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(27)ありがた迷惑・中文読解 類推(27) 2001.12.1作成 制限時間6分

正解:2

 「ありがた迷惑」とは実に面白いと思います。相手の親切が迷惑になってしまうなんていうのは、よくあると思います。が、これは不必要な親切をはっきり断れない、またはあからさまに断ってはいけない、日本の風土に根ざしたことなのでしょうか。
 
 この前、友人からこんな話を聞きました。
 その友人はある仕事の手伝いを頼まれて、地方の大学に行ったそうです。2日間、ほぼ缶詰状態で議論や作業があり、彼は早く解放されたいなと思っていました。仕事が終わり、三日目の朝、帰る日になりました。空港まで大学の自動車で送ってもらいました。彼は一人になりのんびりコーヒーでも飲みながら飛行機を待とうと思っていたのですが、空港まで見送りに来た何人かの関係者が、まだ、時間があるから一緒にお茶でも飲みましょうと言ったのだそうです。彼は断るに断れず、半分イライラ、半分ニコニコで、非常に不快な時間だったと怒っていました。

 私も同様の経験があります。
 それは今から6年前、国際交流基金からマレーシア工科大学に派遣された時のことです。成田を朝10時に発ち、夜の7時頃、クアラ・ルンプールのホテルに到着しました。ホテルの手続きにけっこう時間がかかり、投宿できたのは8時を過ぎていました。私は妻と子供4人をかかえて、一刻もはやく着替えてくつろぎたいと思っていたのですが、大学の同僚たちが一緒に夕ご飯を食べましょうということで、ほぼ全員が待っているのであります。彼らは気を利かしているつもりなのでしょうが、実は相手の状況を全く考えない、独善的行為なのです。東京から8時間のフライトで疲れている家族を自由にしてあげるというのが本当の親切だと思うんですが、いかかでしょうか。


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