━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第5号(2003.04.05) MS−DOSとは(1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● お知らせ(質問募集) ● お知らせ(再来週は休刊します) ■ 続報:CDコマンド(CHDIRコマンド) ■ MicroSoft-Disk Operating System ● 16bitと32bit ● Windowsとの関係:Windows3.1まで ● Windowsとの関係:Windows95以降 ■ MS−DOSの起動方法 ● DOS窓 ● MS−DOSモード(Windows98) ● 起動ディスク ■ メールお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ 皆さん、こんにちは。速星です。 ウィークリーまぐまぐ総合版の「新着マガジン読者数総合ランキング」で、ビジ ネス版の第1位と紹介していただいて以来、このメルマガの読者数が急増してい ます。第4号はなんと6119人もの方にお届けすることができました。 まぐまぐの部数増加ランキング(前週比較)でも第4位になっているようです。 ここまで読者数が増えるとは思ってもいませんでした。ありがとうございます。 期待にお応えできるかどうか不安ですが、今後ともよろしくお願いします。 さて、今号では、MS−DOSそのものについて説明します。 少々堅苦しい話になってしまいますが、DOSがどんなソフトなのかを知らずに ただ使っているだけではいざというときに役に立ちませんから、我慢して読んで 下さい。 なお、このテーマは今号と第9号の2回に分けてお話しする予定です。 ------------------------------------------------------------------------ ● お知らせ(質問募集) 来週発行予定の第6号は、Q&Aを中心としたものにします。皆さんからお寄せ いただいた質問に、メルマガ上で回答いたします。 今号までの記事を読んで疑問に思ったことがありましたら、下記アドレスまで、 気軽にメールをお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいた全ての質問に回答できるわけではありませんので、あらかじめ ご了承下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● お知らせ(再来週は休刊します) 再来週の土曜日(4月19日)は、情報処理技術者試験の前日にあたります。 筆者も受験を予定しているため、準備の都合上、再来週は本メルマガの発行を休 ませていただきます。 私事で申し訳ありませんが、ご理解願います。 なお、今後の発行予定については下記URLをご参照下さい。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 続報:CDコマンド(CHDIRコマンド) ------------------------------------------------------------------------ 第3号で、CDコマンド(CHDIRコマンド)の名称について「CD(CHDIR)というの は、おそらく、Change Directory(ディレクトリ変更)の略だと思います(未確 認)」と書きましたが、これに関して情報をいただきました。 > 3/22 の CHDIR コマンド は 間違いなく Change Directory の略です. > 10数年前、アメリカ留学中にMS−DOSを少し学んでましたが、 > インストラクターは、CD を 「change directory」 と呼んでいました. ありがとうございました。 DOSのコマンド名には、CDコマンド以外にも多数の略語が用いられています。 各コマンド名の由来をご存じの方がありましたら、情報をお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ MicroSoft-Disk Operating System ------------------------------------------------------------------------ 「MS−DOS」とは「MicroSoft-Disk Operating System」の頭文字をとった もので、名前の通り、Microsoft社が開発したOSです。 OS(Operating System)とは、コンピュータを管理したり、コンピュータの使 用にあたって最低限必要な機能(キーボード入力の受け付けや画面表示の出力な ど)を提供したりするソフトのことです。コンピュータの機種による差を埋め、 どのコンピュータでも同じ操作ができるようにすることも、OSの役目です。 日本語では「基本ソフト」と呼ばれます。 代表的なOSとしては、DOSの他に、WindowsやMacintosh、UNIX、Linuxなど が挙げられます。 DOSは、現在ではWindows上で使うことがほとんどですが、元々は、Windowsよ りもはるかに歴史の古いOSです。 ------------------------------------------------------------------------ ● 16bitと32bit Windows上で実行できるプログラムは、16bitと32bitの2種類に分けられます。 「bit」(ビット)というのは2進数の桁数の単位ですが、この場合は、プログ ラム中で一度に計算できる2進数の桁数を表します。16bitなら16桁、32bitなら 32桁の2進数を、1度に計算できます。 たくさんの桁数を一度に処理できる32bitの方が高性能ですが、MS−DOS上 では通常、16bitのプログラムしか実行できません。Windows上からであれば、16 bitと32bitの双方のプログラムを扱うことができます。 ------------------------------------------------------------------------ ● Windowsとの関係:Windows3.1まで 1992年に発売されたWindows3.1までは、Windowsは、OSと呼べるほどのもので はありませんでした。当時のWindowsは、MS−DOS上で動作する16bitアプリ ケーションの1つに過ぎませんでした。ハードウェアの中にはWindowsが独自に 管理していたものもありましたが、ほとんどはMS−DOSによって管理されて いました。 下図に、Windows3.1とMS−DOS、ハードウェアの関係を示します。 【註】 図は、等幅フォントでご覧下さい。          ┌────────┐          │Windows     │          │アプリケーション│          │(16bit)    │ ┌────────┼────────┤ │MS−DOS  │ Windows3.1  │ │アプリケーション│ (16bit)   │ │(16bit)    │        │ ├────────┴──────┐ │ │ MS−DOS(16bit)    │ │ ├───────────────┴─┤ │     ハードウェア      │ └─────────────────┘ ------------------------------------------------------------------------ ● Windowsとの関係:Windows95以降 95以降のWindowsは32bitのプログラムであり、それまでのWindowsがDOSを通 じて命令を実行していたのに対し、DOSを介さず、Windows単独で大半の命令 を実行できるようになりました。 つまり、現在のWindowsは、DOSとは独立したOSとなっています。 MS−DOSアプリケーションも、MS−DOSではなくWindowsが管理するよ うになりました。 下図に、Windows2000とMS−DOS、ハードウェアの関係を示します。 図中の太線で囲まれた領域が、32bitのプログラムです。 【註】 図は、等幅フォントでご覧下さい。 ┌────────┬────────┏━━━━━━━━┓ │MS−DOS  │Windows     ┃Windows     ┃ │アプリケーション│アプリケーション┃アプリケーション┃ │(16bit)    │(16bit)    ┃(32bit)    ┃ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━┫ ┃       Windows2000 (32bit)         ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │         ハードウェア           │ └──────────────────────────┘ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ MS−DOSの起動方法 ------------------------------------------------------------------------ ● DOS窓 メルマガ第1号で、WindowsからMS−DOSを起動する方法を説明しました。 この、Windows上で起動したMS−DOSのことを「DOS窓」「DOSウイン ドウ」などといったりします。 前節で示した図からも分かるように、DOS窓は、WindowsがMS−DOSに そっくりの機能を提供しているものです。入力したコマンドは、DOSではなく Windowsが処理しています。つまりDOS窓は、95以降のWindowsが提供してい る、MS−DOSのエミュレーションです。 このため、DOS窓では、本来のDOSでは実行できない32bitアプリケーショ ンを起動することができます。 例えば、DOS窓で「EXPLORER」と入力してみて下さい。Windowsの「エクスプ ローラ」が起動するはずです。 DOS窓は、ファイルの検索やバックアップなど、日頃の作業を手軽に行うのに 最適なDOS環境です。 このメルマガでは、DOS窓での作業を中心に話を進めていきます。 ------------------------------------------------------------------------ ● MS−DOSモード(Windows98) Windows98では、コンピュータの電源を入れた後、初期画面が出ている間にF8 キーを押し、その後画面が変わるまで押しっぱなしにし、出てきた画面で 「command prompt only」 選択することで、MS−DOSを起動することができます。 なお、押すキーは機種によって異なる場合があるようです。お使いのコンピュー タの説明書を確認して下さい。 「スタート」→「Windowsの終了」で「MS-DOSモードで再起動する」を選んでも 同様です。 MS−DOSモードは、Windowsの代わりにDOSが起動している状態です。 従って、EXITコマンドを入力すると、MS−DOSモードが終了し、Windowsが 起動します。 MS−DOSモードは、Windowsのシステムが常時使用しているファイルを更新 するなど、Windows上ではできない操作をするときに役に立ちます。 また、Windowsが正常に起動しないときにも、MS−DOSモードで起動して、 Windowsの復旧を試みたり、必要なデータを退避したりすることになります。 ┌────────┐  ┌──────────┐ │MS−DOS  │  │Windows       │ │アプリケーション│  │アプリケーション  │ │(16bit)    │  │(32bitまたは16bit)│ ├────────┤  ├──────────┤ │MS−DOS  │←→│Windows98      │ │モード(16bit) │  │(32bit、一部16bit)│ ├────────┴──┴──────────┤ │        ハードウェア        │ └──────────────────────┘ ------------------------------------------------------------------------ ● 起動ディスク 前号で作成方法を説明した起動ディスクからも、MS−DOSを起動することが できます。この方法の詳細は第7号で説明しますが、このときのMS−DOS は、Windowsとは無関係に、単独で起動しています。 ハードディスクのマスターブートレコード(起動時に最初に読み込まれる領域) が破損してコンピュータが正常に起動しなくなったときや、BIOSのアップデート を行うときには、起動ディスクが必要となります。 このメルマガでも、前号からスタートした「システムトラブルからの復旧法」と いうテーマ(次回は第7号に掲載予定)に関しては、起動ディスクから起動した DOSでの作業を中心に説明をしていきます。 ┌───────────┐ │ MS−DOS    │ │ アプリケーション  │ │ (16bit)      │ ├───────────┤ │MS−DOS(16bit) │ │(起動ディスク使用) │ ├───────────┤ │  ハードウェア   │ └───────────┘ ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次号の予定は「Q&A特集」です。 なお、「MS−DOSとは(2)」は第9号に掲載予定です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メールお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、下記アドレスまで気軽にお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたメールは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi