━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第8号(2003.05.03) ファイル操作(1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ■ COPYコマンド ● 基礎編 ● 実践編 ■ TYPEコマンド ■ 1画面ずつ表示させるには ● 「コマンド | MORE」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ こんにちは、速星です。 今年は曜日の巡りが最悪のゴールデンウィークになってしまいましたが、いかが お過ごしでしょうか。 私は、相変わらずパソコンをいじって過ごしています。ここ数日は、DOSでイ ンターネットに接続しようと頑張っています。このテーマは、実際に役に立ち、 DOSの仕組みを理解する上でも重要な内容ですから、そのうち、メルマガ上で 報告しようかとも思っています。 さて、今号からしばらくは、コマンドの説明とそれ以外とを、ほぼ1号ずつ交互 にお送りすることにします。 まず今号は、コマンドの説明です。Windowsが起動しない場合などの非常時に最 低限知っておく必要のあるコマンドの中から、2つ説明します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ COPYコマンド ------------------------------------------------------------------------ ● 基礎編 ファイルをコピーするときに使うのがCOPYコマンドです。 基本的な使い方は次のようになります。 COPY 送り側 [受け側] これはコマンドの書式の表記法に従って記述したものです。 しばらく間が空いたので忘れてしまった、という方もあるかと思いますので、簡 単に復習しておきましょう。書式は、オプションの指定方法を示しています。四 角い括弧で囲まれたオプションは指定しなくても構いませんが、括弧で囲まれて いないオプションは必須項目です。 表記法についての詳細は、第2号「コマンド入力書式の研究」の「ヘルプ」の項 をご参照下さい。バックナンバーはこちらから↓ http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ 思い出していただけましたでしょうか。 では、書式の説明に移りましょう。 「送り側」にはコピー元のファイル名を指定します。指定方法は、 [ドライブ:][パス]ファイル名 です。 カレントディレクトリ以外の場所にあるファイルの名前を指定する場合には、パ ス名を指定する必要があります。ドライブが違う場合は、当然ながら、ドライブ 名も指定しなければいけません。 「受け側」にはコピー先のファイル名を、 [ドライブ:][パス][ファイル名] の形式で指定します。 ファイル名を省略した場合には、コピー元ファイルと同じ名前でコピーが行われ ます。パス名を省略した場合には、カレントディレクトリがコピー先のディレク トリになります。「受け側」の指定は完全に省略することもできます。 なお、「受け側」に既に存在するファイルと同じ名前を指定すると、既存のファ イルが警告なしに上書きされてしまうことがあります(DOSの設定によって異 なります)。大事なファイルを破壊してしまうこともありますので、十分注意し て下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● 実践編 では、実際に使ってみましょう。 例えば、「C:\My Documents\msdos.txt」をAドライブ(大抵はフロッピーディ スク)にバックアップすることを考えてみましょう(ファイル名は架空です。適 宜読み替えて下さい)。 COPY "C:\My Documents\msdos.txt" a:\ この場合、このように入力すればいいでしょう。 送り側については、パス名に半角スペースが含まれていますから、パス全体をダ ブルクォーテーションで囲うことを忘れないようにして下さい。 名前を変えてバックアップする場合は、 COPY "C:\My Documents\msdos.txt" a:\msdos.bak というように受け側ファイル名を指定します。 また、既に「C:\My Documents\」がカレントディレクトリになっている場合は、 COPY msdos.txt a:\msdos.bak のように、送り側のパス名を省略することもできます。 皆さんもDOS窓を使って、「マイドキュメント」に保存したファイルを、別の ハードディスクやフロッピーディスクにバックアップしてみて下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ TYPEコマンド ------------------------------------------------------------------------ コピーに先だって、ファイルの内容を確認したいことがあるかもしれません。 そのファイルがテキストファイル(「〜.txt」など)なら、TYPEコマンドで簡単 に確認できます。 TYPEコマンドは、テキストファイルの内容を表示するコマンドです。書式は、コ マンド名の「TYPE」に続いて表示させたいファイルの名称を指定するだけの、簡 単なものです。 TYPE [ドライブ:][パス]ファイル名 例えば、 TYPE C:\CONFIG.SYS と入力すれば「C:\CONFIG.SYS」の内容が表示されます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 1画面ずつ表示させるには ------------------------------------------------------------------------ よほど行数の少ないファイルならともかく、ほとんどのテキストファイルは、1 画面には収まりません。TYPEコマンドを入力した途端に、ファイルの内容が滝の ように画面上を流れていってしまいます。 Windows2000,XPならDOS窓にスクロールバーがありますが、それ以外の環境に はスクロールバーがありませんから、表示された内容を読むことができません。 DIRコマンドのときにも、同じようなことがありました。このときは、1画面ず つ表示させるためのオプション「/P」を指定して解決しましたが、このオプショ ンはDIRコマンドでしか使えません。 では、どうすればいいのでしょうか。 ------------------------------------------------------------------------ ● 「コマンド | MORE」 実は、ほとんどのコマンドに共通して使える、1画面ずつ表示させるための特殊 なオプションが存在します。 「 | MORE」というのがそれです。 TYPE C:\CONFIG.SYS | MORE のような形式で使用します。すると、DIRコマンドにオプション「/P」を指定し たときのように、1画面ずつ表示されるようになります。 なお、縦棒(|)は、SHIFTを押しながら、キーボードの一番右上にある「\」を 押すことで入力できます。 縦棒(|)の前後の半角スペースはいずれも省略できますが、今後のことを考え ると、省略しない形式で覚えておいた方がいいでしょう。 このオプションは、一番最後に指定しなければいけません。つまり、コマンド入 力が「 | MORE」で終わるようにする必要があります。 上の例でいえば、 ○ TYPE C:\CONFIG.SYS | MORE × TYPE | MORE C:\CONFIG.SYS ということになります。 (下側の例はコマンド入力が「 | MORE」で終わっていないので不適切) 共通のオプションですから、もちろん、DIRコマンドにも使えます。例えば、 DIR /P と入力する代わりに、 DIR | MORE としても同様のファイル一覧が得られます。試してみて下さい。 実際は、「 | MORE」はオプションではなく、パイプと呼ばれるものです。です が、これには少々難しい説明を要しますので、現時点では、特殊なオプションと して理解しておいて下さい。パイプについては、ずっと先の号で説明します。 ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次回のテーマは「MS−DOSとは(2)」を予定しています。 第5号の「MS−DOSとは(1)」ではWindowsとDOSの関係を中心に説明 しましたが、次回は主にDOSそのものの仕組みについてお話しします。 また、「ファイル操作」の2回目は、第10号(再来週)に掲載予定です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メールお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、下記アドレスまで気軽にお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたメールは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi