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2014年11月29日(土)   宇佐市平和資料館

以上 <゛‾^‾)

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電車とバスを乗り継ぎ、大分県宇佐市にある宇佐市平和資料館に
行ってきました。

大戦中 宇佐市には海軍航空基地があり、今でもその名残りが
残っているそうです。
この資料館は命の尊さや平和の大切さを学ぶ場として、
2013年6月に開館しました。
目玉はこの 映画「永遠の0」の撮影用として造られた
零式戦です。

まぁ要はレプリカですけど、よく造られており見所も
多くありました。
この機体は21型とのことですが、翼端折りたたみ機構は
再現されていませんでした。
垂直尾翼の番号は「721-61」。
これは実際に宇佐にも所属していた
第721海軍航空隊の部隊番号らしいです。
コックピット左側。

パイロットはこちら側から乗り込みます。
コックピットへ上がるための足かけや取っ手が、
引き出された状態で展示されていました。

写真 右上、日の丸のフチに取っ手。
写真 中央下、翼付け根に足かけ。
コックピット下、胴体中央付近に足かけ。

この状態で展示してあるのは珍しいですね。
後ろからのシルエットも
まごうことなき零式戦。
意外と大きい水平尾翼。

リベット表現や塗装のはがし具合がうまく、
機体内部の桁がちゃんとわかりますね。
機体右側にはステップが設けられていました。
そのステップから機体後部を。

違和感のないキレイな曲線美でした。
機体前部。

風防は透明ではなく、軽く磨りガラスっぽく
仕上げてありました。
実物は開発されたばっかりのアクリル素材が
使用されていたそうですが、どれくらいの
透明度だったんですかね。

もしこれくらいの透明度だったのでしたら、
この窓越しに雲間の敵機を見つけるとか
かなりむずかしそう・・・
右主翼付け根。
こちら側は主に整備員が上り、パイロットが搭乗する
手伝いなどしていたようです。

なので・・・ちょっと塗装 はがしすぎじゃ
ないですかね・・・
コックピット。
ステップの場所的に内部左側しか見ることが
できませんが・・・
過不足無く、かなり精巧に造られていました。

ただ・・・外の塗装はがれ具合からいくと
ちょっとキレイすぎる気もしますが・・・
カウリングと胴体前縁の合わせ目がピッタリすぎて
ちょっと違和感ありますね。

でもまぁ〜この部分が21型と52型で大きく違う
箇所ですから、映画的には誇張しますよね。
重要なシーンでしたし。。。
スピナーは丸くて小さい三菱仕様のものでした。

カウリング中央部、上下連結パーツのある部分は
「ちゃんと」塗装はがれが念入りにされていました。
カウリング前面のアップ。

塗装はがれは本当に表面の塗装をはがして表現していました。
さらに銀光沢の部分と、こすれて緑が薄くなった感じの部分と
サビっぽく変色した風な部分など・・・細かく分けて着色して
ありました。

発動機もダミーとはいえ、配線やフィンがありそれっぽく
見えました。

リベット表現も ご覧の通り。
右主翼 前縁。
機銃の発射口だけはハデに汚し表現がされていました。

主脚の付け根は、この機体を支える重要な場所です。
強度の関係か本物よりゴツく感じました。
機体下面。

翼下面や増槽など、明灰白色には塗装はがれ表現が
ありませんでした。
はがしても画面上で目立たないから、省略したんですかね?

増槽付き零式戦の展示というのも、あまり無く珍しいです。
現用機のタンクも似たような形状ですが、なんでもっと
機体にベッタリくっつけたコンフォーマルな形に
しなかったんでしょうか・・・? 他機種と流用?
機体後部 右側。

ちょっと残念だったのは、この記号欄。上から・・・
 「型式」「零式艦上戦闘機二一型」
 「製造番号」「中島第   号」 (※番号 空欄)
 「製造年月日」「   」 (※空欄)
 「所属」「   」(※空欄)

  (戦、号、属 は旧字体)

ひっかかったのは「中島」。
中島もこの21型をライセンス生産していたようなので、
中島製ということで不思議はありません。
でもスピナーは三菱仕様のもの。中島仕様のは もっと
長細い円錐形をしています。

ん〜〜〜・・・前線で中島スピナーを破損したので、
三菱スピナーに付け替えた。。。ということに
しておきますか?
機体側面の日の丸アップ。

よく見ると筆ムラがありました。
この機体にはムラなくキレイに書かれたものより、
こういう演出のほうが似合いますよね。

前線で「白フチは目立つ、塗りつぶせっ」って言われて
整備員が急きょ塗った。。。とかそんな妄想しちゃいます。
館内の一角には撮影に使用された、大道具・小道具が
展示してありました。
注目はこのコックピット部の模型。
俳優の表情や機体内部の様子を撮るために
使われたそうです。
座席後部には撮影時に付いた血糊が
そのまま残されていました。

このコックピットには座ることができました。
コックピットからの雰囲気、伝わりますかね。
このコックピットがどのくらいの再現度なのか
わかりませんが、座った感想です。

・右側は車の運転席の感じと ほぼ同じ。
・左側も手を自然と下ろした位置にレバーがあり
 車の運転席と似た感じ。
・一見座りにくそうなイスが、意外としっくり。
 後ろがやや下がっていたためか、逆に立ち上がりにくかった。
・イス前縁の出っぱりがヒザ裏に当たることはなく、
 違和感なかった。
・風防はフレームが多いものの、真横はそれほど気にならず。
・後ろを振り向くと、5時7時方向までは見えるが
 フレームが気になる。6時方向は見えるが のぞき込む感じ。


座った時、正面に何もないのが ちょっとさみしいですかね。
例えば・・・
扉を付けて「なんちゃって計器板」が描かれている とか、
床に翼の絵が描かれている とか・・・
工夫次第でもう少しコックピット感を味わえそうな
代物でした。

なんとなくな感じはわかりました。
こういうのもありがたいですよね。
実感できて良かったです。
映画「永遠の0」のために造られた機体なので、当然「永遠の0」関連の
品が展示してあったり、コマーシャルムービーが流れていました。

わたしは当作品にはまったく触れていなく、題名しか知らない状態で
この機体を見ました。
で、映画や漫画に興味を持ちました。悪い噂は聞いてませんでしたし、
漫画の作画は「須本壮一」さんだったんですね。
帰宅後 さっそく映画と漫画全巻をアマゾっちゃいました。

簡潔に感想を言うと「良かった」です。
飽きさせないストーリや、戦史・零式戦をちょっと知ってると
ニヤリとさせてくれるネタなど、なかなか奥深いです。
薄っぺらさがなくて、お気に入り作品のひとつになりました。
<総括>
●零式戦
 零式戦の展示は数あれど、キレイに塗装はがれ表現されたものは
 少なく、見所の多い機体でした。

 塗装はがれはキレイでしたが、油汚れとかがもう少しあっても
 良かったかもしれません。

 あと、細かいことかもしれませんが、これだけ塗装が はがれるほどの
 戦歴を持っているなら、緑色の退色もそれなりにあるかと思います。
 もっと薄い緑でムラになるでしょうね。

 映画での映りが最優先なのは充分わかってます。
 わかってはいますが・・・
 どうしてもプラモデル目線で見ちゃって、ウズウズしちゃいました。


●展示場所
 この機体は映画撮影後、宇佐市が買い取ったものらしいです。
 で、この元倉庫のような場所に展示し、無料で一般公開しています。
 駅から遠く、アクセスはあまりいぃ場所ではありませんでした。

 ゆくゆくは周辺の掩体壕なども含めた ちゃんとした博物館的なものを
 造りたいとか。
 掩体壕は時間の関係で見に行くことができなかったので、
 新館ができたら また行きたいですね。

 たとえば基本無料で、新館のための募金的な集金をしてもいいかと
 思いますけど。。。



入館してから約3時間、閉館ギリギリまで この機を眺めていました。
で 退館時、受け付けのお姉さんと少しお話ししてきました。

この機体を買い取ってくれて いぃ状態で保存・展示していることに
感謝して、引き続き大事に残してもらうよう お願いしてきました。

この資料館・この機体が無ければ、宇佐に航空基地があった という
ことすら知らずじまいだったかもしれません。
そのくらい存在意義のあるものだと思います。
今後も大事にされ、保存・展示されることを切望します。。。

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