━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いざというときに役立つMS−DOS 執筆:速星 千里 第28号(2003.10.11) 回復コンソール(2) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <目次> ■ はじめに ● お知らせ(来週は休刊します)(再掲) ■ 回復コンソール上での操作 ● 留意事項 ■ Windowsの修復(1) − ハード面の修復 ● FIXMBRコマンド ● FIXBOOTコマンド ● CHKDSKコマンド ■ Windowsの修復(2) − ソフト面の修復 ● DISABLEコマンド ● ENABLEコマンド ● EXPANDコマンド ■ コメントをお待ちしています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ はじめに ------------------------------------------------------------------------ 皆さん、こんにちは。速星です。 今週もよろしくお願いします。 ------------------------------------------------------------------------ ● お知らせ(来週は休刊します) 来週の土曜日(10月18日)は、情報処理技術者試験の前日にあたります。 筆者も受験を予定しているため、準備の都合上、来週は本メルマガの発行を休ま せていただきます。 私事で申し訳ありませんが、ご理解願います。 なお、今後の発行予定については下記URLをご参照下さい。 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 回復コンソール上での操作 ------------------------------------------------------------------------ 回復コンソールで使えるコマンドは、通常のDOSのコマンドと大きく異なりま す。例えば、バッチファイルを実行する場合、DOS上ではそのバッチファイル のファイル名を入力するだけで実行されますが、回復コンソール上ではBATCHコ マンドというコマンドになっており、 BATCH バッチファイル名 のように入力する必要があります。 使用可能なコマンドは、HELPコマンドで一覧表示させることができます。 また、上で紹介した書籍を利用してもいいでしょう。 いずれにせよ、回復コンソールで使えるコマンドはシステムの動作に関わる危険 なコマンドが多いですから、利用法を十分に確認してから実行するようにして下 さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● 留意事項 私の身近には、実験台として利用できるWindows2000,XPの環境がありません。 このため、詳細な操作に関する質問を頂いても、参考となるWebページをご紹介 する程度の回答しかできません。 あらかじめご了承下さい。 なお、回復コンソールについては、第16号・第26号でも紹介した下記の書籍 で大変詳しく解説されています。コマンドリファレンスとしても使いやすい、 Windows2000,XPユーザにお薦めの一冊です。 私の説明では納得できなかった方は、こちらもご参照下さい。 『Windows XP/2000からはじめるMS-DOSとコマンドプロンプト学習術』 ユニゾン ソシム(2003)\2,000 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883373452/msdos-22 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ Windowsの修復(1) − ハード面の修復 ------------------------------------------------------------------------ ディスクの記憶領域の一部分が破損してWindowsが立ち上がらなくなった場合に 回復コンソール上で使える主なコマンドは、以下の3つです。 ------------------------------------------------------------------------ ● FIXMBRコマンド ハードディスク内のMBR(マスタブートレコード)と呼ばれる領域を修復する コマンドです。 MBRというのは起動用ハードディスクの先頭に記述されたミニプログラムで、 パソコンを起動させる働きをします。 このMBRが何らかの原因で破損した場合、当然ながら、パソコンは正常に起動 しなくなります。その際の修復に使えるのがこのコマンドです。 Windows95,98,MeのMS−DOSでも、「FDISK /MBR」によってFIXMBRコマンド と同様の修復が可能です。 ブートセクタ感染型のコンピュータウイルスを除去するために、このコマンドを 使ってはいけません。逆に、コンピュータが正常に起動できなくなる可能性があ るからです。 ウイルスの除去には、ワクチンソフト開発元が提供する駆除ツールなどを使うよ うにして下さい。 また、「BootMagic」や「System Commander」などといった起動関連のユーティ リティを使用している場合、このコマンドを実行するとユーティリティが起動で きなくなってしまいます。 複数のOSを使用している場合も、このコマンドの実行によって、一方のOSし か起動できなくなる危険性があります。 これらの場合については、詳細は各製品のマニュアルなどでご確認下さい。 ------------------------------------------------------------------------ ● FIXBOOTコマンド ハードディスク内のブートセクタと呼ばれる領域を修復するコマンドです。 ブートセクタとは起動用パーティションの先頭に記述されたミニプログラムで、 MBRによって呼び出され、OSを起動させる働きをします。 Windowsが起動しなくなったときに使えるコマンドです。 MBRとブートセクタについては「e-Words」の解説もご参照下さい。 http://e-words.jp/w/MBR-1.html このコマンドの使用上の注意点は、FIXMBRコマンドと同様です。 ------------------------------------------------------------------------ ● CHKDSKコマンド Windows2000,XPでディスクの検査に使うCHKDSKコマンドと基本的に同様のコマン ドです。オプション「/R」によって、クラスタスキャンも行うことができます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ Windowsの修復(2) − ソフト面の修復 ------------------------------------------------------------------------ システムファイルの破損など、ソフト面のトラブルによってWindowsが立ち上が らなくなった場合に回復コンソール上で使える主なコマンドは、以下の3つです。 ------------------------------------------------------------------------ ● DISABLEコマンド サービス(バックグラウンドで自動実行されるプログラム)やドライバ(周辺機 器を使うために必要なミニプログラム)を無効にするコマンドです。 現時点で有効になっているサービス・ドライバは、MAPコマンドで確認できます。 また、無効になっているものも含めたサービス・ドライバの一覧は、LISTSVCコ マンドで確認できます。 サービス・ドライバを無効にする場合は、現時点で設定されている実行方式(下 記のいずれか)を、必ず記録しておくようにして下さい。 再び有効にする際に必要になります。 ・SERVICE_DISABLED ・SERVICE_BOOT_START ・SERVICE_SYSTEM_START ・SERVICE_AUTO_START ・SERVICE_DEMAND_START サービスやドライバが利用するファイルが破損した場合のほか、ウイルスプログ ラムがWindowsの起動とともに自動実行されてしまう場合にも利用できるコマン ドです。 ------------------------------------------------------------------------ ● ENABLEコマンド DISABLEコマンドとは逆に、サービスやドライバを有効にするコマンドです。 Windowsの正常動作に必要なサービス・ドライバを誤って無効にしてしまったと きなどに、再度有効にするために使用できます。 書式は以下のようになります。 ENABLE 実行方式 (例)ENABLE SERVICE_BOOT_START ------------------------------------------------------------------------ ● EXPANDコマンド システムファイルをWindowsのCD-ROMから抽出するコマンドです。 破損したシステムファイルを復元する場合に役立ちます。なおその場合、復元前 のシステムファイルは念のためRENコマンドでリネームして保管するようにして 下さい。 書式は以下のようになります。 展開先ディレクトリを指定しなかった場合、カレントディレクトリが展開先ディ レクトリとなります。 EXPAND 抽出ファイル名 [展開先ディレクトリ] ------------------------------------------------------------------------ 今回はここまでです。 お疲れ様でした! 今号では、回復コンソールを使ったファイル救出の話ができませんでした。 第30号で「回復コンソール(3)」と題してお送りすることにします。 次号の予定は、「「最近使ったファイル」削除ツール」です。 第25号と同様に、バッチファイルの身近な活用例を1つ紹介します。 なお、次号は10月25日の配信予定になります。ご注意下さい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ コメントをお待ちしています ------------------------------------------------------------------------ 皆さんからの感想・質問・要望をお待ちしています。 「こんなテーマを扱ってほしい」 「こんなことはできるの?」 「このへんが分かりにくかった」 「1回の分量を増やしてほしい/減らしてほしい」 など、掲示板(下記URL)まで気軽にお願いします。 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_thread (スレッド表示) http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_tree (ツリー表示) メールでもコメントを受け付けておりますので、そちらもご利用下さい。 tetrahedrane@yahoo.co.jp なお、いただいたコメントは、本マガジン上で引用する場合があります。 (メールアドレスやお名前は一切公開いたしません) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 感想・質問宛先 http://bbs9.otd.co.jp/dos/bbs_tree tetrahedrane@yahoo.co.jp ● 登録・解除・バックナンバー http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/4963/column/dos/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』を利用して発行しています。 http://www.mag2.com/m/0000106066.htm (c) 2003 Chisato Hayahoshi