このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
トップページに戻る | コラム集の目次に戻る || サイトマップ
2002年12月16日、とうとう、海上自衛隊のイージス艦「きりしま」が、米国の「対テロ戦」の支援に向けて出港してしまった。
憲法の禁じる集団的自衛権の行使にもつながりかねない強力な艦船の派遣が、世論に対する明確な回答もなく、国会への報告もされないままに、ごく少数の政府首脳陣のみによって決定されたことには、怒りをあらわにせずにいられない。
だが、マスコミを含め、日本国民は皆、本当に大事なことを忘れていないだろうか?
テロ対策特別措置法が国会で審議入りしたときにも、同法に基づいて護衛艦がはじめてインド洋に派遣されるときにも、様々な議論があった。それは、対米支援の是非であり、戦闘地域周辺への自衛隊派遣の是非であった。
それに比べ、今回の議論は何だろうか。対米支援の拡大の是非であり、戦闘地域周辺へのイージス艦派遣の是非である。議論のレベルが大幅に後退しているのは明らかなことであろう。どうしてマスコミも、世論も、その点を指摘しようとしないのであろうか。
イージス艦などという目先の問題にだまされてはいけない。真の問題は安全保障に関するものであり、あるいは憲法に関するものである。政府の目論みは、既成事実の積み上げによる規制緩和の実現、さらには、憲法解釈の変更による事実上の改憲である。このようなことを、なし崩し的に認めてしまって良いのであろうか?
★ ★
© 2002 Chisato Hayahoshi
トップページに戻る | コラム集の目次に戻る || サイトマップ
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |