━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第7号(2003.04.26) システムトラブルからの復旧法(2) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● TRON ● お知らせ(「まぐまぐ」より)(再掲) ■ システムトラブルからの復旧法(2) ● 【重要】 MS−DOSを過信しないように ● コマンドを1つずつ実行(WindowsXP以外) ■ DOS上での修復作業 ● MS−DOS(単独)の起動 ● スキャンディスク ● レジストリチェッカー(検査) ● レジストリチェッカー(復元)(Windows98,Me) ● MS−DOS(単独)の終了 ■ メールお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ こんにちは、速星です。 先週は臨時休刊し、ご迷惑をお掛けしました。 休みをいただいている間にソフトウェア開発技術者試験を受けてきたのですが、 結果は……聞かないで下さい(泣) さて、ともかく、今回は、3回に分けてお送りしているテーマ「システムトラブ ルからの復旧法」の2回目です。 1回目(第4号)では、Windows上から行う復旧作業を紹介しました。今回は、 Windowsでは対処しきれないときに、DOS上でどのような復旧作業を行えばい いかを説明します。 ------------------------------------------------------------------------ ● TRON 第5号でOSの話をしましたが、それに関してこんなメールを頂きました。 > ところで、昨日、NHKで「トロン」の話をしていました。 > 国産の製品にも、今後とも、頑張って欲しいものです。 (註:このメールは4月16日に頂いたものです) その番組、私も途中から見ていましたよ! トロンは、国産OSの代表格ですね。WindowsやUNIXよりはるかに起動が速いた め、携帯電話や電子手帳などといった携帯型の電子端末をはじめとして、身近な 電化製品にも色々と使われています。 パソコンに関しては、「超漢字」というOSが、トロンを基にして開発されたも のとして有名です。 起動の速さについては、DOSも大したものですよ。(トロンには負けますが) ハードディスクからの起動であれば、DOSそのものの起動には1〜2秒しかか かっていないはずです。 ただ、DOS単独ではあまり使い勝手がよくありません。使い勝手をよくしよう とすると常駐プログラムを起動する必要が出てくるため、それに数秒〜十数秒か かってしまうことが多いでしょう。 しかしいずれにせよ、WindowsやUNIXと比べれば、DOSはずっと手軽に起動で きるOSだといえます。 ------------------------------------------------------------------------ ● お知らせ(「まぐまぐ」より)(再掲) 当メルマガが発行に利用している「まぐまぐ」より、以下のように連絡がありま した。 > まぐまぐでは5月1日より、無料メールマガジンについて、全メルマガ内のヘッ > ダ及びフッタスペースに、お知らせスペースを導入させていただくこととなり > ました。 > このスペースは、運営方法の変更や、システムの障害情報、新サービス開始の > 告知などに活用の予定です。従って、まぐまぐ以外からの広告などをこのスペ > ースに挿入することはございません。 ということで、次回配信より、メルマガのヘッダ及びフッタに、「まぐまぐ」か らのお知らせが数行分挿入されることになるかと思われます。ご承知下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ システムトラブルからの復旧法(2) ------------------------------------------------------------------------ ● 【重要】 MS−DOSを過信しないように DOSのコマンドの中には、Windows上よりも強力な作業ができるものも多くあ ります。DOSはWindowsとは比べものにならないくらい安定です。 しかし、DOSは万能ではありません。 第5号で書きましたように、現在のWindowsは、DOS上で動いているプログラ ムではありません。仕組みが異なるOSを用いての作業は、当然、リスクを伴い ます。 また、複雑な作業や計算量の多い作業はWindowsの方が得意ですし、そもそも、 真っ黒な画面を前にして慣れないコマンドの入力を繰り返すのは、大変疲れる作 業です。 Windows上でできるトラブル対策(第4号参照)はWindows上で実行することをお 勧めします。 ------------------------------------------------------------------------ ● コマンドを1つずつ実行(WindowsXP以外) Windowsが正常に起動しない原因が何か分からないときに役立つのが、コマンド を1つ1つ確認しながら起動する方法です。 ただし、この手法はどうやらWindowsXPでは使えないようです。 Windowsがセーフモードでしか起動しない場合、起動時に自動実行されるコマン ドのうちの1つでエラーが発生していると考えられます。 しかし、Windowsの起動時には数多くのコマンドが、ほんの数秒の間に次々と実 行されます。通常の起動方法では、どのコマンドでエラーが発生したのかを判断 することは困難です。 「Step-by-step confirmation」では、各コマンドを実行するかどうか、1つず つ確認しながら起動を行います。従って、どのコマンドを実行したときにどのよ うなエラーが発生しているのか、ある程度推測することができます。 コンピュータの電源を入れた後、初期画面が出ている間にF8キーやCTRLキーなど (押すキーはお使いのコンピュータによって異なりますので、説明書を確認して 下さい)を押すと、スタートアップメニューが表示されます。 ここで「Step-by-step confirmation」を選択すると、コマンドを1行ずつ順番 に表示して、実行するかどうかを聞いてきます。実行するなら「Y」、しないな ら「N」を押すことになります。 起動しない原因が分からないのなら、まず最初は、全てのコマンドについて 「Y」を押してみましょう。あるコマンドを実行したときにコンピュータの応答 がなくなったなら、そのコマンドが犯人です。 原因が分かれば、そのコマンドのときだけ「N」を押すようにすることで、一応 Windowsが起動できるのではないかと思います。Windows上で、復旧作業やデータ の退避を行って下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ DOS上での修復作業 ------------------------------------------------------------------------ ● MS−DOS(単独)の起動 まずは、MS−DOSを単独で起動します。 Windows95,98では、第5号で説明しましたように、スタートアップメニューか ら「Command prompt only」を選びます。 「スタート」→「Windowsの終了」で「MS-DOSモードで再起動する」を選んでも 同様です。 Windows2000,XPは通常、CD-ROMから起動することになります。コンピュータの電 源を入れたら直ちに、WindowsのCD-ROMをドライブにセットしてください。 WindowsMeでは、第4号で作成した「起動ディスク」をドライブにセットして、 コンピュータの電源を入れましょう。 また、Me以外のWindowsでも、フロッピーディスクから起動できる環境ならば、 同様の手法でDOSを起動することができます。 なお、メーカー製パソコンのなかには、フロッピーディスクドライブがない機種 もあるようです。この場合は、購入時に付属してきた再インストール用のCD-ROM などから起動できたりするようですので、説明書を確認して下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● スキャンディスク(チェックディスク) MS−DOSが起動したら、まずはスキャンディスクを実行してみましょう。 「SCANDISK」と入力すれば、DOS版のスキャンディスクが起動します。 DOS版のスキャンディスクは、Windows上で実行するスキャンディスクよりも 強力な復旧作業を行うことができます。従って、Windowsのスキャンディスクで は対処できないようなエラーの対策にも、効果を発揮することがあります。 Windows2000,XPにはスキャンディスクがなく、代わりにチェックディスクが用意 されています。機能面はスキャンディスクとほぼ同等です。 これらのWindowsをお使いの方は、「CHKDSK」と入力して下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● レジストリチェッカー(検査) 第4号ではWindows上でレジストリを検査する方法を説明しましたが、DOS上 からも、レジストリが破損していないか検査することができます。 「SCANREG」と入力してみましょう。レジストリの検査が行われます。 ------------------------------------------------------------------------ ● レジストリチェッカー(復元)(Windows98,Me) ※注意事項※ この項の作業は、大きな危険を伴います。コンピュータが正常に動作していると きには絶対に行わないで下さい。「システムの復元」など、ここまでに紹介した 復旧操作を一通り試した上で、最終手段としてのみ実行するようにして下さい。 Windows98,Meでは、システム起動時に自動的にレジストリのバックアップがとら れています。レジストリの不具合が原因でWindowsが起動しない場合は、バック アップから復元を試みることができます。 DOSを単独で起動したら、「SCANREG /RESTORE」と入力して下さい。 (このコマンドはDOS窓からは実行できません) レジストリのバックアップが5つ表示されます。 日付と「起動済み」(起動に成功した)、「未起動」(起動に失敗した)という 表示を参考に、Windowsが正常に動作していた直近の日付のバックアップを選ん で、復元をおこなって下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● MS−DOS(単独)の終了 DOSの単独での起動方法は第5号で説明しましたが、終了については書いてい なかったですね。説明しておきましょう。 第1号で説明した「終了方法」は、DOS窓の終了方法です。DOSを単独で起 動したときは、終了方法が異なります。 実は、DOSには元々、終了という考え方がありません。DOSを単独で起動し た場合、プログラムを起動していない状態(「C:\>」などといったプロンプトが 表示されている状態)ならば、いきなり電源を切って差し支えありません。 また、Windows98のMS-DOSモードでは、「EXIT」と入力するとMS-DOSモードが終 了し、替わりにWindowsが起動します。EXITコマンドの特殊な使用方法として、 知っておくと便利でしょう。 ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次号の予定は「ファイル操作(1)」です。 Windowsがどうしても復旧しない場合は、重要なデータファイルをMS−DOS 上でバックアップした上で、Windowsの再インストールを行わなければなりませ ん。そのバックアップ操作を行うために知っておく必要のあるファイル操作のコ マンドを、次号以降、数回に分けて説明します。 また、実際のバックアップ作業の手順については、第11号にて掲載予定の「シス テムトラブルからの復旧法(3)」で説明します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メールお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、下記アドレスまで気軽にお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたメールは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi