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2008年10月13日(月) <千葉寺、県立博物館、長州ラーメン、ポートタワー>
<千葉寺>
10月の三連休最終日。最終日は少し千葉市へ出かけることにしました。千葉と言えば野田や我孫子、銚子や房総半島や九十九里浜など、何度か訪れたことはありますが、意外と県庁所在地である千葉市は素通りすることが多いもので、千葉市についてはあまりよく知りません。千葉市は人口95万人を抱える千葉県最大の都市。しかも調べてみると、千葉なのに「長州ラーメン」を出す店があるということで、これは一度行ってみなければいけないと思うようになりました。長州男児の自分としては放っておけません。そういうわけで、今回はいつも素通りする千葉市をじっくり歩いてみようと思います。
吉祥寺から千葉までは中央線・総武線を乗り継いで約1時間。総武線各停に乗れば、吉祥寺から千葉まで乗り換えなしで行くこともできますが、それだとかなり時間がかかってしまいます。でも吉祥寺と千葉が電車一本で結ばれているのも何だか不思議な気分ではあります。
吉祥寺を8時前に出て、千葉に着いたのが9時過ぎ。千葉駅の改札の外に出るのは初めてでしたが、モノレールとJRが立体的に入り組んだ複雑な構造をしているのが印象的です。何となく、未来都市っぽい。モノレールについては後述します。
<千葉駅> | <千葉は花の都らしい> |
まずは千葉の名前を冠している千葉寺へ行くことに。千葉駅から京成線で二駅先に、「千葉寺駅」というそのものズバリの駅があります。千葉寺駅周辺は道路も広く、郊外といった趣です。
<千葉寺駅> | <千葉寺駅前の広い道> |
千葉寺駅から10分程歩くと千葉寺。千葉寺は千葉の名前を冠しているくらいなので、歴史的にも重要な寺かと思っていましたが、創建は709年に行基が十一面観音を安置したのに始まり、千葉寺という名前を付けたのは聖武天皇だそうです。かなりの歴史を誇っているわけですね。この地は平安時代末期から千葉氏が治めることになったために千葉という名前が付いたのかと思っていましたが、地名の千葉の方が早いそうです。元々は「多くの葉が繁殖する」というところから来ているらしく、昔は広大な原野だったのでしょう。千葉寺は一般的な寺という感じでしたが、県の天然記念物に指定されているイチョウの存在感が圧倒的でした。
<千葉寺三門> | <本堂> | |
<天然記念物のイチョウ> | <鐘> |
<青葉の森公園と千葉県立中央博物館>
千葉寺から少し歩いて県立青葉の森公園へ。農林水産省畜産試験場の跡地で1987年に開園した、比較的新しい公園です。園内には「畜産技術研究発祥之地」の石碑があります。園内はかなり広く、博物館や芸術ホールから古墳に至るまで、多種多様な施設がそろっているようです。調べてみると、ディズニーランドと同じ広さらしい。そりゃ広い。三連休ということもあって、親子連れがたくさん来ていました。
<青葉の森公園> | <公園内の道> |
青葉の森公園に来た目的は、園内にある
千葉県立中央博物館
に行くことで、これは都道府県・政令指定都市レベルの博物館巡りを趣味としている僕の楽しみでもあります。総合博物館には二つの種類があって、一つは歴史に重点を置いたもの、もう一つは自然科学に重点を置いたものがあります。これは博物館の成り立ちや学芸員の数によって異なるようですが、ここの博物館は自然科学寄り。常設展示のテーマは「房総の自然と人間」ということで、隣に植物園を擁していることからもかなりの規模になっています。
入館料150円を払って中へ。常設展はどのように房総半島の自然が成り立ってきたかというところから始まり、房総半島にいる(もしくはいた)動植物の剥製・標本が至る所に展示されています。これはすごい。県立の総合博物館で、ここまで自然科学に力を入れているところはあまり知りません。展示は結構マニアックです。確かに房総半島は氷河期やら縄文海進やらで海になったり陸になったりと忙しい土地だったので、その歴史を見るだけでも面白いですが、残念ながら僕はこの地学っぽいものが苦手なので理解は中途半端なものになってしまいました。
<千葉県立中央博物館> | <常設展示室> | |
<マンモスの化石> | <鹿の剥製> | |
<恐竜の化石> | <イノシシの剥製> |
歴史に関しては最後のほうに少し触れられている程度ですが(自然科学系展示室が5つに対し、歴史展示室は1つ)、すっきりとまとまっていて房総の歴史が良く分かりました。千葉氏もいろいろと複雑で争いごとが絶えなかったそうです。個人的には平安末期の在庁官人で、源頼朝とも深い関係があった千葉常胤が好きです。
<長州ラーメンとポートタワー>
博物館を見終わった時点で11時半。公園裏のバス停からバスに乗って千葉駅に戻るとちょうど12時だったので、昼食をとることに。今回の千葉行き、巡る場所は直前まで決まっていませんでしたが、昼食の場所だけはかなり早くから決まっていました。というか、昼食を食べるために千葉に来たと言っても過言ではありません。そのずっと目を付けておいた店は、千葉駅近くの雑居ビル2階にある「長州ラーメン万龍軒」。そもそもなぜ千葉で長州ラーメンなのかということですが、ネットでたまたまこの店を見つけてからは一度行ってみなくてはと思っていました。何しろ僕は長州男児。食べない訳にはいかない。
店はカウンターのみで、長州ラーメン(600円)のチャーハンセット(+200円)を注文。何しろ店の雰囲気が地元の老舗ラーメン屋のような田舎っぽい雰囲気で、軽いノスタルジーを覚えます。出てきたラーメンは九州の豚骨ラーメンをもうすこしまろやかにして、麺も柔らかくクタクタになっている状態。これはまさに長州ラーメンという言葉がぴったり!スープはほんのり豚骨の甘みがあり、柔らかめの麺に合います。地元のラーメン屋で出るラーメンを、作品として上手く仕上げたらこうなるだろうというという感じでした。山口のラーメンの完成系を見たような気がして、嬉しくなりました。まさか千葉で地元のラーメンの究極系に出会うとは。この店は元々初代店長が山口出身だったそうなので、こういうラーメンが出るのもうなずけます。個人的には久々にヒットしたラーメンでした。9点。東京にも進出してくれないだろうか。
<長州ラーメン> | <雑居ビルの2階にある> |
長州ラーメンに満足して、次に向かったのは千葉ポートタワー。高いところからの景色を見るのが好きな僕にとって、ここは一度は登って置かなければいけない場所です。千葉駅からモノレールに乗って終点の千葉みなと駅まで行き、そこからは歩いてポートタワー方面へ。千葉みなと駅周辺は京葉工業地域の一角を担う場所ですが、駅周辺はかなり殺風景で海風が吹きつけてきます。周りは倉庫であったり原っぱであったりするので、遠くから見るポートタワーの存在感はより大きくなります。
<千葉みなと駅> | <そびえ立つ千葉ポートタワー> |
駅から歩いて15分でポートタワー。段々と近づくポートタワーの写真を撮って並べたのが下の3枚の写真です。どうでもいい写真ですが。ポートタワーは全面ガラス張りなので、この日のように晴れていると雲が映り込んで画になります。このタワーは千葉県民500万人突破を記念して建てられ、1986年にオープンしています。ちなみに今の千葉県の人口は620万人。たった20年で100万人も増えてる。
<遠くから> | <近くから> | <真下から> |
410円のチケットを買って最上階の展望室へ。こういうタワーに上るのは親子連れかカップルか老人の集団と相場は決まっていて、男一人で来ていると何となく恥ずかしいような気もします。まあでもそんなことを気にしていたら生きていけません。上りエレベーターの周りはカップルだらけで非常に居心地が悪いものがありましたが。。
<千葉のマスコット ちばなちゃん> | <ポートタワーの展望室> |
この日はいい天気で、地上113mからの眺めはなかなかでした。千葉市街・幕張新都心・筑波山・工業地帯と、360度の展望を堪能できます。ただ天気が良すぎて日光が眩しかったためか、東京タワーや新宿の高層ビル群、富士山なんかは見ることができませんでした。あまりに天気がいいのも困りものです。下の写真を見ると、千葉市は意外と1か所にまとまってこじんまりしているように見えます。どこまでも途切れることがなくビル群が続く東京と比べて、「これが千葉市街」と言うのがよく分かるようなまとまり方です。
<千葉市街方面> |
<幕張新都心方面> |
一通り景色を堪能して1階に戻り、お土産コーナーを物色。やはり千葉と言えば落花生のようで、お土産コーナーの半分くらいがピーナッツ・落花生関連でした。
<ピーナッツ> | <落花生> |
帰りは少し距離があるものの、千葉駅までぶらぶらと歩いて戻りました。こういった知らない街を歩いてぶらぶらするのは好きですが、千葉みなと周辺はやはり作られた街であるように感じます。僕はこういった街を勝手に「機械的な街」と呼んでいますが、計画的すぎる街はどうも苦手です。人の気配が感じられないというか温かみがないような気がするのが原因だと思いますが。この辺、社会学で都市論が専門の人にいろいろ研究してほしいところです。
あと千葉で街を歩いていると、大きな通りには大体頭上にモノレールが走っています。千葉のモノレールは懸垂型で、懸垂型モノレールの営業キロ(15.2km)は世界一でギネス認定されているそうです。僕はこの懸垂型モノレールというのはどうも苦手で、というのはもしかしたら落ちるんじゃないかという不安があって、乗っているときも気が気じゃないからですが、下から見る分には胡座式よりも迫力があって面白いです。飛行機に乗るよりも、飛んでいる飛行機を眺める方が好きなのと同じ。特に千葉のモノレールは繁華街の隙間を縫うようにくねくねと曲がっていて、この様子が近未来的で見ていて飽きません。経営的には厳しいようですが・・・。
<千葉駅前> | <千葉みなと駅で> | |
<市役所前> | <繁華街をくねくねとすり抜ける> |
千葉駅に着いて、中心部繁華街をうろうろしてから千葉神社に行こうと思いましたが、地図がないので千葉神社の位置が良く分かりません。結局パルコや千葉銀座の辺りをうろうろして、疲れてしまったので千葉駅に戻って帰ることに。千葉駅で夕食用に万葉軒の「やきはま丼」(1100円)を購入しました。恐らく千葉駅で一番有名な駅弁だろうと思います。そして千葉駅から総武線・中央線と乗り継いで吉祥寺へ。自宅には4時半に到着。
夕食でやきはま丼を食べましたが、焼蛤・煮蛤・白蛤と3種類の蛤が炊き込みご飯の上に乗っていて、結構なボリュームがありました。味は濃い目ですがおいしい。
<やきはま丼> | <やきはま丼の中身> |
千葉市をじっくり見るのは初めてでしたが、意外に見どころが多くて今回だけでは消化できませんでした。幕張新都心を初めとして、亥鼻城や加曽利貝塚など、まだまだ見るべきところは多そうです。もう一度、長州ラーメンも食べに行きたいし。もう少し千葉市のことを調べて、再び訪れたいと思います。
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