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マスコミと人の本質


高井田 叢雲 (たかいだ ・そううん


 表向きにはインテリジェンスを感じるニュース番組や報道番組をしているマスコミだが、やはり、最も大衆のニーズに応えているのは、ワイドショーである。 そんなワイドショーを見ていると、やはり、人の本質というものが見えてくる。

 最近のワイドショーでの話題と言えば、何と言っても国会である。 3月の初めは鈴木宗男の疑惑の話題が大半であった。 鈴木宗男を悪の権化のように面白おかしく報道していた。 そして、出てくるコメンテーターも野党に同調し、「宗男議員の疑惑は徹底的に解明されるべきだし、自民党にたまった膿を出し切るチャンス」 のようなことをしきりに、どの局でも言っていた。 それが、3月下旬頃からは、突如辻本清美の政策秘書給料詐欺疑惑だ。 ワイドショーではしきりにこれが報道される。 そして宗男のことは報道もされなくなり、マスコミも自民党に同調し、辻本清美の疑惑解明をすべきと言い出す。

 このようにマスコミには、全く一貫性などないのである。 鈴木宗男がやったプラスになるようなこと(マスコミが報道しないから、どんなことかは分からないが)はもみ消し、ひたすら疑惑だけを報道する。 そして「鈴木宗男、涙の記者会見!!」などと銘打ち、してやったりと報道する。 そして今度は、出る杭は打つとばかりに辻本清美たたきだ。 『不正を正す正義の味方』気取りで、『弱いものいじめ』をしているだけである。

 このようなマスコミの体質は、いうまでもなく視聴者である大衆の要望が具体化したものである。 「いじめをなくそう」とか「一人一人は平等だ」とか言ってみても、やはり弱いものいじめや、目立つ人への妬みが大衆の心の底にはあるのだ。 余談だが、殺人事件の様子をあたかも見ている人が殺人者になったかのように、事細かに報道するのも、やはり大衆が犯罪にならないのなら、一度は人を殺してみたいと思っているからだろう。

 このように、いくら文明が進歩し、本能を思想や、理性で繕ってみても、人の本質は永遠に変わらないものである。 人は原始以来、何ら進歩はしていないのだ。


© 2002  Soun Takaida

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