このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
若
桜
鉄
道
の
風
景
其
の
二
鳥
取
県
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12月中旬、早くも雪が積もった。
朝一番の列車が、白みかかった八東の集落を滑るように走っていく。
昇りつつある朝陽の光と、沈みつつある月の明かりが混ざり合う中で、列車は静かに動き出した。
丹比駅近くの大銀杏は、まだ青い葉もあれば散り急ぐ黄色い葉もあった。
丹比駅はひっそりとしていた。
乗客はいつ来るのだろう。
安部駅に列車が着いた。
でも乗る人はいなかった。
隼駅の駅舎とプラットホームは、開業当初そのままである。
切符売り場の窓口が、静かに佇んでいる。
八東川に薄い川霧が漂っている。
鉄橋を渡る音が、凍てつき乾いた空気を揺さぶる。
エンジンのうなり声が、うすっぺらな雪の層へ吸い込まれていく。
列車が走り去った後、あたりはすぐに静寂へ戻る。
冬将軍の足音が、山の向こうから聞こえてきた。
もうすぐクリスマスを迎える。
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