやらが、ゴチャゴチャのような整然なような・・・
ほとんどステンレス製でコストかかってるとか。
この部屋の壁は厚さ2メートルのコンクリートとのこと。これで中性子を
さえぎることができるらしいです。
で、これは大きな扉の写真です。写真 右半分の暗めな白い部分が、すべて扉。
世界一重い 720トンもある扉で、ギネス認定されてる一品でした。
核融合炉の隣の部屋は・・・まるで大学の研究室状態。
計測器やらコードやらファイルやら (^_^.)
まぁ ここは通路代わりで、次の部屋へ。
●過去に使っていた装置など
過去 使っていたものなどが保管展示されていました。
これは実験装置の一部を実寸サイズで造ってみた試作品。
ねじれてる複雑な形をしてました。
中心部にプラズマを発生させ、らせん状のコイルで閉じ込める というもの。
内部は1億度、コイルはマイナス270度という世界が隣り合ってるそうです。

コンピュータを使い3Dグリグリで図面を作れるようになって、このような
複雑な形状のものも造りやすくなったでしょうね。
これは実験初期のモデル

装置運転期間は1976年〜1982年。名古屋大学で
使われていたもの らしいです。
研究室レベルな感じを醸し出してました。
ポロイダルコイル

装置の上下からサンドイッチして、プラズマをギュッと閉じ込めておくコイル。
小さいほうは、神奈川で製作され海路&陸路でここまで運び、特に陸路は
大変だったらしいです。
大きいほうは、運べないのでココで造られたとのこと。
<総括>
●核融合
 なんとなく漠然としていた核融合について、学ぶきっかけとなりました。
 石油は 残量うんぬんよりも中東諸国の情勢に左右される資源ですし、
 化石燃料に頼らない 日本の自力発電は重要な課題ですね。

 それにしても、こんな山中に こんな技術の塊 があったとは思いませんでした。


●研究内容
 繰り返しになりますが、ここでは「軍事的利用につながる研究は行なっていない」
 とのことです。


●レポート
 チンプンカンプンではないものの専門性の高い分野なので、本レポートの
 文章作成は なかなか大変でした。
 写真だけ並べてさらりとだと「何を見てきたんだ?」ってなりますし、
 書くからには見当違いなことは書きたくありませんし、専門用語だらけで
 ハテナな内容にもしたくなかったですし・・・
 見学中に聞いた話しやパンフ・ネットを基に、自分なりに消化して書いたのですが、
 間違いとかあったら ごめんなさい。


マンツーマンで案内・解説していただき、ありがとうございました。
実用化に向けて、安全第一で頑張って下さい。
2011/3/7 加筆修正

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