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31. 横浜銀蝿に関する考察(その2)   


2003年4月30日、悲しいニュースの続報である。

「銀蝿リーダー、“翔”のケジメつけた姿」

 覚せい剤取締法違反の疑いで、逮捕されたロックグループ「横浜銀蝿」のボーカル、翔(しょう)(本名・田宮将吉)容疑者(44)。逮捕を受け、グループのリーダーで翔の実兄、嵐(らん)(48)は“ケジメ”をとった。その心情、そして今後を、嵐とも親交がある夕刊フジ連載「今週の交遊」のプロデューサー、高須基仁氏が語った。

 「翔がまた逮捕…」。衝撃の報を受けたのは、新聞報道前日の先週木曜(24日)深夜だった。翌25日の昼下がり、嵐さんから相談したいと呼び出されたが、現れた嵐さんは元の顔が想像できないほどの姿、形に。「スキンヘッド」「ヒゲなし」「濃紺のダブルのスーツ」にネクタイ…。

 「ファンと世間に対する“おわび”ってどうしたらいいのか、一晩中考えたんだよ…」と、私と会う直前にカミソリを使って、自らスッパリとソリ落としたという。

 もともと体育会系で、同じ間違いを3度も引き起こした弟、そして、「まったく気が付かなかった」という自らへのふがいなさもあった。もちろん、グループの活動は「無期限停止」と、私の前で嵐さんは「不覚の涙」を流しながら話した。

 バンドのリーダーとしての立場と肉親の情の間で、彼の悩みは深く、悲しい。そんな嵐さんのけじめに、銀蝿ファンはどう答えるか。

 ファンの大部分は男性で、少し世間から嫌われているツッパリ系が多いけれど、コンサートも「集会」と呼び、その想いは熱く、結束はとても強い!! あす29日には、嵐さんが社長を務めるレコード会社の所属アーティストのライブ「嵐ちゃん祭り」が開催され、嵐さんがファンに直接謝罪もするという。

 とてつもなく厳しく、つらいグループの今後。それでも銀蝿ファンは、そんな彼らを支持し続けていくに違いない。(夕刊フジ)



 さて、夕刊フジにツッコミを入れたい。この記事のタイトルは「銀蝿リーダー、“嵐”のケジメつけた姿」の間違いであろう。
 今回の事件はまことに残念である。事件を風化させないために、ここにT.C.R.横浜銀蝿 R.S.の歴史を記す次第である。

銀蝿銀蝿一家
79
(S54)
T.C.R.横浜銀蝿 R.S. 結成
80
(S55)
デビューシングル「横須賀Baby」発売
81
(S56)
「ツッパリ High School Rock’n Roll (登校編)」
「羯徒毘路薫’狼琉」
「ツッパリ High School Rock’n Roll (試験編)」
82
(S57)
「お前サラサラサーファー・ガール おいらテカテカロックン・ローラー」
「あせかきベソかきRock’n Roll」
「男の勲章」 嶋大輔
「ぶりっこRock’n Roll」 紅麗威甦
83
(S58)
「お前にピタッ!」
「哀愁のワインディングロード」
12月31日に解散
「ドリーム・ドリーム・ドリーム」 岩井小百合
88
(S63)
嶋大輔 「超獣戦隊ライブマン」の主演
91
(H3)
「オレ達、ルーキーショー」
ルー大柴・きたろう・翔で結成
95
(H7)
「業界馬鹿のロックンロール」
横浜銀バウ(松村邦洋・柳沢慎吾・嵐・翔)
96
(H8)
ニセTAKU(井出一雄)逮捕される。
97
(H9)
翔 一回目の逮捕(不起訴処分)
再結成
99
(H11)
翔 二回目の逮捕
03
(H15)
ニューアルバム「ぶっちぎり鹿馬(カバー)」を発売
翔 三回目の逮捕

 それは僕が大学生の頃だ。当時小堺一機が司会を務める「いただきます」に嶋大輔が出演したことが有った。サイコロを投げて、たとえば「面白い話」などの話題を決め、ゲストがその話しをするというコーナーでの出来事だ。嶋大輔が投げたところ、彼が用意していない目が出てしまった。
 嶋 : 「うーん、何を話そうかな?」
 小堺 : 「それじゃ、僕がつなぎましょうか?」
 嶋 : 「ちょっと、お願いします。」
 小堺 : 「♪ツッパルことが男の〜」

 そのとき、嶋大輔は「やめてくださいよ!」と言って泣き顔で小堺にすがりついた。あたかも恥ずかしい過去を暴露されたかのような態度であった。
 僕は激怒した。なんだ、その態度は。君は、ツッパルことが男のたった一つの勲章だってこの胸に信じて生きていくはずではなかったのか。なぜ、銀蝿一家に所属していたことを恥じねばならないのか。杉本哲太がそのような態度を取らないことを心から望む。

 ところで、岩井小百合がこの表に入っていることを不思議に思う方もいらっしゃるかもしれないが、岩井小百合はT.C.R.横浜銀蝿 R.S.の妹分である。
 僕が唯一実家を知っている(と思う)芸能人が、岩井小百合である。彼女の出身は神奈川県秦野市であり、僕の実家の有る平塚市と隣接している。それは僕が中学生の頃のこと。ある友達が、平塚に転校してくる前は岩井小百合と同じ小学校に通っており、しかも上級生の彼女と知り合いであるという衝撃の告白をした。当時岩井小百合は人気が無くなっていたものの、まだ皆の記憶には鮮明に残っていた。その友達によれば、とある駅前商店街に、彼女の父親が経営している事務所があり、一家はその上に住んでいるという。もちろん、我々は見に行った。その駅前商店街は、隣の市とはいえ、自転車で15分の距離だ。友達が言ったとおりの場所に、事務所はあった。
 「な、言ったとおりだろう。」
 友達の誇らしげな笑顔が忘れられない。事務所に「岩井」の文字が無いのが気に掛かるが、僕はその事務所が岩井小百合の実家であると今でも信じている。

 さて、岩井小百合といえば、ある悲しい都市伝説に触れないわけにはいかない。これが絶対の事実か、というと100%の保証は出来ないが、僕は事実だと確信している。
 それは、岩井小百合の人気が無くなった後のこと。時間に余裕が出来た彼女は、ボーイフレンドとディズニーランドでデートする運びとなった。それがファーストデートかどうかは、調べがついていない。
 当時のメインアトラクションは、スペースマウンテンだ。彼氏もきっとドキドキしていたに違いない。きっとアイドル時代からファンだったはずだ。あの憧れの岩井小百合が、スペースマウンテンで隣の座席に座っている。まさに「ドリーム・ドリーム・ドリーム」である。動悸は最高潮だ。彼氏と岩井小百合を乗せたジェットコースター(正式名称は?)が暗闇の中へゆっくりと動き出す。どちらに曲がるのか予想も出来ない暗闇の中での急降下、急上昇、急カーブ。その衝撃は、彼の心臓の限界を超えていた。
 彼氏と岩井小百合を乗せたジェットコースターが、スタート地点に戻ってきた。
 「怖かったね」
 岩井小百合が隣の彼氏に話しかけようとしたところ、彼氏がグッタリしている。
 「あれ、どうしたの?」
 と言って、彼氏の手を取る。岩井小百合は、彼氏の脈が止まっていることに気付いた。彼氏の心臓は、その働きを停止していた。

 悲しい都市伝説である。



 

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