| タキ10000形 タキ10054【第1種】 35t積石油類(除ガソリン)専用タンク車です。日車開発のフレームレス異径胴タンク車に 対抗して汽車で開発された軽量35t積タンク車です。ガソリン専用タキ9750形の石油類 バージョンとして昭和38〜42年に汽車・東急・川車・新潟・富士車で製造されました。 台枠中梁は「汽車会社がコラ1形でも採用した」ハット(_Π_形)形断面とし、側梁中央を 省略した軽量台枠上に内径2200mmと太いタンクを載せており大柄な"上背"を持っています。 写真は標準タイプを示し、直円筒タンクに小判形ドームですが、 タキ10023・24はドームが円形、タキ10063・64はタンクがタキ9750形のような両端絞り形状、タキ10074〜83は積空ブレーキ などのバリエーションもあります。 総勢84両で、活躍はしましたが合計で1000両を超えた9900・9800形に対抗できる勢力には育 たず、平成13年10024を最後に姿を消しました。1992 名古屋南港 ※050509:台枠の解説、積空ブレーキ付の番号を変更しました。 |
| タキ30000形 タキ30001 タンク車の内部には、液面揺動による衝撃の緩和の目的で「波除(なみよけ)板」と呼ばれる仕切板が数カ所に取付けられていました。しかし亀裂発生の原因になり、却ってタンクの性能維持に悪影響を与えることが判明、そこで、昭和35年、タキ3000形の内、新潟鉄工所製の2輌の波除板を試験的に廃止し新形式タキ30000を起しました。結果は良好で、これをきっかけに波除け板は廃止されましたが、以降はタキ3000形として増備されたため、本形式の2輌は取残され珍形式となりました。
1990.05 根室本線 新富士 |
| タキ35000形 タキ35765【第2種】 ガソリンタンク車はフレームレスタキ9900系への対抗としてタキ10000形が開発され るなど、種々の構造のものが競作されましたが、保守を引受ける国鉄にとっては好ましく ない傾向、そこで各メーカーの軽量化技術を統合させるべく、メーカー共同設計による"国鉄標準設計車"タキ35000形 が開発されました。
耐候性高張力鋼製で、中央が太い同心異径胴のタンクはドームレス構造。 安全弁は内蔵型とし保安度を向上させています。台枠も軽量化構造。 日車・帝車・舞鶴他で昭和41〜48年に計1108両も製造されました。 メーカー差異は見られず、一見趣味的興味が薄そうですが、 試作車(35000、35027)、片側→両側ブレーキ、台車(TR41C→41G→ 41E12)という時代フェーズの差、安全弁の種類、吐出弁操作位置、 歩み板材質、臨時専用種別による小改造といった細部の差異が存在し、細かく観察すると面白いものです。日本オイルターミナル所有のものは青色でした。写真の車は第78ロット/タキ35765〜35767、昭和44年新潟製です。
廃車が進んでおり、今の内撮影しておくことをお勧めします。2002.05 汐見町 |
| タキ40000形 タキ40007【第2種】
43t積みのタキ43000系の保安度向上を狙った40t積ガソリン専用タンク車です。 中央が太い異径胴タンクで、タキ43000形同様上辺が一直線で、テーパー部が傾斜円錐になっております。 タキ43000形よりタンクも軸距も長くなっていますが、荷重より保安度向上を重視し、荷重は3t減の40tとしました。昭和51〜56年に日車、三菱で140両製造。登場時は成田空港ジェット燃料輸送用として「灯油(A-1)専用」と 標記しておりました。所有者は全て日本石油輸送でメーカーも三菱重工と日車2社のため個体間差異がなく、 趣味的には面白みの無い形式です。 しかし、かつて改造車がポッと出た(現在は復帰)ことがありますので「各々方、ご油断めさるな」
2004年度初全車健在なのは喜ばしいことです。2001 汐見町 |
| タキ45000形 タキ45314【第1種】
"国鉄統一設計車"タキ35000形の石油類(除ガソリン)専用版、35t積タンク車です。軽量台枠の上に耐候性 高張力鋼製の葉巻形同心異径胴タンクを設け、ドームを廃して空容積をタンク内に設けたドームレス構造で、保安のために安全弁はタンクに内蔵されています。タキ35000形より車長が短く、加熱管を持っております。昭和41〜48年に日車、川崎、 日立、富士重、新潟で589両も量産されました。石油ショックの余剰でタキ15800形(エチレングリコール)、タキ46000形(濃硫酸) に改造されたものもあります。タキ35000形に比べ 所有者による微小な差異は少ないようですが、まとまった研究報告はなく、これから 整理・解明の楽しみはあります。現在では最若番はタキ45005ですが、相当減少しており、 2004年度初残存139両。記録は今の内です。2002 汐見町 |
| タキ50000形 タキ50010 昭和35年に登場した、ガソリン専用マンモスタンク車。 大型化による輸送経費・保守費の効率化を狙って 日車で開発されたタンク車で、中央の太い異径胴タンクを採用し、 大径部分と干渉する台枠中梁を省略して魚腹状の側梁で強度を保持しています。 台車は鋳鋼製3軸ボギーTR78。写真は3番目のロットで、受台が前後2組ずつの4組 +タンクバンド片側1本となっています。日車独占製造は許されず、帝国車輌でも製造されました。
1982.4 |