━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第2号(2003.03.15) コマンド入力書式の研究 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● 「パソコンを自分で動かしている」という感じ ■ コマンド入力書式の研究 ● 復習:MS−DOSの基本 ● 大文字と小文字 ● 全角と半角 ● コマンドとオプション ● ヘルプ ■ DIRコマンド ● とりあえず使ってみましょう ● 使い方を調べる ● 1画面ずつ表示させるには ■ メールお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ 新しく登録された方、メルマガ登録ありがとうございます。 「いざというときに役立つMS−DOS」執筆者の速星です。 このメールマガジンは、MS−DOSの使い方を中心に、パソコンについての幅 広い知識を身につけるためのメールマガジンです。 今後の配信予定やバックナンバーは、下記URLをご参照下さい。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ さて、前回は「MS−DOSの基本」と、創刊号にしては地味な内容でしたが、 DOSを扱ったメルマガがほとんどないことも手伝ってか、案外好評だったよう です。発行部数も1905部と、予想よりはるかに大きな数字になりました。 ご購読、本当にありがとうございます。 今回は、コマンドの入力方法について詳しく説明します。 DOSを使う上での基本になりますので、確実に身につけて下さい。 今回までの内容をマスターすれば、DOSが一応使えるようになります。 なお、フォルダ構成やMS−DOS起動時のカレントフォルダは、環境によって 異なります。お使いの環境に合わせて適宜読み替えて下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● 「パソコンを自分で動かしている」という感じ 創刊号発行後、 > hello world! 文字列を表示することが出来ました。 などという報告メールを、何通もいただきました。ありがとうございます。 その中から1通、引用させていただきます。 > MS−DOSを使いながら、WordとExcelのデータをバックアップし > たのを思い出します。その時の感覚が「パソコンを自分で動かしている」とい > う感じで、MS−DOSのおもしろさを実感しました。 ありがとうございます。 DOS上での操作はコンピュータに直接命令を出すものが多いですから、慣れれ ば、コンピュータを操作するおもしろさも生まれてくるのかもしれませんね。 ただ、直接命令できる分だけ危険も多くなるということを、忘れないようにして 下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ コマンド入力書式の研究 ------------------------------------------------------------------------ ● 復習:MS−DOSの基本 ・起動 「スタート」ボタン→「プログラム」、あるいは「スタート」ボタン→「プログ ラム」→「アクセサリ」にある「MS-DOSプロンプト」または「コマンドプロンプ ト」を選べば、DOSが起動します。 ・コマンド入力 「C:\WINDOWS>」の表示に続けてコマンド名(例えば“ECHO”)を入力し、 Enterキーを押すことで、コンピュータに指示を出すことができます。 (マウスは使えません) ・終了 「EXIT」と入力してEnterキーを押すか、ウインドウ右上の「閉じる」ボタンを 押せば、DOSのウインドウが閉じます。 詳細は前号をご覧下さい。 バックナンバーは下記URLからどうぞ。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ------------------------------------------------------------------------ ● 大文字と小文字 これまであまり気にせずに使ってきましたが、半角英数字には、大文字と小文字 があります。MS−DOSでは、どちらを使えばいいのでしょうか? 実は、MS−DOSには大文字と小文字の区別がほとんどありません。 つまり、通常はどちらを使っても同じ結果が得られます。 大文字と小文字が区別されるのは、ECHOコマンドのように入力した文字をそのま ま画面に表示させるときや、入力した文字をそのままファイルに保存するときな ど、限られた場合だけです。 このメールマガジンでは、基本的に大文字を用い、区別がある場合にはその都度 説明することにします。 ------------------------------------------------------------------------ ● 全角と半角 今までは半角英数字ばかりを扱ってきましたが、MS−DOSプロンプト上で全 角文字を入力したい時も、まれにあります。例えば、ファイル名が漢字を含む場 合がそうです。そのようなときは、Altキーを押しながら「全角/半角」キーを 押すことで、日本語入力をオン/オフすることができます。 ------------------------------------------------------------------------ ● コマンドとオプション 前号で、次のように説明しました。 MS−DOSでは、コマンド(+文字列)を入力し、続いてEnterキーを押すこ とで、コンピュータに指示を出します。 従って、例えば「ECHO Hello World!」という指示は、2つの部分に分けること ができます。 1つ目は、「ECHO」という部分です。これはコマンドと呼ばれる、コンピュータ に命令を出す部分です。 この場合、画面に文字を表示せよ、という命令を出すわけです。 2つ目は、「Heloo World!」という文字列の部分です。これは一般的には、オプ ション、パラメータ、引数(ひきすう)、スイッチなどと呼ばれており、コマン ドの動作条件を指定するために用いられます。 例の場合、どんな文字を画面に表示するかを指定するために使用されています。 半角スペースで区切って複数個のオプションを指定することも、よくあります。 以上より、DOSでの入力書式は、一般的には以下のように表せます。 コマンドとオプションの間、およびオプションとオプションの間の半角スペース を忘れないようにして下さいね。 なお、ここで利用している表記法については次項で説明します。 コマンド [オプション [ ...]] ------------------------------------------------------------------------ ● ヘルプ 利用できるオプションの種類は、コマンドによって異なります。よほどのヘビー ユーザーでない限りは、1つ1つのコマンドでどんなオプションが使えるかなん て覚えきれません。 あるいは、コマンド名は覚えているけれど、何に使うコマンドなのかを忘れてし まった、ということもあるかもしれません。 そのようなときのために、ほとんどのコマンドには、ヘルプが付いています。 コマンド /? と入力して、Enterキーを押せば、ヘルプが表示されます。 つまり、「/?」というオプションは、そのコマンドの使い方を表示させるときに 使うオプションです。 なお、入力後にEnterキーを押すのは常に共通の操作なので、今後はいちいち書 かないことにします。「〜を入力」と書かれていたら、「〜」を入力した後に Enterキーを押す、という意味だと思って下さい。 では実際に試してみましょう。 ECHO /? と入力して下さい。下のような文章が表示されるはずです。 メッセージを表示したり, コマンドエコーの ON と OFF の切り替えをします. ECHO [ON | OFF] ECHO [メッセージ] パラメータの指定がなければ, 現在のエコー設定が表示されます. この文章の1行目は、このコマンドでできることの説明です。 そして2行目・3行目にあるのが、ECHOコマンドの書式の説明です。 書式の表記法を確認しておきましょう。 [ABC] 括弧に囲まれたオプション(ABC)は、記述しなくても構いません。 逆に言えば、括弧に囲まれていないオプションは、必ず記述しなければ いけません。 ABC | XYZ 縦線の両側にあるオプション(ABCとXYZ)は、同時に記述できません。 いずれか片方(ABCまたはXYZ)のみを入力する必要があります。 [ABC | XYZ] 上記2つの組み合わせ。つまり、オプション「ABC」「XYZ」は、いずれ か片方のみ入力可能です。また、どちらも記述しないままにしておくこ とも可能です。 ファイル名 [ ...] [ ...]は、繰り返しが可能であることを表す記号です。 この例の場合は、複数のファイル名が記述できることを示しています。 ECHOコマンドの場合、「ECHO」「ECHO ON」「ECHO OFF」「ECHO メッセージ」と いう4種類の書式があることが分かります。 このうち、前の3種の書式については、少々難しいのでここでは説明しません。 (第10号あたりで説明する予定です) 一番最後の「ECHO メッセージ」という書式が、前号から利用している 「ECHO Hello World!」 の書式であるということだけ理解してもらえれば、今は十分です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ DIRコマンド ------------------------------------------------------------------------ DIRコマンドは、カレントディレクトリ(カレントフォルダ)にあるファイルの 情報を一覧表示させるためのコマンドです。次号で説明する予定のCDコマンドと ともに、MS−DOSを使う上で最も頻繁に入力するコマンドの1つです。 カレントディレクトリとは、いま注目しているフォルダのことでしたね。 例えば、「C:\WINDOWS>」と表示されていたら、いま「C:\WINDOWS」というフォ ルダに注目しているということですから、その状態でDIRコマンドを使えば、 「C:\WINDOWS」というフォルダにあるファイルの情報が一覧表示されます。 ちなみに、コマンド名の「DIR」はDirectory(ディレクトリ)の略だと思います が、未確認です。どなたかご存じの方があれば、メールお願いします。 ------------------------------------------------------------------------ ● とりあえず使ってみましょう それでは、「C:\WINDOWS>」といった表示に続けて、 DIR と入力して下さい。 先程説明したように、アルファベットは大文字でも小文字でも構いません。 さて、Enterキーを押した途端に、ものすごい勢いで文字が表示されたかと思い ます。これが、カレントディレクトリにあるファイルの情報の一覧です。 ------------------------------------------------------------------------ ● 使い方を調べる さて、とりあえずファイルの情報の一覧は表示されたわけですが、カレントフォ ルダにたくさんのファイルがあると、1画面では表示しきれず、初めの方に表示 された情報は、あっという間に画面の外へと消えてしまいます。 これを落ち着いて読む方法は、もちろん、ちゃんとあります。 なお、Windows2000,XPのコマンドプロンプトにはスクロールバーがあり、これを 使えば極めて簡単に1画面分以上の情報を読みとることができます。 でも、Windowsが起動しない「いざというとき」には、このスクロールバーは使 えないはずです。ですから、これらのバージョンのWindowsをお使いの方も、サ ボらずに、以下の文章をきちんと読んでおいて下さい。 では、ヘルプを見てみましょう。 DIR /? と入力すると、下のような説明が現れます。 ディレクトリ中のファイルとサブディレクトリを一覧表示します. DIR [ドライブ:][パス][ファイル名] [/P] [/W] [/A[[:]属性]] [/O[[:]並べ順]] [/S] [/B] [/L] [/V] [/4] 一覧表示させるドライブ, ディレクトリ, ファイルを指定します. (拡張ファイルや複数のファイルも指定できます.) /P 一画面ごとに停止して表示します. /W ワイド一覧形式で表示します. -----(以下略)----- DIRコマンドの場合は、記述できるオプションの数が多いために、書式の説明が 2行にまたがっています。けれども、実際にコマンドを入力するときには、改行 せずに入力しなくてはいけません。 書式の下に並んでいるのは、それぞれのオプションについての説明です。 指定できるオプションの数が非常に多いのでややこしいですが、次の3種類にま とめることができるでしょう。 [ドライブ:][パス][ファイル名] [/A[[:]属性]] [/S] どのディレクトリ(フォルダ)のファイル一覧を表示するか [/P] [/W] [/B] [/L | /4] [/V] どの形式で表示するか [/O[[:]並べ順]] どのような順序で表示するか (Windows2000,XPではこれ以外のオプションも使用できます) このコマンドはとにかく慣れです。はじめは戸惑うかもしれませんが、慣れさえ すれば、非常に効率よくファイルを探すことができるようになります。 指定するオプションをいろいろと変えて、練習してみて下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● 1画面ずつ表示させるには ここまで読めばもう、DIRコマンドで表示されるファイル一覧を落ち着いて読む 方法はお分かりですね。次のような書式になります。 DIR /P オプション「/P」を指定してやれば、1画面ずつ読めるようになります。 実際に入力してみて下さい。 (ファイル一覧がはじめから1画面におさまっている場合は、オプション「/P」 を指定しても結果に変化はありません) ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! キーボードばかりでの操作にも少しは慣れてきたでしょうか? 前回と今回とで、皆さんはもう、コマンド名さえ分かれば「/?」で使い方を調べ ながら何とかMS−DOSを使っていけるようになっているはずです。 コマンド名は、これから毎回、少しずつ紹介していきます。 次回の予定は「カレントディレクトリ」です。 配信内容が当初計画とは変更になっておりますので、ご注意下さい。 なお、変更後の配信予定については、下記URLをご参照下さい。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メールお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、下記アドレスまで気軽にお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたメールは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi