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2006年9月15日・16日

<第五福竜丸展示館>

 年に一度のゼミ合宿。今年は北の大地の大学に就職された先輩Kさんのゼミと、合同ゼミ形式での合宿となりました。題して「トセイ・ドウセイ合同ゼミ合宿」。場所は江東区夢の島にある東京スポーツ文化館、略してブンブ。(何をどう略したらブンブになるのかはよくわからんけど。。)オリセンがちょっと豪華になった感じの施設です。

 TAはコンパの買出しをするために、11時ブンブ集合となっていました。しかし、せっかく東京の東の端の方に行くのだから、町の見物でもしようと少し早めに出発。最寄の新木場駅に10時前に到着し、とりあえず夢の島へ。

 「夢の島」はもともとゴミの最終処分地(つまり埋立地)だったところで、そのことを考えると全然夢がある島だとは思えません。こういう名前を付けるあたり、まさに「臭いものには蓋をしろ」的な貧相な発想をする行政を疑ってしまいます。どう考えても夢なんかないっての。ゴミの島なんだから。ただ、さすがに臭いは全くありませんでした。成り立ちを知らないで来たら、ここが昔ごみの埋立地だったなんてことは絶対にわからないほど整備されています。

 ブンブがある辺り一帯の「夢の島公園」を歩いていると、近くに 「第五福竜丸展示館」 なるものがあるのを発見。入場料がタダというのもあって、ちょうどいい時間つぶしになりそうなので行ってきました。

 展示館の中には本物の第五福竜丸が展示されていて、その周りを資料や乗組員の手記の展示が囲む形になっています。第五福竜丸はビキニ環礁近辺での被爆で廃棄されたものだと思っていたのですが、実際は被爆後も東京水産大学の実習船として現役を続行していたそうです。全く知らなかった。


<展示館入り口>

<当時の大漁旗>

<第五福竜丸先頭部分>

<後部のスクリューと展示>

 写真のおじさんと比較しても分かるように、第五福竜丸は結構な大きさがあります。今では木造船で遠洋まで出ることはなくなったから、時代というものを感じます。広島・長崎の原爆被害も確かに重要だけど、それ以降にも原爆による悲劇があったことを忘れちゃいけませんね。死亡者数が少ないと、どうしても印象としては薄くなってしまうのは否めないけど。(死亡者数が少ないというのは、広島と長崎の原爆死亡者に比べての話です)

 こういった負の遺産が展示されていることに何となく安心感を覚えました。

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<買出し>

 11時半にブンブでみなさんと待ち合わせして、買出しに出発。夢の島や新木場は臨海工業地帯と言っても過言ではないので、スーパーなんてものがありません。シャトルバスのち徒歩で、豊洲にある一番近いジャスコまで行ってきました。地図上で見るとそう大した距離ではないようにも見えますが、実際に歩いてみるとかなりの距離があります。臨海部って人工的都市だから、一区画が長いのね。建物が見えてても、そこまで結構な距離があったりして。何か春先に行った境港を思い出しました。

 途中川沿いに高層のデザイナーズマンションが建っていて、それを眺めながら「ここ高いんだろうなぁ・・・」と思っていたら、Sさんによると何とここは公団住宅なんだそうです。しかも設計者は安藤忠雄。状況としては一昔前の「臨海部開発と丹下健三」にだぶるものがあります。いくつかの本を読む限り、丹下健三って鈴木俊一や鹿内信隆を始めとする政界・財界の大物と結びついて案外黒いからな・・・。東京オリンピックによる臨海部再開発と安藤忠雄がくっつくということは、安藤忠雄ももしかしたら政治的には黒いのかもしれん。(安藤忠雄ファンの人ごめん。あくまで「政治的には」の話です。)

 で、歩いてようやくジャスコに到着。店の中にあったフランス亭でカレーライスの昼食をとり、酒やつまみの買出し。と思ったら、何とここのジャスコにはビール類が全く売っていません。免許の関係でそうなっているみたいですが、スーパーでビーを売ってないというのはどういうこっちゃ?そんなスーパーがあるんですねぇ。仕方がないので、不本意ながらも発泡酒で我慢。合宿参加者の皆様、ビールがなくてすみません。

 帰りは荷物が重かったのでタクシーに乗ってブンブへ。

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<ゼミ>

 1時半からゼミ。実は今回、自分は発表しないので、気分的にはかなりな楽です。北の大地の学生さん、うちの大学の学生ともほぼ全員が2,3年生だったので、ここでM2が発表してもおかしな話だしな(と、自己正当化)。そういうわけで、今回はTAらしくコメントや質問をすることに終始していました。発表者1人につき最低一つはコメントすることを目安にして、発表を聞いていました。これはこれで個人的に勉強になります。もっと質問力を磨かないとな。あと、北の大地の学生さんがみんな結構しっかりとしたレジュメを作ってきていたことに感心。

 そういえば、先生二人とTA四人が前の席にずらっと一列に並んでたけど、学部生に圧迫感というか威圧感というか、そういうのを与えなかったかな?と、ちょっと心配しております。もし自分が2年生だったとして、前にずらっと先生と大学院生が並んでいる中で発表しろなんて言われたら、多分極度に緊張するに違いないからな。

 カロリーのやけに高い夕食を挟んで、8時半にゼミ終了。そして9時半から懇親会。北の大地の学生さんとうちの大学の学生さんがすぐに仲良くなっているのを微笑ましく眺めていました。しかし、U先生のために買ってきた白ワインを、開始10分で一気飲みして飲み干してしまったときにはどうしようかと思ったわ。一気飲みをするあたり、若さというものが爆発しているとは思うけど。。20歳くらいのときが、一番酒飲める時期だもんね。

 そういう盛り上がっている光景を見ながら、もう20代後半に突入してしまった僕は、先生や他のTAの皆様と静かに飲んでおりました。その中でU先生がかなりのラーメンマニアであることが発覚。今週一週間、昼は全部ラーメンだったらしい。さすがに僕でも毎日ラーメンはキツイです。だからあんな(自主規制)なのか。でもラーメンマニアということがわかったことで、今まで遠かったU先生が急に身近な人に思えてくるから不思議。同じ穴の狢ですね。

 その後、発泡酒1本とチューハイ1本飲んだ時点で極度に眠くなってしまい、いつの間にかその場で横になって寝てしまってました。最近めっきり酒に弱くなってしまって残念ですわい。その後も遅くまで残って飲むであろう学部生を見つつ、部屋に帰って1時半ごろ就寝。

 明けて16日、朝7時半。6時間寝たので目覚めすっきりの中、部屋でシャワーを浴びて朝食。バイキング形式でご飯もパンもあったから、サンプルに従って両方取ってみたら、全く統一感のない朝食になってしまいました。パンの隣に海苔の佃煮、焼鮭の隣にスクランブルエッグ。何てまとまりがないんだ・・・。というか、何でまとまりのないサンプルを展示しているんだ?客が戸惑うではないか。。

 10時前にチェックアウトし、新木場駅で解散。皆様お疲れ様でした。

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<臨海副都心ツアー>

 さて、ここからは任意参加の「臨海副都心ツアー」。しかし、参加者を募ってみると、ほとんどの学生が参加を辞退して帰っていきました。でも確かに、わざわざ北海道から出てきたのに、東京の中でも何もない臨海副都心に好き好んで行くなんて選択肢は普通だとないよな。ということで、参加者はU先生とK先生、Yさんと1年生のI君、僕の5人。予想外の人数だけど、少人数の方が小回りが利いて返って好都合でしょう。まずはりんかい線に乗って新木場から二駅先の国際展示場駅へ。


<関東の駅100選 国際展示場駅>

<中はこんな感じ>

 臨海副都心というと一般的にはお台場を連想することが多いと思いますが、実際は「お台場」以外の東と南の地域をひっくるめて、全てで「臨海副都心」です。お台場以外はあまり賑わっていなくて、非常に寂しい感じの街です。しかしこの寂しい街が、16年オリンピックを契機に有効利用しようという流れになっているのです。今回のツアーはその辺も踏まえて、普段見ることのない臨海副都心の今を見てみようというものです。

 国際展示場駅を降り、有明駅から3月に開通したゆりかもめの延伸部分を北へ。途中至るところで工事をしていて、この街はまだまだ発展途上であることを伺わせます。東京都都市整備局の看板に「快適未来をプロデュース」というスローガンっぽいものがあったけど、何か内村プロデュースみたいやな。


<高速道路工事中>

<快適未来をプロデュース?>

 少し歩くと「有明テニスの森駅」で、その両サイドには2016年東京オリンピックに備えた選手村予定地が広がっています。ただただ、だだっ広いです。というか、近辺には人が全くおらん。こんなところでパシャパシャ写真を撮っていた男達。見る人が見たらきっと変な集団に思われたに違いない。


<有明テニスの森駅>

<用地だけは既に確保>

<選手村予定地の一部。東京タワーやレインボーブリッジが見え、眺めは抜群>

 土地が余ったからオリンピックに使って有効利用しようという夢は、果たして叶うのでしょうか。今後どうなっていくか見守っていきたいところです。

 一通り選手村予定地を見た後は、ゆりかもめに乗ってテレコムセンターへ。途中見えたいくつかの建物をどうぞ。


<東京ビッグサイト>

<フジテレビの新しいビル>

 テレコムセンターに到着。テレコムセンターといえば正に兵度もが夢の跡みたいな建物で、第3セクター方式で鳴り物入りで立てた割にはテナントが入らず、遂には破綻してしまったという臨海副都心開発を象徴するような建物です。U先生がたまに出演するMXテレビも、テレコムセンターから都心の半蔵門に移ってしまう始末。かつてはNTTドコモのドコモタウンなるものもあったそうですが、これも撤退。さらには東京都青少年センターも撤退と、踏んだり蹴ったりのようです。そんな寂しいテレコムセンター21階にある展望室へ行ってみました。

 入場料を500円取られたものの(自動券売機だったのに、わざわざオジサンが出てきて券を買ってくれた。果たして自動券売機の必要性はあるのだろうか??)、夜景遺産100選に選ばれているだけあって、眺めはなかなかのものです(というか夜景遺産って何だろう?夜景は遺産なのか?)。何と言っても穴場だから人は少ないし、しかも望遠鏡がただ。覗き放題。


<パレットタウン方面>

<お台場方面>

<コンテナがいっぱい>

<双眼鏡からはこういう感じで

 ここからみて分かるのは、やはりフジテレビのあるお台場方面は栄えているものの、他の地区は空きスペースが多くて寂しい街であるということです。栄えている台場だけは港区で、他は全て江東区。貧乏くじ引かされてるなぁと、江東区に同情せざるを得ません。

 さて、タダの望遠鏡を覗いてみると、何とパレットタウンの観覧車の中身が丸見えなのでした。一台一台、中の様子が手に取るようにわかる。これはいいのか??と思いながらも、ついつい見てしまう哀しい性。キスをしているカップルが何組もおりましたよ。。観覧車=キスってわけか。おめでてぇな。そりゃ、まさかこんな遠くのビルから見られているとは思わないもんね。あと、カップルだけかと思ったら、何故か1人で乗っているおじさんが多数。何で1人で観覧車?

 そういうわけで、覗かれてしまった皆様、ごめんなさい。でもね、望遠鏡を覗いたらたまたま見えたのです。不可抗力です。。どうか許してね。500円の入場料はこのためにあるのか、と妙に納得してしまいました。

 テレコムセンターで景色(?)を満喫したあとは、ちょうど昼時になったので、ゆりかもめに乗って台場へ。さすがに台場は人が多い。フジテレビは商業的に本当に成功しているとわかります。もし、ここにフジテレビ本社ではなくて、彫刻の森が来ることになってたらどういうことになってたんだろう・・・と考えると、シュールすぎて笑いがこみ上げてきます。

 昼はデックスの「台場小香港」という中華街のとある店でチャーシュー汁そば。U先生のご意向もあり、チンタオビールを注文したら、何と一本(350ml)で650円もしました。超高価ですね。北京で飲んだチンタオビールと同じなのに、この値段の差は何なのだ?と思いつつ、汁そばをすすってました。


<台場小香港>

<台場から>

 こうして合宿と臨海副都心ツアーは終了。今後臨海副都心がどうなっていくのか。特にオリンピック誘致が失敗した場合、どうなってしまうのか。個人的には非常に楽しみです。

モドル

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