このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
議論のしかた
今回は集団議論を行います。
クラスを「ペット飼育」賛成のグループ(数名)と反対のグループ(数名)、及び審判員(2〜3名)に分けます。
課題文読解、聴解練習を済ませ、基本的な情報や語彙を理解させてから討論を行ってもらいたい。
討論は以下の通りに行う(決してこれが「一番」というわけではないので、適宜自分に合ったやり方でやるのがいい)
(1)まず賛成のグループの代表が賛成の意見を発表する
(2)次に、反対のグループの代表が反対の意見を発表する
(3)討議を行う
1.賛成意見(1)に対して反対のグループが批判する。
2.1.が終わったら反対意見(2)に対して賛成のグループが批判する
(4)議論が出尽くしたところで、審判が評価をする。
評価は文法、語彙、表現、態度、声の大きさ、論旨の是非等をチェックしたあとで、総合的に優劣を判断する。
(注意点)これはあくまでも日本語の学習なので、教師は暴走しないように議論の流れをよく見ていることが肝要である。発言者が特定の学習者にかたよらないように、気を配る。また、議論が脇道にそれないようにうまく誘導する。
ペット裁判 ディスカッション資料(教師用)
(A)集合住宅等でのペット飼育に賛成の側の主な理由
1.子供の教育上有益である。ペットを飼うことによって、自然に親しみ、生命の尊さを学び、情操教育の糧となる。
2.臭い、鳴き声、汚物(糞、尿、毛など)などで近所の人々に迷惑をかける可能性は否定しないが、正しく管理すれば、解決できる。ペットに責任はない。飼い主に問題がある。
3.一人暮らしの老人や子供のいない夫婦にとって、ペットは心を慰めてくれる心の友である。
4.動物は人間社会全体にうるおいと心の安らぎを与えるものである。車の騒音や、電車の騒音、その他さまざまな人間が作りだした音だけに囲まれて生きている現代人にとって、ペットの鳴き声は、むしろ心地よいものである。
5.このような判決が通れば、ペットはすべて保健所に送られ、屠殺されてしまう。かわいそうだ。
(B)集合住宅等でのペット飼育に反対の側の主な理由
1.まず、犬、特に大型犬は危険である。小さな子供が犬に噛まれたり、寄生虫をまき散らしたりする。
2.正しく管理するといっても、しょせんは動物である。家の回りに糞や尿をされてはたまらない。集合住宅では、犬を飼うのは不可能である。
3.夜、犬や猫の鳴き声はうるさい。赤ん坊の夜泣きの原因となる。田んぼの中の一軒家ではないのだ。
4.とにかく、動物は嫌いだ。無理をして狭いマンションで動物を飼う必要はない。
5.飼育を放棄された犬や猫が野性化している。マンションだけでなく、近隣のゴミ捨て場や駐車場が汚れて非常に困る。
6.子供同様に可愛がっていて、住民に迷惑はかけないから問題はない、という考え自体がすでにエゴイズムである。
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