このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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機体全景
2017年6月24日(土) 飛燕(分解展示) その2
「かかみがはら航空宇宙科学博物館(仮)」に分解展示されていた
旧日本陸軍 三式戦闘機「飛燕」のレポート その2です。。。
●工業力
飛燕の特徴のひとつ「液冷エンジン」・・・
このエンジンはドイツ製のものを、日本でライセンス生産したものですが、
当時の日本の工業力では、開発も製造も運用も困難だったようです。
しかしながら「ドイツの製品で勉強し、試行錯誤しながら何とか形にして
飛燕という戦闘機を完成させた」ということが日本の基礎工業力を底上げし、
戦後の発展につながった と思うと・・・
この機を修復し、保存・展示する意義が見えてくる気がします。
●観察
今まで零式戦は数多く見てきましたが、陸軍機を見る機会は
あまりありませんでした。
この機体自体は知覧で1度見てはいるのですが、写真撮影が
NGだったため事後の写真確認・検証ができませんでした。
ということで、今回 初めて陸軍機を観察し細部を事後検証しました。
検証とはいえ、零式戦との相違点があった という程度ですけど・・・
陸軍機に興味を持つキッカケには なりました (^_^.)
●美
美しい機体でした。
やっぱりノーズですね♪ キレイなカーブで描かれたノーズが
エロかったです。
●方針
◆分解状態での展示は2017年秋ごろまで。
◆本館では組み立てた状態で展示。
◆塗装などはしない。このままの状態で展示・保存。
◆一度組んだら もうバラすことはないかも(傷むため)
とのこと。
●塗装
知覧では塗装してありました。
陸軍機らしい白地に緑の斑点模様でした。が・・・
ツヤツヤで明るめなベタっとした塗装だったため、リアリティがなく
模型みたいな印象でした。
そんな塗装よりかは、この方がよっぽどマシですね。
リベットや板金加工の跡などから「手作り感」や「重厚感」を
感じることができました。
●組み立て展示
「組み上がった姿が楽しみ」という反面、「分解された姿を
見ることができなくなる寂しさ」がありますね。
イヤでも・・・本気で修復して、本気で保存すること考えて
らっしゃるので、どのような形にせよ(知覧のような)
ザンネンなことには ならないと思います。。。
<総括>
なめ回すように見て、観察して、バシバシ写真を撮ること
3時間半・・・
どれだけ見てても全然 飽きませんでしたが、
体の方がギブアップというので、やむなく退館。。。
ありがとうございました m(_ _)m
上記のスタッフさんに質問したのち、この飛燕や零式戦のことについて
しばし歓談しました。
貴重なお話しをいっぱい聞くことができ、楽しい時間でした (^_^.)
そのあとしばらくして、私の所へ来られて・・・
「せっかく来られたので どうぞ」 と、入館記念プレートを
いただいちゃいました♪
お話しのほかに こんなのまでいただいちゃって、ホントに
ありがとうございました m(_ _)m
スタッフさんが機体の近くで、何やらメモを取っていました。
うかがったところ、機体の近くに設置されたセンサーで
「温度・湿度」を記録していた とのこと。
この機を管轄する「日本航空協会」から 保管環境について
厳しく言われてるそうです。
本館でも24時間エアコン付けっぱなしで空調管理して、
保存・展示する とのこと。
保存するといっても 単に屋内に置いておくってわけじゃないんですね。
「保存する」ということの大変さを痛感いたしました。。。m(_ _)m
主翼下面には日の丸塗装の跡が残っていました。。。
主脚 収納部。
水色の塗装が残ってました。
いつ塗られたものかは不明ですが、本来の色は
赤茶色らしいです。
主脚のパーツはどれも真新しかったので、
すべて新造ですかね。
左翼前縁に大きな着陸灯が付いてました。
んっ!?着陸灯?・・・零式戦には無いもの・・・かな?
これも陸軍・海軍の違い。。。?
零式戦は主翼端前縁に1つ。
この辺りの仕様は、陸軍機と海軍機の違いなんですかね。。。?
翼端灯はポッチが上面と下面に付いてるタイプでした。
所々に「プラスネジ」が使われていました。(写真 上のパネル)
当時のネジは「マイナスネジ」なので、プラスネジということは
新造パーツってことですかね。
写真 右下のパネルはマイナスネジで留まってました。
補修の跡が見られました。
写真中央はパテで穴埋め。その左側は穴が大きかったのか
縦長のパネルが貼られていました。
壁に設置されていた投影機。
主翼上面や胴体に、投影機で日の丸や米軍機マークが
投影されてました。(時間で切り替り)
機体にダメージを与えることなく、イメージさせやすくする
いい手法だと思います。
主翼は専用ジグに固定され、立てて置いてありました。
そのため上面・下面 共に見やすくて良かったです。
組み立てられたら 特に下面は見にくくなってしまいそうなので、
ありがたい展示方法でした。
主翼上面。
手前、写真左下のものは木製の増槽です。
以上 <゛‾^‾)
機体全景
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