| タキ10450形 タキ10471 【第3種】
32t積濃硝酸タンク車です。登場時は35tでしたが、硝酸蒸気の漏洩が相次いだため、 タンク空容積を増やすために「減トン」されました。タンクは純アルミ製で受台は大形、 歩み板の足がムカデのように沢山あるのは、弱いアルミタンクへの集中荷重を避けるためと思われます。 外からは見えませんが、アルミタンクお約束の皿形波除板がタンク内に設けられています
この車は本形式の第8ロット/タキ10467-10471で川崎重工製。車籍編入は昭和48年12月13日付で、 日本化成所有、青海常備(誤植?!?)でスタートしています。撮影時は三菱化学(第三者使用)で、常備駅は 日本化成時代の宮下(福島臨海)と標記されていますが、黒崎臨時常備となり、黒崎〜三井化学大牟田 間で活躍しています。2003.06 黒崎 |
| タキ10850形 タキ10850 【3種】
染料製造に使用するニトロシル硫酸溶液専用35t積タンク車です。 昭和52年日車製で1専用種別1形式1両。 タンクはステンレス製ながら黒色塗装。ドームレスタンクですが、ドームのように見えるのは 弁類やマンホールなどを保護するプロテクタです。変っているのは 底部の長手方向に外部加熱装置を設けていることです。台車はTR225。
1形式1両と希少価値があったものの、ご当地名古屋では東港・汐見町で見かけましたが 平成10年秋、半田埠頭で解体されました。
1989 汐見町(名古屋臨海鉄道) |
| タキ11300形 タキ11300 【第3種】 35t積リン酸専用タンク車です。昭和43年に川崎車輌・汽車会社で2両製造され、写真はその 第1ロット/タキ11300です。濃硫酸専用タキ5750と類似した軽量構造・形態を採っており タンクは直円筒ドームレスタイプ、ステンレス製で銀色です。川崎製タンク車は運転関係標記板 が鉛直なのが特徴でタキ5750形やタキ9900形の他、本形式もそうなっています。
ところでこの第2ロット/タキ11301はタキ7050形第1ロットに似たドーム・補強環付 タンク車で全く形態・寸法が異なり他の車種であれば別形式になっていたところでしょう。
所有者は共に日本化学工業で車籍編入は11300が8月3日、11301が同月31日。何故 同時期に別メーカーに1輌ずつ別形態のタンク車を発注したのか、実務的に考えればデメリットが 大きいので、謎です。
半田埠頭駅の常連で、ここでタンクローリーに積替えていました。1991 半田埠頭 |
| タキ20350形 タキ20351 【3種】 元々はブチラール樹脂の原料であるブチルアルデヒド専用タンク車でしたが、平成に なってアセトアルデヒドシアンヒドリンという舌を噛みそうな積荷に専用種別変更 されました。本形式5両すべてが日車製で、昭和55〜57年の製造。タキ38000形の設計系列ですが、 このキセを持たない化成品タンク車への展開は本形式のみでした。
タンクはステンレス製で3バーレルの構成、上端を直線で揃え、両端を円錐形とした 異径胴となっています。写真はJOT(日本石油輸送)所有の第1ロットです。
2000.01 郡山 |