━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第22号(2003.08.30) ランチャとしてのDOS窓 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● 第21号のNETコマンドについて ■ 復習:DOSの基本 ● DOS窓の使い方(詳細は第1号を参照) ● バッチファイルの使い方(詳細は第14号を参照) ■ Windowsアプリケーションの起動 ● DOS窓への直接入力 ● STARTコマンド ● ファイル名・ディレクトリ名を楽に入力する(WindowsXP) ● バッチファイルの利用 ■ コメントをお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ 皆さん、おひさしぶりです。速星です。 休みを頂いている間に読者数が大幅に減っているのではないかと危惧していまし たが、先程確認して驚かされました。全く減っていなかったのです! 皆さん、辛抱強く待って頂き、本当にありがとうございます。 ------------------------------------------------------------------------ ● 第21号のNETコマンドについて フォローをお願いしていたNETコマンドについて、読者の方から詳しい説明を頂 きました。 > さて、2003/08/02 に発行されました第21号の中で、バッチファイル中に > > net use * /delete > > を実行すると、確認メッセージが表示され一旦停止してしまう。といった > お話がありました。これは、 > > net use * /delete /y > > とすることで、恐らく回避できると思います。 > 速星さんのご案内していた "net share" はローカルリソースの共有設定を > するコマンドです。共有されたリモートリソースをローカルドライブに > マッピングする "net use" とは若干、使用目的が異なります。 > > また、もう一つ速星さんのご案内していた > > XCOPY \\100.100.100.100\d\hokan D:\BACK100 /D /E /H /R /Y /C > > といった書式でも、投稿されたバッチファイルと同様に動くことを Windows > 2000 で確認できました。Windows 95 でも同じように使用できた記憶が > あります。 ありがとうございました。 今後も、メルマガに不足や不明の点がありましたらご指導願います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 復習:DOSの基本 ------------------------------------------------------------------------ しばらく配信の間があきましたから、まず、DOSの基本的な使用法から簡単に 復習しておきましょう。過去の記事を要約して掲載します。 バックナンバーは下記URLからどうぞ。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ------------------------------------------------------------------------ ● DOS窓の使い方(詳細は第1号を参照) ・起動 「スタート」ボタン→「プログラム」、あるいは「スタート」ボタン→「プログ ラム」→「アクセサリ」にある「MS-DOSプロンプト」または「コマンドプロンプ ト」を選べば、DOS窓が起動します。 ・コマンド入力 コマンドは、「C:\WINDOWS>」などといった表示(コマンドプロンプト)に続け て以下の書式で入力します。最後にEnterキーを押す必要があります。 コマンド [オプション [ ...]] ・ヘルプ 「コマンド /?」と入力することで、そのコマンドの使用法を確認することがで きます。 ・終了 コマンド「EXIT」を入力するか、ウインドウ右上の「閉じる」ボタンを押せば、 DOS窓が閉じます。 ------------------------------------------------------------------------ ● バッチファイルの使い方(詳細は第14号を参照) 「メモ帳」などのテキストエディタで、コマンドを1行に1つずつ、実行順に羅 列した文書を作り、「.bat」という拡張子をもつファイル名で保存します。 DOS窓で、バッチファイルを保存したディレクトリをカレントディレクトリと し、ファイル名を入力すると、そのバッチファイル内に記述されたコマンドが順 に実行されます。 また、Windows上からも、バッチファイルのアイコン(窓の中に歯車が入った絵) をダブルクリックすることでバッチファイルが実行できます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ Windowsアプリケーションの起動 ------------------------------------------------------------------------ DOS窓はWindowsアプリケーションも起動することができるため、ランチャと して利用することができます。 ------------------------------------------------------------------------ ● DOS窓への直接入力 DOS窓に実行ファイル名を入力すると、そのプログラムが起動します。 (ファイル名は、パスを含めて指定する必要がある場合もあります) 従ってDOS窓は、スタートメニューにある「ファイル名を指定して実行」ダイ アログの代わりとして用いることができます。ダイアログはプログラムを起動す ると閉じますが、DOS窓は勝手には閉じませんから、常駐型のランチャとして 用いることができます。 システムの設定変更などで、スタートメニューにないプログラムをいくつか起動 する必要のある場合に、役に立つことがあります。 ------------------------------------------------------------------------ ● STARTコマンド Windowsの「ファイル名を指定して実行」ダイアログでは、プログラムの他にも、 ディレクトリ名を指定すれば「マイコンピュータ」でそのディレクトリが開きま すし、ファイル名(例えば「README.TXT」)を指定すればそのファイルを開くこ とができます。 しかし、DOS窓で同様の作業を行おうとすると、 > M:\DOS>README.TXT > コマンドまたはファイル名が違います. のように表示されてしまいます。 (メッセージはDOSやWindowsのバージョンによって異なります) ファイル名が合っているのに「ファイル名が違います」と表示されるのは奇妙に 思われるかもしれませんが、ここで表示された「ファイル名」とは、「実行ファ イル名」のことです。つまり、指定されたファイルは実行ファイルではない、と いうことです。 DOSでは基本的に、「.com」「.exe」「.bat」の3種類の拡張子が付いたファ イルしか実行ファイルと認識できません。またDOSは、Windowsのような拡張 子とプログラムの関連付け機能を持っていません。このために、このようなメッ セージが表示されたのです。 このときに役に立つのがSTARTコマンドです。 通常、DOS窓で入力された文字列は「COMMAND.COM」や「CMD.EXE」といった DOS窓のユーザインタフェースが解釈しますが、STARTコマンドは、オプション として入力された文字列の解釈をWindowsに任せます。 このため、Windowsの機能である拡張子とプログラムの関連付けを利用して、実 行ファイル以外のファイルやディレクトリも開くことができるのです。 逆にいえば、STARTコマンドはDOSを単独で起動したときには使用できません。 DOS窓中でのみ、実行することができます。 書式は以下のようになります。 START [ドライブ:][パス]ディレクトリ名 START [ドライブ:][パス]ファイル名 START [ドライブ:][パス]実行ファイル名 [オプション [...]] 例えば、「START README.TXT」のように記述します。 「START 」の後に記述された文字列は、「ファイル名を指定して実行」ダイアロ グに記述した場合と同様に処理されます。 ------------------------------------------------------------------------ ● ファイル名・ディレクトリ名を楽に入力する(WindowsXP) WindowsXPのコマンドプロンプトには、ファイル名・ディレクトリ名の補完入力 機能があります。ファイル名やディレクトリ名を入力する途中で「Ctrl+D」や 「Ctrl+F」を押すと、その文字から始まるファイル名・ディレクトリ名が順に表 示されます。ファイル名・ディレクトリ名がスペースを含む場合には、パス名全 体をダブルクォーテーション「"」で囲む処理も自動的に行われます。 ただし、この機能は初期設定では無効になっています。 補完機能を有効にするためには、「ファイル名を指定して実行」ダイアログで 「CMD /F:ON」と入力してコマンドプロンプトを起動する必要があります。 また、常にこの機能を利用したい場合は、スタートメニューにあるショートカッ トのプロパティを書き換えてもいいでしょう。 ショートカット上で右クリックし、現れたメニューから「プロパティ」を選びま す。プロパティの「リンク先」欄には「%SystemRoot%\System32\cmd.exe」のよ うに表示されていると思いますが、ここに、半角スペースに続いて「/F:ON」の 記述を追加します。「OK」ボタンを押してプロパティウインドウを閉じれば作業 完了です。 ------------------------------------------------------------------------ ● バッチファイルの利用 DOS窓への直接入力だけではあまり使い道がありませんが、普段から同時に起 動して使っている複数のプログラムがある場合、一括起動用のバッチファイルを 作ると大変便利です。 例えば、インターネットに接続したときに使うプログラムを一括起動するバッチ ファイルを考えてみましょう。 Internet ExplorerとOutlook Expressを同時に起動し、さらにダウンロードした データを保管するためのディレクトリを開きたい場合、次のようなバッチファイ ルを作ればいいことになります。 (ディレクトリ名はお使いのコンピュータにあわせて適宜読み替えて下さい) -----(一括起動用バッチファイルここから)----- "C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore" "C:\Program Files\Outlook Express\msimn" START "C:\Documents and Settings\Hayahoshi\My Documents\Download\" -----(一括起動用バッチファイルここまで)----- このバッチファイルを適当なディレクトリに保存し、デスクトップなどにショー トカットを作っておけば、ショートカットのアイコンをダブルクリックするだけ で一括起動できるようになります。 しかしそのままの設定では、バッチファイルの実行が終了した後も、DOS窓が 閉じずに残ってしまいます。ショートカットのプロパティの「プログラム」タブ にある「プログラム終了時にウインドウを閉じる」にチェックを入れておくとよ いでしょう。 ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 次号の予定は、「環境変数」です。 DOS本体やプログラムの動作を制御するための設定情報について説明します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ コメントをお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、掲示板(下記URL)まで気軽にお願いします。 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_thread (スレッド表示) http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_tree (ツリー表示) メールでもコメントを受け付けておりますので、そちらもご利用下さい。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたコメントは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_tree tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー 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