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2006年12月 新京成は千葉へ向かう


2006年12月10日、ついに新京成線と京成線の直通運転が始まりました。
遅ればせながら乗車して見たときの様子を簡単にまとめて見ました。

松戸への帰路に就くN800(京成千葉)


写真は2006年12月撮影


2006年12月10日、ついに新京成は京成千葉線に乗り入れ、千葉中央まで進出しました。
1950年代後半の一時期、相互乗り入れをしていて以来の直通は、新京成の片乗り入れとやや寂しいものの、北総線直通がなくなって以来、久しぶりの他社乗り入れになります。

松戸で発車を待つN800

試乗する機会を得たのは改正7日目の12月16日。常磐線で松戸に降り立ち、直通記念のパスネットを購入してホームに出ると、先発が千葉中央行き、しかもN800系でした。
ホームの案内、電車の行先に現れた「千葉中央」の文字も目新しいですが、乗ってしまえばいつもどおりというのも事実です。
ただ、ドアに貼られたシールや、中吊広告が直通の開始を訴えています。

ドア上のシール駅張りの広告(車内はこれが横長に)

乗客も特に京成線直通で流れが変わったと言う感じもなく、駅ごとに漸減し、鎌ヶ谷大仏あたりからは再び増加に転じ、北習志野で入れ替わり、新津田沼でドカッと降りるというのはいつもと同じ光景です。
今回改正では直通開始とともに、所要時間が全線で40分から44分にと実に1割、4分も伸びており、「ゆとりダイヤ」になっており、京急や阪神ばりの高加減速が鳴りを潜めたのも事実です。それを実感したのが、鎌ヶ谷大仏に到着する時で、手前のカーブから「突っ込む」と言う感じだったのがなくなり、昔のまったりした走りに戻った感じです。

直通記念のラッピング

京成線直通が6連運行限定と言うことで、日中は6連と8連の交互運行です。改正前は6連組がある程度まとまって走っていたため、団子で来た後、一回りするまで間が空くという感じだったのが変わりました。

さて、新津田沼を出ると京成津田沼に向かいます。
乗り換えの案内が流れた後、京成千葉線はそのままご乗車くださいと直通をアピールしてましたが。これは新津田沼手前でも流すと効果的でしょう。今回は総武線経由でも、「幕張本郷、千葉方面直通」といえば、次回からは京成経由で、と考える人も出てくるかもしれません。

京成津田沼でも降車が多く、逆にホームには京成線から乗り換えの客が並んでおり、本線上野方面からの乗客が多いとしたら、始発も含めて千葉線とは日中跨線橋を使う乗り換えになった今回の改正は乗客流動に必ずしも即していないともいえます。

5番線に入る折り返しちはら台行き

千葉線に歩を進めたN800系は、車内のスクロールも京成流儀に「普通 千葉中央行き」になりました。前面及び側面も切り替えていますが、幕式の8000系、8800系も幕を切り替えており、そこまで峻別しなくても、とも思います。実際、北総線直通時代には「普通 松戸」表示の7000系や2000系(現9000系)が入線していましたし。

普通 千葉中央行きに...

京成千葉で大半が降り、終点の千葉中央へ。
ちはら台側の引き上げ線に入り、千原線直通の上下列車が交換した後、上りホームに入り、松戸に帰ります。

千葉中央到着

京成千葉では微妙なタイミングですが、発車した松戸行きと到着する千葉中央行きという新京成車同士の交換が見られ、検見川でも同じ感じの交換になっています。

京成千葉での交換風景


***
京成津田沼に戻ってしばらく観察して見ました。

6連化された8800系が千葉線へ

新津田沼−京成津田沼の東方が単線区間のため、新津田沼と、総武線に並行するあたりで交換するダイヤになっています。
直通しないパターンも6番線で新京成、5番線で京成が折り返しており、そのままスジをつなげば直通できる体制です。

千葉線下りを経て5番線に入る松戸行きアートトレイン

マニア諸氏のほか、一般客も直通が珍しいのか、記念ヘッドマークをつけた編成や、アートトレイン編成などでは携帯で写真を撮る人も目立ち、注目度は高いようですが、これを利用にどう結び付けていくかが今後の課題でしょう。

記念マークをつけた8507F(新津田沼)

新京成から京成千葉線の直通需要が多いのは通勤時間帯でしょうが、今回はその時間帯は外されました。
ただ、単線区間の存在から、今の20分ヘッドを半分に詰める10分ヘッドが実は限界ともいえます。そうなると、朝の4分間隔、夕方の7分間隔との整合性を図るとなると、朝は新津田沼まで4分で、京成津田沼まで8分間隔ですが、これを全部直通化は出来ません。となると、8分ヘッドの2回に1回の16分ヘッド。夕方も7分ヘッドの2回に1回の14分ヘッドが直通となるわけで、終日10分ヘッドに近い千葉線のダイヤと噛みあいません。やるとすれば京成津田沼で1〜2分停車を前提にした30分ヘッド(朝)や20分ヘッド(夕)しかないわけで、これはあまり効率的ではなさそうですし、アピールにも欠けるでしょう。

とはいえ、次のステップはそれをどう克服して直通を増やすかと言う話になるでしょうし、そうなるくらいに直通客が増えて欲しいものです。

千葉線に踏み出す直通電車





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