━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第12号(2003.05.31) MS−DOSの豆知識(1) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● 掲示板をつくりました ■ スワップファイルの削除 ● 削除する(Windows98,Me) ● そもそもスワップファイルとは ● Windows2000,XPの場合 ■ 削除したファイルの復元 ■ SYSコマンドによる復旧作業 ■ メールお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ こんにちは、速星です。今号もよろしくお願いします。 今週は、MS−DOSに関するTips集です。Tipsは不定期で少しずつ取り上げて いきますが、初回となる今回は、そのうち3点を説明することにします。 ------------------------------------------------------------------------ ● 掲示板をつくりました 当メルマガの読者向けに、掲示板をつくりました。 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_plain ・メルマガへの意見・質問・感想 ・DOSに関する情報交換や関連ホームページの宣伝 など、気軽にご利用下さい。 (註:DOSに無関係なホームページの宣伝は発見次第削除します) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ スワップファイルの削除(Windows98,Me) ------------------------------------------------------------------------ ● 削除する(Windows98,Me) Windows98,Meは、定期的にスワップファイルを削除しないと不安定になりやすい といわれています。 しかし、スワップファイルはWindowsが起動している間はずっとWindows自体に使 われているので、Windows上からは削除できません。つまり、DOS上から削除 する必要があります。 スワップファイルのファイル名は、「C:\WINDOWS\Win386.swp」です。 従って、 DEL C:\WINDOWS\Win386.swp で、削除することができます。 (DELコマンドについての詳細は第10号をご参照下さい) ------------------------------------------------------------------------ ● そもそもスワップファイルとは Windowsの動作には、多くのメモリがを必要となります。そのため、Windowsは通 常、パソコンに実際に搭載されているメモリ(物理メモリ)以外に、仮想メモリ と呼ばれる特殊なメモリを使用しています。 仮想メモリとは、ハードディスクの一部領域をメモリ代わりにする仕組みです。 これにより、物理メモリの容量に拘束されることなく、大規模なソフトを利用で きるようになります。 仮想メモリの実体は、1つのファイルです。 Windows98,Meは「C:\WINDOWS\Win386.swp」、2000,XPでは「C:\Pagefile.sys」 というファイルに対応しています。 必要に応じて仮想メモリと物理メモリとの間でデータを入れ替え(スワップ)し ながらメモリを利用するため、「Win386.swp」や「Pagefile.sys」は、スワップ ファイルと呼ばれます。 ところが、Windows98,Meのスワップファイルは自動的には整理されないため、 放っておくとどんどんファイルサイズが大きくなっていきます。 上で書いたように、スワップファイルは常にWindowsが使っているファイルです から、ファイルサイズが増加すれば、それだけWindowsがたくさんのメモリを使 用するようになり、Windowsが不安定になってしまいます。 幸い、「Win386.swp」は、削除しても次回のWindows起動時に自動的に作成され ますので、問題が生じることはありません。そこで、定期的にファイルを削除し て、メモリの無駄をなくしてやることができるのです。 ------------------------------------------------------------------------ ●Windows2000,XPの場合 Windows2000,XPでは、「C:\Pagefile.sys」がスワップファイルです。 しかし、これらのバージョンのWindowsでは、Windows98,Meと異なり、スワップ ファイルがシステム不安定化の要因になることはまずありません。 むやみに削除しないことをお勧めします。 ただ、セキュリティの問題上、削除した方がいい場合もあるようです。詳しいこ とは、ZDNetの記事(下記URL)をご参照下さい。 http://www.zdnet.co.jp/help/tips/windows/w0556.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 削除したファイルの復元 ------------------------------------------------------------------------ 第10号で取り扱ったDELコマンドについて、次のようなメールを頂きました。 > DEL実行後、すぐならUNDELETEコマンドで復元出来ます。 > > DOSのDELは、ファイル名の最初の文字を読めなくするだけで、 > ファイルの中を消去してしまうわけではないという性質から > 作られたコマンドです。元々あったコマンドでなく、 > ver.5頃からのものだと思います。 > > もちろん、何らかの形で上書きされたり、defragで整理されて > しまえばおしまいですが。 おっしゃる通りです。 DELコマンドでは、ディスクの目次にあたる部分の一部しか削除していません。 つまり、ファイルの中身は、削除実行後もディスク上に残っています。 そのため、そのファイルが使っていたディスク上の領域が他のファイルで上書き される前であれば、目次を書き直すだけで簡単に削除ファイルが復元できます。 ただし、現在のMS−DOSにはUNDELETEコマンドが付属していません。 昔のDOS、例えばPC98のVer6.2にはあったのですが、なぜか、現在のWindows のDOSには含まれていません。 UNDELETEコマンドと同じ仕組みで、削除ファイルを復元するソフトもいくつかあ ります。その中でも特に、Windows上で動作する「復元」というフリーソフト (下記URL)は有名でしょう。 自分の使っているパソコンにはどんな削除データが潜んでいるか、試してみては どうでしょうか。 「復元」 http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se192983.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ SYSコマンドによる復旧作業 ------------------------------------------------------------------------ > スキャンデスクを実行してもCドライブが起動しない時 > に4つのファイルをコ−ピし直したら > 再セットアップせずに済みました。(^○^) > たしか次のようにしたと思います > A:\>SYS C: これは、MS−DOSのシステムファイルが壊れたときに有効な復旧法ですね。 第9号で説明した「COMMAND.COM」「IO.SYS」「MSDOS.SYS」という3つのファイ ルは、MS−DOSを起動するために最低限必要なシステムファイルです。これ らのいずれかが何らかの原因で破損すると、当然ながら、DOSは起動しなくな ります。 Windows95,98(未確認ですがおそらくMeも)では、MS−DOSがシステムの一 部分として内包されているため、DOSが起動しないと、Windowsも起動しなく なります。 従って、SYSコマンドを使って、起動ディスクからCドライブにMS−DOSの システムファイルを転送すると、これらのバージョンのWindowsの調子が戻るこ とがあります。 ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次号の予定は「ディレクトリ操作」です。 第8号・第11号ではファイル操作のコマンドを学びましたが、それと同様に、 フォルダ操作のコマンドについて説明します。 なお、このテーマは、1回完結にする予定です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ メールお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、下記アドレスまで気軽にお願いします。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたメールは、本マガジン上で適宜紹介していきます。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi