━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第14号(2003.06.14) バッチファイル入門 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● 【コメント募集】 コマンドリファレンスについて(再掲) ● スワップファイルの削除について ■ バッチファイルとは ● 活用法 ■ Hello World! ● 実行 ■ コメントをお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ 皆さん、こんにちは。速星です。 いよいよ梅雨入り。ここ数日、不安定な天気が続きますね。晴れれば日が照って 暑く、雨が降れば蒸し暑くて大変です。何か、うまくしのぐ方法はないものなの でしょうか。 さて、今週はバッチファイルについて説明します。いつもより若干少ない内容に はなりますが、MS−DOSを活用する上で欠かせない要素の1つですから、き ちんとマスターするようにして下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● 【コメント募集】 コマンドリファレンスについて(再掲) コマンドリファレンスをこれから購入される方の参考になるよう、次号で特集を 組もうと思っています。 お使いのコマンドリファレンスがありましたら、書名や使い心地などを教えて下 さい。(下記アドレスまでメールでお願いします) tetrahedrane@yahoo.co.jp ------------------------------------------------------------------------ ● スワップファイルの削除について 第12号で説明した「Win386.swp」の削除について、「うまくいかなかった」と いう報告をいくつか頂いていますので、再確認します。 > C:\WINDOWS>DEL C:\WINDOWS\Win386.swp > アクセスは拒否されました. 第12号で書きましたように、スワップファイルはWindows上からは削除できま せん。従って、DOS窓ではなく、MS−DOSを単独で起動した上で、削除を 行う必要があります。 > C:\WINDOWS>DEL C:\WINDOWS\Win386.swp > パスが見つかりません 仮想メモリの設定が「自動設定」以外になっていると、スワップファイルは、 Windowsディレクトリではなく、指定したドライブのルートディレクトリに作成 されるようです。 「コントロールパネル」−「システムのプロパティ」−「パフォーマンス」− 「仮想メモリ」 を確認して下さい。 > プロパティでファイルサイズを確認しても前より少し大きめです。 > 確かに更新日時はあっていますが、これでは何の為の削除か > 判りません、因みにOSは98SEです。 十分あり得ることです。 レジストリの再構築でも、整理した結果としてファイルサイズが大きく なることはあります。それと同じことではないでしょうか。 しかし、スワップファイルの一部が破損していたときなどは、ファイルサイズが 増加していようがいまいが、とにかくWindowsは安定になります。 従って、削除の意味がないとは限りません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ バッチファイルとは ------------------------------------------------------------------------ バッチ(batch)とは、1回分、1群、という意味です。コンピュータ用語とし ては、一括して処理する一連の作業を指します。つまり、バッチファイルとは、 簡単にいえば、実行する作業を順番に記した「手順書」です。 MS−DOSでは、拡張子が「.bat」のファイルがバッチファイルです。 Windowsから見ると、窓の中に歯車が入っている形のアイコンで表示されます。 バッチファイルの中身は、単なるテキスト形式の文書です。コマンドが、1行に 1つずつ、実行順に羅列されています。実行時には、MS−DOSは、上から順 に1行ずつ読み込んで、コマンドを実行していきます。 ------------------------------------------------------------------------ ● 活用法 バッチファイルの利点は、次の2点に集約されると思います。 1.事前にコマンドを入力しておける(その場で1つ1つ入力する必要がない) 2.1度作っておけば何度でも再利用できる 1については、例えば、巨大なファイルをファイル分割ソフトで分割した際に自 動生成される再結合用バッチファイルがそうです。 分割したファイルを再結合するためのコマンドは分割時点で分かっているので、 バッチファイルを分割ソフトに作らせておけば、いちいちコマンドを入力しなく ても、簡単に再結合を行うことができます。 また、DOS窓を日本語モードから英語モードに切り替える「US」や、その逆の 「JP」というコマンドも、実はバッチファイルです。 2については、例えば、アプリケーションを連続して起動するバッチファイルが 挙げられます。 ある決まった2つのソフトをいつも同時に使う場合は、起動も同時に行えると便 利ですよね。そのようなときも、その2つのソフトを起動するコマンドを書いた バッチファイルを作っておけば、ダブルクリック1回で両方のソフトを起動でき ます。 1と2の双方に当てはまる例はたくさんありますが、ここでは、バックアップ用 のバッチファイルを挙げておきます。 バックアップは通常、毎回同じファイルやフォルダに対して作業を行うことにな ります。従って、「手順書」を作成しておけば、それを実行するだけで自動的に バックアップが行われるようにすることができます。 また、このバッチファイルは緊急事態にも役立ちます。 Windowsが起動しなくなって、DOSでデータを取り出すことになったら、この バックアップ用バッチファイルは、緊急退避用バッチファイルとしても活用でき ます。事前にコマンドを書いておけるので、トラブルにも迅速に対処できます。 また、複数のディレクトリに分かれてデータが保存されている場合などは、退避 のし忘れも防ぐことができるでしょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ Hello World! ------------------------------------------------------------------------ 実際に使ってみないと実感が湧かないでしょうから、早速実験してみましょう。 今回は原点に返って、「Hello World!」で説明します。 まずは、「メモ帳」などのテキストエディタを起動して、次のように入力して下 さい。普通にコマンドを入力するときと同じですね。ただしこの場合、文字列の 最後は、改行してもしなくても、どちらでも構いません。 ECHO Hello World! 入力したら、"Hello.bat" というファイル名で、適当なディレクトリに保存しま しょう。 このとき、「名前を付けて保存」ダイアログの「ファイル名」欄には、半角のダ ブルクォーテオションで囲った形でファイル名を指定するようにします。という のは、囲わずにファイル名を入力すると、「.txt」というテキスト文書の拡張子 が自動的に付加されて、「Hello.bat.txt」というファイル名になってしまう可 能性があるからです。 なお、「Hello.bat」の見本は、バックナンバーと共に、Web上で公開しておりま す。必要に応じてご利用下さい。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ------------------------------------------------------------------------ ● 実行 バッチファイルの実行方法は、これまでに学習したコマンドと基本的に同じで す。ただし、実行前に、バッチファイルと同じディレクトリに移動しておく必要 があります。 なお、この場合、コマンド名には、バッチファイルのファイル名が該当します。 カレントディレクトリをバッチファイルを保存したディレクトリに移動したら、 「HELLO」または「HELLO.BAT」と入力して下さい。 M:\>ECHO Hello World! Hello World! のように表示されたと思います。 1行目は、バッチファイルの中身がMS−DOSによって自動的に入力されたも のです。2行目は、1行目に表示されたコマンドを実行した結果です。プロンプ トから直接「ECHO Hello World!」と入力した場合と同じですね。 「コマンドまたはファイル名が違います.」などと表示された場合は、ファイル 名の指定が間違っているか、バッチファイル内の記述にスペルミスがあります。 ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次号は、コマンドリファレンス特集です。 普段の内容についてはお休みをいただいて、コマンドリファレンスの選び方や使 い方などを紹介することにします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ コメントをお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、掲示板(下記URL)まで気軽にお願いします。 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_thread (スレッド表示) http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_tree (ツリー表示) メールでもコメントを受け付けておりますので、そちらもご利用下さい。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたコメントは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi