このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京成金町線 まさかの変貌へ


2006年12月5日、改正を5日後に控えたなか、突如発表された金町線の高架化工事。
その現場を見てみました。

高砂を出発した金町行き


写真は2006年12月撮影


京成高砂、というと、上野、押上方面から青砥を経てやってきた本線が、津田沼方面と北総線を分けるという「X」型の路線の要です。
青砥の二重高架化、そして北総線二期完成時に方向別で合流するようにしたおかげで、上野方面〜津田沼方面と、押上方面〜北総線は支障せずに同時発着が可能になっています。
ところが高砂は一筋縄ではいかず、車庫への引込み線と、金町線がさらに分岐しており、この両者への電車が本線や北総線のダイヤに影響しています。

複雑な配線(金町線上りが到着)

金町線は京成発祥の地でもあるのですが、金町駅の構造が災いして4連しか運用できません。
さらに頭が2つで尾が3つという路線ゆえ、金町線は頭に向かう時にこぼれてしまい、日中は高砂折り返しとなっています。

柴又帝釈天参拝で賑わう正月以外は20分ヘッドの運行とささやかですが、なかなかどうして、寅さん人気に加え、常磐緩行線方面からの短絡ルートとしても隠れた人気となっており、利用が多いのも特徴です。

発車を待つ金町行き

こうした都心方面への直通客が多く、日中は帝釈天や寅さん目当ての比較的高齢の観光客が多いという特徴から、高砂での乗り換えはともかく、本線と分離して対面接続を放棄するどころか歩かせると言うことは致命的ではないか、と言う声も根強くありました。

高砂駅コンコース
改札の向こうに金町線の駅が出来る?

今回、 京成電鉄が発表したプラン は、その「タブー」に大胆に挑戦した格好です。
金町線だけ高架化して、高砂で分断。これだけ聞くと、相当不便になる印象ですが、金町線のホームは突端式で、現在のコンコース自由通路に接する感じです。平面移動は確かに増えますが、上下移動という意味では、現在の高砂折り返しの時間帯の場合、金町行きの対面接続にはかないませんが、金町発の場合、都心方面へは階段(エスカレーター、エレベーター)の上り下りがあるわけで、それが下りのみになることは必ずしも悪くはなさそうです。

金町線と本線の同時発車

長期的には本線側も高架化されるということですが、その際に金町線だけ別ホームになると、これは利便性が悪いわけで、長期的に見たときのほうが心配でもあります。

さて、高砂駅周辺でさっそく槌音が、と言うわけがないと思っていたら、金町線に寄り添うように立っていた「旧電車区ビル」が解体工事の真っ最中です。10月31日開始、12月22日終了と言う工期で、おそらく関連作業でしょう。
電車区と高砂の間にある2つの踏切は既に自動化されていますが、どちらも誘導員が立っており、安全確保に腐心しているようです。
ただ、金町線が高架化されても、日中は金町線の電車は本線の電車と同時発車、同時到着気味なので、空く時間が劇的に増えることがないのは玉に瑕です。

工事が始まった一角(駅は右前方)


***
一通り見て、柴又観光の中高年で賑わう電車で金町に移動します。
高架化と言っても車庫への出入りの確保のため、地上線も残るようで、この当たりの光景も大きく変わるのでしょう。

微妙にカーブした金町駅

金町に着くと、ホームと線路を微妙にカーブさせて長さを確保している印象です。真っ直ぐなら4連も停車できなかったのかもしれません。
その原因が高砂寄りの小踏切。クルマも通れない踏切ですが、小さな商店街に通じており、踏切の廃止を訴えてもまず理解されないでしょう。
駅の手前で国道6号線と交差しますが、ここが立体化されたときが、道路財源を使った連立化のチャンスだったのですが、道路が高架にあがり、金町線はそのままで残ってしまい、金町線改良のチャンスを失っています。

件の踏切はこんな感じ


さて、件の踏切、何とかならないものでしょうか。
実は高砂寄りに歩いて見ると、線路の向こう側に斜めに並行する商店街には小さな分岐があり、線路際まで路地が延びており、商店もその路地に面した店があります。
踏切をこの路地に付け替えれば何とかなりそうですが、そうなると今まで駅近の最高の立地だった踏切の脇あたりが、いきなり袋小路になるわけで、これも説得が大変ですが、一番簡単そうな解決策でもあります。

ここに路地が...

あとは、そこまで来るとホームの幅が取れるかということ。
歩道を若干削り、極めて細長いホームをつけるしかないでしょう。基本的には既存の4連分から乗降として、延長部は非常用という感じです。

路地との交点付近。後方は駅
歩道を若干削れれば...

かなり無理スジではありますが、全線の高架化や地下化よりは簡単な話です。
ただ、やるならば8連化にして、都心方面からの直通の段落ち対策としての終点と言う活用が出来ればベストなんですが、件の路地を活用するにも、8連用にするため4連分の長さは確保できないようにも見えます。
そうなると、6連用にするだけの話でそこまで労力や予算をかけるべきなのか、という暗礁に乗り上げるのです。

中期的には4連封じ込めですが、長期的に見てどうなるのか。高架化の先に見えるものは何でしょうか。





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