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32. ライプニッツの公式をエクセルで検証
2011年5月4日。NHKの 「頭がしびれるテレビ」 という番組を観た。
番組は円周率「π」についてであった。伊東四朗が脳の老化防止のために円周率を記憶していることなどが紹介された後で、「ライプニッツの公式」が紹介された。
ライプニッツの公式とは次のようなものだ。
π/4 = 1 − 1/3 + 1/5 − 1/7 + 1/9 − 1/11 + 1/13 − 1/15 ・・・・・・・
有理数を足し引きしていくだけで、無理数であるπに近付く点に感銘を受けた。しかも、分母は奇数が並ぶという簡単な規則。天才は目の付け所がやはり違うようだ。 WIKIPEDIA には証明が載っているが、tanθ(タンジェント)が登場した時点でお手上げである。
そんな私大文系の僕だが、公式をエクセル(オフィス2010)で検証することに、挑戦することにした。証明は分からなくても、規則性が簡単なのでエクセルで計算できると判断したのだ。一晩寝ながら考えて、試行錯誤のうえ、今朝作成したのが下の表である。
− − A B C D E F −と+を交互に。 分母 分数を小数で表示。 累計 ×4 πとの差異 1 − − − − 1 − − 2 数値 −1 3 −0.33333 3333 0.66666 6667 2.66666 6667 0.47492 5987 式 −1 3 =A2*(1/B2) =D1+C2 =D2*4 =PI()−E2 3 数値 1 5 0.2 0.86666 6667 3.46666 6667 −0.32507 4013 式 =A2*−1 =B2+2 =A3*(1/B3) =D2+C3 =D3*4 =PI()−E3
1)見やすくするために小数第5位でスペースを入れた。
2)エクセル(オフィス2010)では、円周率に3.14159 26535 8979と小数第14位まで用いていることが判明した。
3)数式に誤りがある場合は、ご指摘をお願いします。
さて、3行目では円周率とはかけ離れた数値だが、行が増えていくにつれだんだんと近付いていく。
行 上表のB 上表のE 上表のF 備考 分母 ×4 差異 10 19 3.04183 9619 0.09975 3035 差異が0.1以下 19 37 3.19418 7909 −0.05259 5256 3.1まで一致 50 99 3.12159 4653 0.01999 8001 − 100 199 3.13159 2904 0.0099 9975 差異が0.01以下 119 237 3.14999 5867 −0.00840 3213 3.14まで一致 200 399 3.13659 2685 0.00499 9969 − 300 599 3.13825 9330 0.00333 3324 − 400 799 3.13909 2657 0.00249 9996 − 500 999 3.13959 2656 0.00199 9998 − 600 1,199 3.13992 5988 0.00166 6666 − 700 1,399 3.14016 4083 0.00142 8571 − 800 1,599 3.14034 2654 0.00125 0000 − 900 1,799 3.14048 1543 0.00111 1111 − 1,000 1,999 3.14059 2654 0.00100 0000 − 1,001 2,001 3.14259 1654 −0.00099 9001 差異が0.001以下 1,668 3,375 3.14100 0237 0.00059 2417 3.141まで一致 2,000 3,999 3.14109 2654 0.00050 0000 − 5,000 9,999 3.14139 2654 0.00020 0000 − 10,000 19,999 3.14149 2654 0.00010 0000 − 10,001 20,001 3.14169 2644 −0.00009 9990 差異が0.0001以下 10,794 21,587 3.14150 0010 0.00009 2664 3.1415まで一致 20,000 39,999 3.14154 2654 0.00005 0000 − 50,000 99,999 3.14157 2654 0.00002 0000 − 100,000 199,999 3.14158 2654 0.00001 0000 −
100,000行まで行っても、小数第4位までしか一致しないことが分かった。これが数学的に大きな誤差に当たるのかは、分からない。
ライプニッツは1646年にドイツで生まれ、1716年に亡くなっている。微積分は彼の発明によるところが大きいそうだ。2進法も彼の業績とのこと。
数学的素養がない私大文系でも、天才数学者の公式を検証することができた。現代文明の発展に感動する次第である。
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