| エ1形 エ99
(元ワム1形) 事故復旧の際、救援機材を積んで現場に駆けつける「救援車」です。 しかしこの車は、現存する唯一の救援貨車であるばかりでなく、 大正初期に登場した初めての15トン積み木製有蓋車で、昭和初期 まで大いに活躍した「ワム1形」の流用車であることも重要です。 当初形式(M44年制定)はワム23000M44形で、 昭和3年にワム1形に なりました。車体側面の斜めの平帯鋼による筋交(すじかい)は昭和初期の 補強改造で追加されたものですが、それ以外は原形を止めています。1990.03 |
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キ600形 キ609 雪かき車の一種「ロータリー雪かき車」です。石炭炊きの蒸気機関を持ち、これで 前頭部の羽根を回転させて、雪を”掻き飛ばし”ます。後部には炭水車 を連結し、除雪使用時は機関車に推進されます。最初大正12年に 米国から2両輸入され、国鉄工場で増備され、昭和3年キ300形、その後キ600 形に改番されました。最大数は16両で日本海側から北海道にかけて配置されて いましたが昭和50年に消滅。現在はディーゼル機関車に役目を譲りました。1970.07 |
| ソ80形 ソ80
脱線事故の復旧用のクレーン車「操重車」です。蒸気動力であった昭和10年製の ソ30形の改良版でディーゼルエンジンを備えています。昭和31〜44年にかけて 21両製造されました。最大吊り荷重は65t。3タイプあって、前期形ソ80〜83の 動力はディーゼル電気式で、ブームがくの字形で、主巻・補巻2種備え、中期形(ソ84〜97)以降 はディーゼル油圧式となり主巻きのみの真直ブームとなり、 後期形(ソ98,99,180)では、さらに俯仰装置が変更され、軸受けがコロ軸受 となりました。国鉄の形式図でも3種に分類されております。 台車は板台枠の3軸ボギーで自走が可能です。
JR旅客会社各社に合計9両が引継がれましたが、現在は脱線復旧はトラッククレーンに譲って現役を引退 しました。
写真はトップナンバーで稲沢の配属。控車としてチキ1159を従えていました。1980.05 稲沢 |
| ヒ600形 ヒ852 入換え用控車です。最初昭和29年に大正生れのトム16000形から改造され、次いで ワム3500・スム1形の時期を経てワム90000・テム300・テラ1形といった2段リンク車に 種車も代っていき、写真の ヒ600形は最終グループで昭和56年にワ12000形の改造で誕生しました。そのため短軸距と なっています。また同時にヒ600形のラストナンバーです。 現在も多度津工場の入換え用に美しい姿で用いられているのは、嬉しい限りです。片側は 密着連結器に代っていますね。
2003.10 |
| ミム100形 ミム148
蒸気機関車全盛時代、水質の悪いところへ水を運ぶ貨車として製造されたのが 水槽車です。貨車の種類としてはタンク貨車に属し、 古くは廃車となった明治期の蒸気機関車の炭水車を流用した ものや、特急燕でC51の次位に連詰された30t水槽車転用のミキ20形などがあり、 石炭車からの改造や新造で登場した角形タンクのミ10形 も普及しました。
写真のミム100形は老朽化したミ10形等の代替として昭和25〜31年に製造された 水槽車です。協三工業などで105両製造され、機関区に 分散配置されていました。1段リンクのままのためヨンサントウでは65km/h 指定で黄色帯、ロ記号が付加されました。SL廃止後は用途を失い、ヤ500形に 7両が改造された他、減少しましたが各地に少数残っていたので、100%蒸気機関車の 補水用だけではなかったようです。
JRに引継ぐことなく形式消滅しました。1981.03 香椎貨車区 |