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(ニ)「お手伝いカートのご利用のお客様へのお願い」に対する私のコメント2000.12.30.作成

 私がここで申し上げたいのは、敬語のこともあるが、実は、この親切すぎる応対である。子供の安全に対して、スーパーがこんなに親身になる必要があるのだろうか。子供の管理責任は親にある。もし、そのお手伝いカートの車輪に子供が足を挟まれても、スーパーは何の責任もない。「気をつけてください」と言えばそれで十分だ。

 もし、子供がけがをしたら、どうなるだろうか。まず、大騒ぎになる。そして、店の営業が一時止まるかもしれない。スーパーの信用も落ちてしまうだろう。スーパーとしては大損害である。スーパーはその保護者に対して、損害賠償を請求してもいいぐらいだ。
 だから、親は気を付けろと、スーパーは主張すべきである。

慶應大学の鈴木孝夫先生がある本でこんな話をされている。
 パリの小動物園の「象舎」にある掲示板を紹介して、
「そして傑作なことに、柵には一枚の絵がかかっていて、子供が象の鼻で巻き上げられて、もがいている様子がかかれていた。書いてある文章を読むと『フランクフルト動物園では、象に近づきすぎた子供がこのようになりました』と書いてあるではないか」と。
 (ことばの社会学 鈴木孝夫著 新潮文庫 1992年 p.105)


 もう一度ジャスコの注意書きを復習してみよう。
『お手伝いカートのご利用のお客様へのお願い
 お子様が(お手伝いカート)をご利用の際は、お子様の安全の為に、お付き添いのお客様が御一緒して頂きますようにお願い申し上げます。
ジャスコ川口店 店長』
 
 ううん、確かにすごい日本語である。
 これはこのように書き換えたらどうだろうか。
 「注意:このお手伝いカートはお客様の責任においてご使用ください」
または、
 「このお手伝いカートによる事故等々に対して、スーパーは一切責任を負いません」
 でもいいか。

 ううん、これだと表現がきつすぎて、険悪な空気になるかもしれない。ま、そのぐらい強く言って、意識を覚醒させた方がいいかもしれない。

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