このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

化成品タンク車の仕分線_2番線
【第2種タンク車】主として引火性が強く揮発性が高い液体に用いる

タ2000形 タ2001 【第2種】

10トン積みアルコール専用のタンク車で、戦前の昭和14年に新潟鉄工で製造された二硫化炭素専用タンク車 タム200形を昭和17年に改造した車です。
元々小形の「タ」は種類が少なく、撮影当時は「最後のタ」 そして最後の戦前製タンク車として、ファンの人気がありました。

1995.12

タム3250形 タム3267【第2種】

ベンゾール専用の15t積タンク車です。昭和24〜35年にかけ83両製造または改造で 本形式に編入されました。製造メーカーも日車・新潟・汽車・川車・三菱・帝車 といった主要メーカーだけではなく東洋レーヨン、カテツ交通、日本鋼管、市川重工が 名を連ねているのが、いかにも終戦直後のタンク車らしいところです。 大半がタム500形のようなノーマルな形態でしたが、一部には戦災復旧車、オフセットドームなどの変形 や、タキ3000形と同じタンク径のズングリ形があったようです。平成元年に形式消滅しました。
写真の車は第7ロット/タム3267〜3271で昭和25年新潟鉄工製。軸距4100mm、タンク内径φ1800、 タンク全長7600mm。筆者が撮れたのは、当時は淡泊だったこともあってこの1両のみ。 廃車は昭和54年8月27日でしたので、除籍後すでに 1年経過していました。西長岡にさらに長期留置されていてたのでファンには有名な車でした。
1980.08 西長岡
タサ3000形 タサ3013 【第2種】

戦前製の20t積アルコール専用タンク車です。昭和13〜19年にかけて全車新潟鉄工で 82両製造。内昭和19年製2両がブタノール及びアセトン専用のキセ付で特異なグループであった 以外は、アルコール専用で写真の形態です。台枠が側梁中央省略で、台車は戦前の貨車用 標準台車であったTR20。 写真のタサ3013は第2ロット/3010〜3019に属し昭和13年製です。登場時タンクは銀色塗装、後に黒に変りました。
昭和50年代まで比較的まとまった両数が残っていたため、石岡、磐田、肥後大津などアルコール輸送の 拠点など各所で目にすることが出来ました。写真は熱田の内外輸送に来ていたものです。平成元年に 形式消滅しました。
どーでも良い余談ですがこの車、タンクバレルの板継ぎが1600mm刻み、タンク外径も2000mmと、 1/80模型を作れと言わんばかりの寸法になっているのが面白いところです。
1981.10 熱田
タキ3500形 タキ3524【第2種】

戦後の代表的なアルコール専用タンク車です。戦前のタサ3000形、タサ3200形の拡大形式で 初の30t積です。昭和29〜39年にわたって177両が新造、2両がタキ1500形からの改造で 誕生しました。外観は、上記のタキ1500形同様、平形台枠に普通鋼製直円筒、ドーム付きタンク で、タンク内面には積荷の純度保持のためエポキシ樹脂がコーティングされています。 写真の車は第12ロット/タキ3523,3524で昭和34年造機製。同形式も外観変化が少ない形式ですが 右隣の僚車の台枠を比べると、3524の方がチャンネルの厚さが高く見えます。 西長岡には他のタンク車もたくさん居たので、全部撮っておけばよかった と今になって悔やんでも後の祭りですね。
1980.08 西長岡

タキ7200形 タキ7207 【第2種】

昭和34年富士重製のタキ3000系のアルコール専用タンク車です。積荷の純度保持のため、タンク内面を ステンレス張りとしたもので、昭和36〜38年頃の臨時専用種別を見ると「清酒」 「原料ぶどう酒」輸送に使用されています。ところがステンレス張りの特質を活用した 化成品への転用ということでしょうか、昭和38年8月にタキ7206と7207のみ 突如「プロピレンオキサイド」臨時専用に。一方日車本店の記録には「S37.7.5落成: 三井石油化学:30t積プロピレンオキサイトタンク車改造:2両」があり、時期的にも ピッタリ符合し、この時に日車本店で断熱装置を追加した可能性があります。 【参考文献:吉岡心平氏のHP:外観研究室タキ7207】
写真は鹿島鉄道鉾田線、 常陸小川での撮影ですが、この時はアルコールを運んでいたようです。
1982.1
タキ8500形 タキ8500【第2種】

パラアルデヒド専用タンク車として唯一の形式、かつ1形式1ロット 1両の希少種です。昭和35年の三菱重工製で、ステンレス(SUS304)製ドーム付 タンクを持ち、保温断熱のため50mmグラスウールと遮熱被い(キセ)を設け、タンク内には 蒸気管加熱装置を持っています。
新製後45年近くにもなりますが健在で、ダイセル化学工業の所有として通常は 山陽本線大竹駅に、同じく1形式1両のタキ750、タキ10800と共に在線 しております。
撮影当日は珍しく雪で、現地に着いた時にはタンク上に積雪があり、 融けて写真が撮れるようになるまで2時間待っていました。
2001.01 大竹
タキ8550形 タキ8559 【第2種】

我が国初の30t積PPG(ポリプロピレングリーコール)専用タンク車です。 PPGはポリウレタン樹脂などの 原料で、昭和39年に本形式が最初に登場しました。タンクはSUS304のステンレス クラッド鋼を用い、外周に外部加熱装置、グラスウール、遮熱被い(キセ)を 設けています。
写真の車はJOT所有の第5(最終)ロット1両で、昭和42年日車製。他の8550形(日車、若松、 富士重製)が三井東圧化学所有でカマボコ形キセであったのに対し、直円筒キセに 台枠長さも200mm長く、高い位置の一体歩み板も相まって、堂々たる外観を 誇って他が廃車後も最後までがんばっていましたが、2002年春に半田埠頭で解体され、 本形式は消滅しました。

1999.02 清水
タキ9400形 タキ9401 【第2種】
脂肪酸専用のタンク車です。本形式は昭和37年に富士重で1両、昭和43年に富士重と汽車東京で 各1両ずつ増備され、計3両で3ロットが存在しました。タンクはドーム付ステンレス製で 周囲にグラスウール断熱材+遮熱被いのキセ付となっています。BC間距離、 台枠寸法はタキ3000形の標準タイプと同じです。所有者は3両とも当初花王石鹸で、 おなじみの"微笑み三日月マーク"がタンクに標記されていましたが、最終的には 日本石油輸送となりました。
第1ロット/タキ9400は断熱材厚さが50mmでしたが第2・3ロットでは100mm に増強され、そのためキセ外径が100mm太くなり、一見して太ったのがわかります。 第2、第3ロットの違いは一見なさそうですが、汽車会社は資料的に乏しいため 詳細は現在も不明です。タキ11300と違って、同一仕様のタンク車を別メーカーに 発注することは、競争、牽制効果もあるので、これは理解できます。
1999 半田埠頭

タキ20600形 タキ20600 【第2種】

35トン積み脂肪酸専用タンク車です。化成品を積荷とするタンク車においては、 基本となるガソリン・石油類タンク車の形式があり、その設計を流用するケースが多々あります。 この車はタキ35000形ガソリン専用タンク車の車長を引き伸した設計で、 積荷の性状から、蒸気加熱管を装備し、タンク周囲にウレタン断熱材を巻いて キセ(覆い)で覆ってあります。 昭和46年日立製で1形式1両しかなく、撮影チャンスは2回しかありませんでした。

2000.04

タキ25900形 タキ25900 【第2種】

アクリルアマイド液専用のタンク車です。アクリルアマイドは接着剤等の原料で、内径1900mmの鉄タンクにウレタン断熱材・キセなど断熱装置を備え、外観は堂々としています。タンク内部はフェノール樹脂コーティングがされています。九州の黒崎からはるばる中京地区へ運用され、名古屋臨海の東港駅でいつも見ることが出来ました。写真はTR41E-12を履く昭和49年三菱重工製の第1ロットですが、第2ロットのタキ25904だけはTR225でした。

1998.01


<操車場入口に戻る>

 


<ご注意>
写真およびテキストの著作権は、すべて本ページの作成者である「タメさん」に帰属し、 無断転載は固くお断りいたします。

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください